近年、科学の飛躍的な進歩により血液疾患の治療に変革が起き続けています。その中には、BMSの研究者が開発したいくつかの治療薬も含まれます。進歩を続けているとはいえ、血液疾患は治癒につながる選択肢がいまだ限られており、血液疾患を抱えることで、患者さんの生活の質が大きく損なわれることもあります。患者さんのニーズがある限り、私たちは、新しい効果的な治療選択肢の追求に取り組みます。
そこでWWヘマトロジーコマーシャル バイスプレジデントのJim Adairと、ヘマトロジーペイシェントアドボカシー シニアディレクターのMatt Alsanteに、常に患者さんを中心に据えて私たちの業務を全うすることの大切さ、そして血液疾患治療の次の進歩を実現するため協力することの大切さを語ってもらいました。
血液疾患の難しさと患者さんの生活への影響について、教えてください。
Jim: 血液疾患には、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性腫瘍 (MPN)など100以上の種類があります。どの疾患にも固有の科学的アプローチが求められ、患者さんのニーズを考慮しなければなりません。BMSは、この多様性を意識することの重要性を理解し、数十年間の研究と臨床経験に基づき、多発性骨髄腫などの主要な血液がんや、貧血などの日常生活に支障を来す症状の治療に変革を起こしてきました。大きく前進したとはいえ、私たちは今も、血液疾患領域全体でさらに多くの患者さんを支援するために、BMSのポートフォリオやパイプラインを拡大しようとしています。
Matt: 血液のがんはその性質上、体のほぼあらゆる部位に広がるおそれがあり、種類を問わずどの血液がんも、患者さんと家族に特有の負担を与えます。例えば、多発性骨髄腫の患者さんは、生存期間を伸ばすために、主治医と様々な治療の選択肢を話し合えるかもしれませんが、骨髄異形成症候群の患者さんは、治療選択肢が限られているため、急性骨髄性白血病への移行を遅らせることに専念します。疾患の初期段階の方から、打てる手が限られた方まで、疾患の全過程で患者さんのニーズに応えるよう取り組んでいます。
患者さんの多様なニーズに、どのように応えているのですか?
Jim: 新薬で最も大きな効果を生み出せる分野はどこか考える際、私たちは、患者さんの差し迫ったニーズに対応することを基本にしています。患者さんの経験や、患者さんが感じている治療のギャップを理解しこれを解決するには、ドクターとの会話や、あるいは患者団体や市場調査などを通じて、患者さんの声に耳を傾けることが欠かせません。私たちは、患者さんの生活を改善するために、アンメットニーズが最も大きい領域に重点を置いています。そうすることで(BMSが骨髄領域で達成したように)、これまで何年も進歩が見られなかった領域にイノベーションをもたらせるかもしれません。数十年の研究と臨床経験に基づき、私たちは血液疾患領域の知見を活かして科学の進歩を促し、血液疾患に苦しむ患者さんのアウトカムを改善し続けています。
Matt: 血液がんと初めて診断された患者さんは、無力感に襲われ、今後どうすればよいか自力で情報を探し始めます。その結果、誤った情報にたどり着いたり、不安に駆られたりする場合もあります。
ペイシェントアドボカシーという仕事を通じて、私たちは患者団体と協力して、患者さんと家族が信頼できる情報にアクセスできるよう努めています。患者団体との連携を通じて、患者さんの声を代弁し、BMSの活動のあらゆる面に患者さんのニーズを確実に取り入れています。
患者さんの多様なニーズに応えるもうひとつの方法として、米国でStanding in the Gaap プログラムを実施しています。これは、十分に医療を受けられない層の医療アクセスと健康アウトカムを改善し、多発性骨髄腫のアフリカ系アメリカ人の診断、治療、生存率に見られる格差の解消を目指すプログラムです。多発性骨髄腫は、アフリカ系アメリカ人に最もよく見られる血液がんです。アフリカ系アメリカ人は米国の人口の約14%であるのに対し、多発性骨髄腫症例の20%がアフリカ系アメリカ人です。
組織の垣根を越えた連携によって、血液疾患領域のイノベーションをどのように推進しているのですか?
Jim: 私たちは、血液疾患領域で初となる成果をいくつも達成し、BMSの幅広いポートフォリオを通して患者さんのために新たな進歩の実現に努めています。血液疾患領域のBMSのパイプラインは豊富で、細胞療法などの先端技術を中心に、複数のモダリティ、併用療法、プラットフォームにまたがって25件が臨床開発段階にあり、うち半数以上が後期段階の治験を実施中です。
例えば 多発性骨髄腫では、この疾患を抱えるすべての患者さんのアウトカムを改善するために、がん細胞を攻撃する幅広いモダリティを様々な角度から探っています。すべての力を結集して、現在の治療法と次世代のイノベーションの両方を発展させています。できる限り大きなインパクトを与え、効果的な治療の選択肢を少しでも早く患者さんに届けるために、専門分野の垣根を越えて全社員が協力しています。なぜなら、患者さんが私たちを待っているからです。この共通のビジョンのおかげで、しかるべき目標と目的を掲げて力を合わせられます。特定の分野や部門のため行動するのではなく、幅広い患者さんのニーズを考慮し、私たちがサービスを提供する患者さんにとってベストな選択をしています。
Matt: 私は、国や自治体の患者団体と連携して、BMSの社員にペイシェントジャーニーを知ってもらうことに、何より喜びを感じています。患者コミュニティの実態を社員に知ってもらうことは、私たちの仕事にとって大切な要素であるだけでなく、BMSが続けている途方もない努力の意義も再確認できます。私たちは、科学の力、連携、このコミュニティでのBMSの取り組みを強化するパートナーシップを通して、単に疾患の進行を遅らせたり寿命を伸ばしたりするだけでなく、より良い人生の可能性を実現することを目指しているのです。