臨床試験の多様性を高めるための取り組み

臨床研究をめぐる環境全体に、BMSがサービスを提供する集団の多様性を反映させるため、幅広い取り組みを行っています。その一環として、どんな方法で臨床試験の多様性を高めようとしているか、いくつか例を紹介します。

2023/12/13     
 img01

もし自分が患者ならと想像してください。治りにくい病気や命にかかわる病気になったら、あらゆる手段にすがりたくなるでしょう。

臨床試験が選択肢になる場合も多いものの、様々な理由から臨床試験へのアクセスが困難な人もいます。

ブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)は、こうした現状を変えるべく懸命に取り組んでいます。私たちは、世界中の幅広い患者さんが臨床試験へ参加できるようにする取り組みにおいてで、業界のリーダーとして認められつつあります。

臨床試験の多様性がなぜ重要なのか?


医薬品は患者集団によって効果に差がある可能性があり、様々な臨床試験は、世界中の患者さんに対して医薬品の有効性を保証する機会を与えてくれます。

人種、民族、性別、居住地などの特徴に関係なく、特定の病気を抱える幅広い患者さんを対象とする研究を発展させることで、私たちは、十分な医療サービスを受けられないコミュニティの方々を支援し、ひいては世界の健康格差の解消に寄与しています。

同時に、多様な研究を通じて、全ての人を対象とする、より効果的な個別化医療の実現につながる知見を得られるかもしれません。

どんな方法で臨床試験の多様性を高めているか?


私たちは、次の6つの方法によって、臨床試験への参加を阻む障壁を取り除こうとしています。

マイノリティ集団の居住地に近い施設や、多様性が高い地域にある施設を探し選定しています。2023年10月現在、BMSの研究施設の62%が多様性の高いコミュニティに設置されています。

2023年10月現在、BMSは研究施設の62%を多様性の高いコミュニティに設置

インクルーシブなデザイン: 使用する言語や臨床試験スケジュールなど、インクルーシブな試験デザインを採用しています。米国では、試験に参加する成人全員が、疾患に特有の適格性基準だけでなく、性的指向、ジェンダーアイデンティティ、インターセックスなどの特徴を含め、幅広い患者属性を申告することができます。これは、患者集団を問わずインクルーシブで多様性のある臨床試験を実現するための、重要な一歩です。

分かりやすいコミュニケーション: 研究への信頼を築き、BMSの臨床試験参加者へのコミットメントを示すために、重要な情報を分かりやすく効果的に伝えることが重要です。業界の関係者、研究機関、規制当局とも緊密に連携し、ベストプラクティスの共有や業界基準の策定も行っています。

コミュニティの重視: 健康の社会的決定因子や臨床試験への参加を阻む障壁への理解を深めるために、試験を実施するコミュニティのメンバーと密接に協力しています。米国では、治験責任医師の25%以上を、人種的・民族的に多様な背景の出身者にするための取り組みを進めています。

教育: 社員とパートナーは研修を受け、多様な患者さんの異なるニーズへの理解を深めるために協力しています。例えばBlack Health Mattersと提携して、BMSが実施する前立腺がんの試験に参加する黒人男性を2倍に増やしました――黒人男性の前立腺がん罹患率は白人男性の1.5倍です。

アカウンタビリティ: 私たちは、これまでの進歩と今後の課題を把握することで、説明責任を果たしています。こうした努力が評価され、2023年にBMSは『タイム』誌が選ぶ「最も影響力のある企業100」(インクルーシブな医薬品研究部門)に選ばれました。多様性、インクルージョン、臨床試験デザインの完全性などの項目を含むBioethics International社のスコアカードでも、ゴールドバッジを獲得しました。

これらはいずれも、グローバルなインクルージョン、多様性、健康の公平性に対するBMSの幅広いコミットメントと一致するものです。

AIなどのテクノロジーは、どんな役割を果たしているか?


人工知能 (AI): BMSは、医薬品開発工程の全段階でAI技術を活用する数多くの方法を検討しています。臨床試験に関しては、マイノリティ集団のデータをすぐに入手できない場合、AIを活用してこの集団を基にシミュレーションしたデータを統合しています。

デジタルプラットフォームと遠隔医療: デジタル化によって、一部の臨床試験はリモート参加が可能になり、マイノリティに属する方が居住する地域からも、参加しやすくなっています。例えば特定の試験では、患者さんのリモート登録を可能にすることで、手続きを効率化し手軽に参加できるようにしています。

ソーシャルメディア: ソーシャルメディアを通じた治験広告により、多様な患者集団に接触しやすくなり、治験の参加者候補を増やすことができます。そこで、治験参加者の募集にソーシャルメディアを慎重かつ効果的に活用する方法を探っています。

臨床試験以外の患者体験は?


最終的には、治験をめぐる環境――研究施設、治験責任医師、長期介護チームを含む――に、当社が医薬品を提供する対象である多様な集団が反映されるよう努めています。

より大きな視点に立つと、公平な治療を目指す私たちの戦略は、スクリーニング、早期診断、質の高い治療へのアクセス、画期的な医薬品など、患者体験のあらゆる面を対象としています。

私たちが、どんな方法で患者体験の多様性とインクルージョンを向上させているか、詳しくはこちらをご覧ください。

関連コンテンツ