プレスリリース
CAR T細胞療法「ブレヤンジ®静注」が再発又は難治性濾胞性リンパ腫(グレード 1、2、3A )に対する適応追加承認を取得~高リスクの2次治療に対してCAR T細胞療法の適応として世界で初めて
がん領域
2024/08/16
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
※本プレスリリースに記載されている情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社は、CD19を標的とするCAR T細胞療法(キメラ抗原受容体遺伝子改変自家T細胞療法)「ブレヤンジ®静注」(一般名:リソカブタゲン マラルユーセル、以下ブレヤンジ)について、再発又は難治性の濾胞性リンパ腫(グレード1、2、3A)を対象とした効能、効果又は性能の追加に係る再生医療等製品製造販売承認事項一部変更承認を取得しました。これにより、すべてのグレードの濾胞性リンパ腫が対象となり、高リスクの2次治療としては初めての適応となります。
今回の承認は、日本人を含む再発又は難治性のインドレント(低悪性度)B細胞非ホジキンリンパ腫患者(グレード1、2、3Aの濾胞性リンパ腫患者を含む)を対象としたブレヤンジの有効性及び安全性を評価する国際共同第Ⅱ相試験(JCAR017-FOL-001試験/TRANSCEND FL試験)の結果に基づいています。本試験において、3次治療以降で本品が投与された濾胞性リンパ腫患者(コホート1及びコホート2)の有効性解析対象集団101例(日本人8例を含む)について、主要評価項目とされた全奏効割合[95%CI]は97.0%[91.6-99.4]であり、閾値60%に対して統計的に有意でした。また、コホート1及びコホート2の日本人集団8例の全奏効割合[95%CI]は100%[63.1, 100]でした。
本試験において、2次治療で本品が投与された高リスク濾胞性リンパ腫患者(コホート3)の有効性解析対象集団23例(日本人1例を含む)について、主要評価項目とされた全奏効割合[95%CI]は95.7%[78.1, 99.9]であり、閾値50%に対して統計的に有意でした。なお、日本人1例でも奏効が認められました。安全性プロファイルはこれまでに報告されているものと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社研究開発本部長の杉田真は次のように述べています。「今回、高リスクの2次および3次治療以降の濾胞性リンパ腫(グレード1、2、3A)の承認により、すべてのグレードの濾胞性リンパ腫患者さんにCAR T細胞療法という新たな治療選択肢が提供できることを嬉しく思います。健康に最も深刻な影響を及ぼすがんという疾患の複雑性、多様性、絶えず変化する性質に対応し、今後も深刻な病気を抱える患者さんの人生に違いをもたらすために、革新的な治療法の研究開発を進めてまいります」。
国際共同第Ⅱ相試験(JCAR017-FOL-001試験/TRANSCEND FL試験)について
本試験は再発又は難治性の低悪性度B細胞非ホジキンリンパ腫(濾胞性リンパ腫[グレード1、2、3A])の成人患者の組織型及び前治療に応じたコホート(コホート1: 四次治療以降、コホート2: 3次治療、コホート3: 高リスクの2次治療)で構成しています。主要評価項目は全奏効割合、副次評価項目は完全奏効割合、奏効期間、完全奏効が認められた被験者における奏効期間、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性、細胞動態(学的)及び健康関連QOL等です。
濾胞性リンパ腫について
濾胞性リンパ腫は、びまん性リンパ節腫脹、骨髄病変、脾腫、及びその他の一般的ではない節外性病変を特徴とし、白血球の一種であるリンパ球のうち、Bリンパ球ががん化することで発症します1。一般的に病状の進行が緩やかな低悪性度リンパ腫ですが、再発を繰り返すことが多く難治性となり、治療を重ねるたびにPFSおよびOSが短くなると報告されています2,3,4。特に、POD24(診断後24ヵ月以内に病勢進行が認められ、最初に濾胞性リンパ腫と診断されてから6ヵ月以内に治療を受けた患者)に該当するなど高リスクの患者の予後は不良で、治療選択肢は限られています5。日本国内では、濾胞性リンパ腫は悪性リンパ腫の中で、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に次いで2番目に多く(約22%)6、年間約9,400人が新たに濾胞性リンパ腫と診断されています7。
ブレヤンジについて
ブレヤンジは、正常なB細胞の発生時に細胞表面に発現し、B細胞が悪性化した後も維持されるCD19を標的として設計され、4-1BB共刺激ドメインを有することで増殖と持続性を高めたCAR T細胞療法(キメラ抗原受容体遺伝子改変自家T細胞療法)です。ブレヤンジはアグレッシブB細胞性非ホジキンリンパ腫および濾胞性リンパ腫(グレード1、2、3A)及び辺縁滞リンパ腫を対象疾患として厚生労働省より希少疾病用再生医療等製品に指定されており、2021年3月に3次治療以降の「再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)」と「再発又は難治性の濾胞性リンパ腫(FL)(グレード3B)」を対象として再生医療等製品製造販売承認を取得し、2022年12月に同適応症に対する2次治療としての追加承認を取得しています。また、米国では2次治療および3次治療以降の再発・難治性LBCL、3次治療以降の再発・難治性慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫、3次治療以降の再発・難治性濾胞性リンパ腫ならびに3次治療以降の再発・難治性マントル細胞リンパ腫に対して、欧州連合およびスイスでは2次治療以降の再発・難治性LBCLに対して、イギリスおよびカナダでは3次治療以降の再発・難治性LBCLに対して承認されています。
参考文献
- がん情報サービス「濾胞性リンパ腫」[internet]; 2023 [cited 4 Dec. 2023]. Available from: https://ganjoho.jp/public/cancer/follicular_lymphoma/index.html
- Batlevi CL, Sha F, Alperovich A, et al. Follicular lymphoma in the modern era: survival, treatment outcomes, and identification of high-risk subgroups. Blood Cancer J. 2020;10(7):74.
- Rivas-Delgado A, Magnano L, Moreno-Velázquez M, et al. Response duration and survival shorten after each relapse in patients with follicular lymphoma treated in the rituximab era. Br J Haematol. 2019;184(5):753-9.
- Ghione P, Palomba ML, Ghesquieres H, et al. Treatment patterns and outcomes in relapsed/refractory follicular lymphoma: results from the international SCHOLAR-5 study. Haematologica. 2023;108(3):822-32.
- J Clin Oncol 2022; 40 16(Suppl): 7573
- Muto R, Miyoshi H, Sato K, et al. Epidemiology and secular trends of malignant lymphoma in Japan: Analysis of 9426 cases according to the World Health Organization classification. Cancer Med.2018;7(11):5843-58.
- 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録). [internet]; 2023 [cited 26 Oct 2023]. Available from: https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/data/dl/excel/cancer_incidenceNCR(2016-2019).xls
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