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プレスリリース

中等症から重症の潰瘍性大腸炎、1日1回の経口治療薬
ゼポジア®の製造販売承認を取得

潰瘍性大腸炎

2024/12/27

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社

※本プレスリリースに記載されている情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社は本日、スフィンゴシン1-リン酸(S1P)受容体調節剤であるゼポジア®(製品名:「ゼポジア®カプセルスターターパック」、「ゼポジア®カプセル 0.92mg」、一般名:オザニモド塩酸塩、以下ゼポジア®)について、既存治療で効果不十分な中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療薬として、厚生労働省より製造販売承認を取得しました。
ゼポジア®は、S1P受容体調節剤であり、S1P受容体1および5に高親和性で結合し、リンパ球遊走の上流で作用する潰瘍性大腸炎治療に対する新規作用機序の治療薬です。1日1回の経口での服用が可能であり、利便性の高さも特徴です。

本承認は、日本人の中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内第2/3相試験(RPC01-3103試験=J-True North試験)の結果にもとづいています。試験では、臨床的有効性並びに粘膜治癒を含む内視鏡的及び組織学的な疾患活動性に対する有効性が認められ、かつその治療効果は長期にわたり持続し、安全性プロファイルも良好であったことが確認されました。

潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜(最も内側の層)にびらんや潰瘍ができる炎症性疾患です。厚生労働省の患者調査によると、2021年の日本における特定医療費(指定難病)受給者のうち、潰瘍性大腸炎の総患者数は約138,000人とされています1
主な症状には、下痢や血便、痙攣性または持続的な腹痛がみられ、重症になると、発熱、体重減少、貧血などの全身の症状が起こります。また、腸管以外の合併症として、皮膚の症状、関節や眼の症状が出現することもあります2。多くの場合、治療により症状の改善や消失(寛解)が認められますが、再燃する場合も多く、発病して年数が立つと大腸癌を合併するリスクも高くなります2

働く世代の若い患者さんも多く、日常生活における症状のコントロールにかかる心理的、物理的負担は少なくありません。既存の治療法では、有効性が得られない場合や、利便性、安全性、アドヒアランスの問題で薬剤間の切り替えが必要なケースもあり2、特に中等症から重症の患者さんに向けた新規作用機序の治療法開発が望まれてきました。

BMSでは長期的な視点での安全性や有効性の確保と、患者さんの心理的負担軽減につながる治療薬の開発を目指してきました。今回の承認により、ゼポジア®中等症から重症の潰瘍性大腸炎の患者さんに新たな治療選択肢となり、患者さんのQOL向上に貢献することを期待しています。

 

国内2/3相臨床試験(RPC01-3103試験)について


国内第2/3相試験(RPC01-3103試験=J-True North試験)は、経口5-アミノサリチル酸製剤又はステロイドの投与歴がある中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験です。日本人の中等症又は重症の潰瘍性大腸炎(UC)患者を対象にオザニモド2用量[0.46mg 1日1回(QD)及び0.92mgQD]の用量反応性を評価するとともに、オザニモドのプラセボに対する有効性を検証し、長期安全性を評価しました。

主要評価項目である投与12週時に臨床的改善(完全Mayoスコア)が認められた患者の割合は、オザニモド0.92mg群(61.5%)でプラセボ群(32.3%)と比べて統計的に有意に高くなりました(層別CMH検定、p=0.0006)。オザニモド0.46mg群(52.9%)でも同様に、プラセボ群と比べて統計的に有意に高くなりました(p=0.0158)。また、オザニモド0.92mg群及び0.46mg群とプラセボ群との群間差の推定値はそれぞれ0.301及び0.206であり、オザニモド0.92mgの方が0.46mgよりも大きいことが分かりました。副次評価項目である、投与12週時に臨床的改善(9ポイントMayoスコア)が認められた患者の割合、投与12週時に臨床的寛解が認められた患者の割合、投与12週時に内視鏡的改善が認められた患者の割合、及び投与12週時に粘膜治癒が認められた患者の割合の結果は、主要評価項目の結果と一致しており、オザニモド両群でプラセボ群と比較して高くなりました。
投与52週時に臨床的改善(完全Mayoスコア及び9ポイントMayoスコア)が認められた患者の割合、52週時に臨床的寛解が認められた患者割合、投与52週時に内視鏡的改善が認められた患者の割合、投与52週時に粘膜治癒が認められた患者の割合、及び投与52週時にステロイドフリー寛解を達成した患者の割合の結果から、投与12週時での有効性が投与52週時でも維持されていることが確認されました。

安全性については、全体として、オザニモド0.46mg及び0.92mgの忍容性は高く、安全性プロファイルは良好でした。

 

ゼポジア®について


ゼポジア®は経口のスフィンゴシン1リン酸(S1P)受容体調節剤であり、S1P受容体1および5に高親和性で結合し、リンパ球遊走の上流で作用する、潰瘍性大腸炎に対する新規作用機序の治療薬です。ゼポジア®は、リンパ球を末梢リンパ組織内に保持することで、リンパ球の体内循環を制御し、病巣へのリンパ球の浸潤を阻害します。ゼポジア®は、Zeposia®の製品名で、再発型多発性硬化症の成人患者および中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎の患者に対する治療薬として、2020年以降、米国、欧州など多くの国で承認されており、世界の患者さんのQOL向上に貢献しています。

【製品概要】

販売名

ゼポジア®カプセルスターターパック
ゼポジア®カプセル 0.92mg

一般名

オザニモド塩酸塩

製造販売承認日

2024年12月27日

効能又は効果

中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療(既存治療で効果不十分な場合に限る)

用法及び用量

通常、成人にはオザニモドとして1~4日目は0.23mg、5~7日目は0.46mg、8日目以降は0.92mgを1日1回経口投与する。

製造販売元

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社

 

参考文献

  1. 厚生労働省「令和3年度衛生行政報告例」衛生行政報告例/令和3年度衛生行政報告例 統計表 年度報、【難病・小児慢性特定疾病】、第1表 特定医療費(指定難病)受給者証所持者数、潰瘍性大腸炎 http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/36-19.html
  2. 公益財団法人 難病医学研究財団/難病情報センター. 潰瘍性大腸炎(指定難病97 [Internet]. [Cited 2024 Feb..8]. Available from: https://www.nanbyou.or.jp/entry/62