薬の安定供給は患者さんのために
愛知工場で日々奮闘しています

M. K. 生産物流部門 愛知工場 エンジニアリング・EHS・オペレーションエクセレンス

2023/07/04     

ユーティリティ施設全般の管理と安全、衛生と環境を守るEHSの業務に携わっているK。愛知工場で昨年導入された電気ボイラー設置のリーダーも務めました。薬を安定供給するために、毎日細かなところにまで目を配っています。

より厳しい環境で仕事をしたいと
製薬会社への転職を決意しました

以前は、食品の品質管理を行う企業で働いていたというK。ブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)に入社したのには、ある秘めた決意を持っていたそうです。

「製薬会社の人と同じ会議で話を伺うことがあって、食品管理よりもさらに厳しい法令の下で仕事をされているのを知りました。より厳しい環境で製品を作ったり、管理をしたりする部分に魅力を感じて、転職を決意しました」。

Kは自分のことを「転職を繰り返すタイプではない」と分析していますが、その時は魅力的な仕事に惹かれて挑戦したい気持ちが強まったと言います。

BMSに入社後は、抗がん剤の関係の製造に携わり、その後エンジニアリング部門へと移り、設備の入れ替えやメンテナンスといったユーティリティ施設全般の管理の仕事に就くようになりました。そして昨年からはEHSという安全、衛生と環境の業務にも携わり、活躍しています。

「製造やエンジニアリング部門で約20年働いていて、工場全体のことはだいたいわかるだろうということで異動しましたが、工場内の空調等の重要な設備をすべて見ることになり、責任の重さを感じながら日々働いています」。

世界のBMS工場で初めて
電気ボイラーの設置を行いました

工場の空調は、材料や製品の管理には欠かせないものです。不具合が出ると夜中であっても対応しなければなりません。現在は、Kを含めた2名体制で対応しており、出張や休みはお互いに調整をしながら行っています。

「設備を入れ替える際には法律や環境について相当勉強しないといけません。当然、製造のときは製造のときで難しさはあったのですが、それとは違った難しさを感じながら仕事をしています。特に空調は、安定的に患者さんに薬を届けるには欠かせない設備なので、決して止めてはいけないものです。愛知工場では、設備の不具合で薬の製造が止まるといったことは私の知る限り一度も起こっていないので、自分もそれに続いていきたいと思っています」。

それと同時にEHSとして、振動や騒音対策にも気を配り、それを米国本社に報告することも業務の一環です。

昨年は、Kがリーダーとなって電気ボイラーの設備更新を行いました。これは世界中のBMSの中で愛知工場が初めての試みだったそうです。

「ほとんどの国では都市ガスの価格が安価なので、ガスボイラーを使用しています。そんな背景があるので、まずは米国本社の承認を取るのが大変でした。しかし、愛知工場の生産規模やガス代、電気代といった詳細なデータを集めて説明し、CO2削減に貢献できることを訴えてOKをもらうことができました」。

初めての試みは、難しい挑戦の連続でした。ボイラーの入れ替えの際には、当然、空調もストップしてしまうため、その時間を最短にするために入念な準備が必要だったからです。

「配管は複雑なので、間違って繋がないように細心の注意を払いました。電気は目に見えないので、そこにも難しさがありましたね。もちろん関係する届け出なども膨大にあって、その対応もしなければなりませんでした」

Kの努力が実り、電気ボイラーは無事予定通りに設置を終え、工場の稼働に影響を与えることはありませんでした。しかも、高いパフォーマンスを発揮し、コスト面でも効果が出始めています。

患者さんの声を直接聞いて
安定供給の重要性を再認識しました

Kが日常的に携わっているのは工場内の設備類ですが、その先には患者さんを中心に考えること(Patient Centricity)を常に意識していると言います。

「以前、患者さんが工場見学に来て、話を伺ったり、ディスカッションをしたりする機会がありました。今も継続して薬を服用されている治療中の方ばかりで、工場で薬が作られている様子を見て『こういう機会を与えてもらい、ありがとう』と声をかけていただきました。そうした生の声というのは、直接心に伝わってくるものですね。ますます患者さんのために安定供給をしなければならない、工場を止めるようなことがあってはならないという思いを強くしました」。

Kや愛知工場のメンバー全員の強い思いが日々の業務の原動力となり、安定生産に繋がっているのが伝わってきました。