Aは大学院を修了後、BMSに入社。約18年にわたり、臨床開発部やクリニカルデベロップメント部門などで、製品の試験や開発戦略の立案・実行を主導してきた。製薬会社を目指したのは、高校一年生のころに家族が薬の副作用で亡くなったことがきっかけだった。
「その当時は、ショックと環境の変化で、毎日が必死で記憶がないほどでした。少し落ち着いてきたころに、『そもそも薬って何だろう』、『薬の副作用で亡くなる人を減らせないか』と考えるようになりました」。
元々、化学系が得意だったこともあり、大学は薬学部を進学先として選ぶことにした。就職先には薬剤師やMRも考えられたが、医薬品開発に興味を持ち、BMSの開発職として働き始めた。
「開発職としての採用は人数が少ないので、もちろん同業他社も受けましたが、その中でBMSはフレンドリーで、さらにその当時でも女性の採用に積極的という印象を受けました。こういう会社で働きたいと気持ちが固まり、その後、幸いにもご縁があり入社することができました。外資系の製薬会社というと、転職の多いイメージがあるかもしれませんが、開発職の同期は現在も在籍している人が多くBMSは社員を大切にする会社だと思っています」。
当時のBMSの日本法人は500名程度で、厳しい上下関係もなく、Aが最初に感じた通りのフレンドリーな社風だったそうだ。
「もちろん、仕事は簡単なものではありませんし、そこは厳しく指導を受けました。厳しいというよりも、仕事の内容的に細かいところはとことん突き詰めていけないということを教えてもらったという感じでしょうか。困ったときには必ず助けてくれるので、むしろ優しい職場だと思っています。私は、特に人に恵まれたと感じていて、目標にできる人、将来はこういう人になりたいと思える先輩や上司がいたので、将来の自分の姿をイメージしやすかったとこともよかったです」。