プレスリリース
ソーティクツの4年間投与の最新データが中等症から重症の尋常性乾癬患者における持続的な奏効率と一貫した安全性を示す
尋常性乾癬
2024/05/23
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2024年5月16日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。本プレスリリースに記載されている医薬品情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。
POETYK PSO長期継続試験でのソーティクツの4年間継続投与により、10人中7人以上の患者でPASI (Psoriasis Area and Severity Index)75達成率による臨床効果が維持されました。
POETYK PSO長期継続試験の4年間投与時点で新たな安全性シグナルは認められず、安全性プロファイルはこれまで確認されたものと一貫していました。
(ニュージャージー州プリンストン、2024年5月16日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク)は本日、中等症から重症の尋常性乾癬成人患者を対象としたソーティクツ(一般名:デュークラバシチニブ)の POETYK PSO 長期継続試験(LTE 試験)の4年間のデータを発表しました。4年間の継続投与後、208週時点のmNRI(modified nonresponder imputation)法によるPsoriasis Area and Severity Index (PASI) 75および90を達成した患者の割合は、それぞれ71.7%および47.5%で、医師による静的総合評価(sPGA)で0/1(消失/ほぼ消失)は57.2%でした。4年目時点でのソーティクツの安全性プロファイルはこれまでと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。
これらのデータは、2024年5月16日から18日までマルタのセントジュリアンズで開催された欧州皮膚科性病科学会議(European Academy of Dermatology and Venereology Congress;EADV)の春季シンポジウムで発表されました。
POETYK PSO試験プログラムの治験担当医師であるカリフォルニア大学ロサンゼルス校皮膚科教授兼部門長のApril Armstrong(MD、MPH)は、次のように述べています。「この4年間投与の結果は、中等症から重症の成人尋常性乾癬患者さんに現在承認されている唯一のTYK2阻害剤であるソーティクツの1日1回投与での安全性プロファイル、有効性、重要な役割をさらに裏付けるものです。多くの患者さんと医療従事者は、この慢性疾患から解放されて人生のほかの側面に目を向けることができるように、有効で便利な経口治療の選択肢を求めています。今回の結果は、この患者さんの求めに合致する標準治療になり得る経口の治療選択肢を提供できるということを更に裏付けています」。
今回の有効性解析には、主要なPOETYK PSO-1試験およびPOETYK PSO-2試験で初日からソーティクツを継続投与された後、POETYK PSO-LTE試験に移行した患者513例のデータが含まれます。ベースラインから4年目までソーティクツを継続投与された患者では臨床的有効性が持続し、4年目におけるPASI 75達成患者の割合は71.7%(1年目72.0%、3年目73.8%)、PASI 90達成患者の割合は47.5%(1年目45.6%、3年目49.0%)、sPGA 0/1は57.2%(1年目57.7%、3年目55.2%)でした。
安全性解析では、POETYK PSO-1、POETYK PSO-2、POETYK PSO-LTE試験で少なくとも1回ソーティクツの投与を受けた患者1,519例のデータを含みます。安全性解析における親試験で無作為化した患者の総曝露期間は4,392.8人年(PY)でした。4年時点の100PYあたりの曝露期間で調整した発現率(EAIR)は、1年目の発現率と比較して、有害事象(AE)(1年:229.2、4年:131.7)、重篤なAE(5.7、5.0)、AEによる投与中止(4.4、2.2)、帯状疱疹(0.8、0.6)、悪性腫瘍(1.0、0.9)、主要心血管有害事象(0.3、0.3)、静脈血栓塞栓症(0.2、0.1)および死亡(0.2、0.3)であり、ソーティクツへの曝露の増加に伴い、同等または低下しました。EAIR/100PYは、全安全性解析対象患者の総曝露期間におけるAE発現患者数として計算されました(AE発現患者は初回AE発現までの期間、AE非発現患者は総曝露期間)。
ブリストル マイヤーズ スクイブの免疫・心血管・神経科学領域担当シニア・バイスプレジデント兼臨床開発責任者のAlyssa Johnsen(MD、PhD)は、次のように述べています。「POETYK PSO臨床プログラムから得られた当社の強固なデータは、ファースト・イン・クラスの経口治療薬であるソーティクツの中等症から重症の尋常性乾癬患者の標準治療薬となる可能性を引き続き強化するものです。TYK2研究における当社のリーダーシップは、免疫介在性疾患の治療を前進させる弊社の革新的な科学を明確に示すものです。
ブリストル マイヤーズ スクイブは、POETYK PSO試験にご参加いただいた患者さんおよび治験担当医師の皆様に感謝の意を表明します。
POETYK PSO臨床試験プログラムについて
選択的TYK2阻害剤ソーティクツ(一般名:デュークラバシチニブ)の有効性および安全性評価プログラムであるPOETYK PSO-1試験(NCT03624127)およびPOETYK PSO-2試験(NCT03611751)は、中等症から重症の尋常性乾癬患者を対象に、ソーティクツの安全性と有効性をプラセボおよびオテズラ(一般名:アプレミラスト)と比較評価したグローバル第Ⅲ相試験です。POETYK PSO-1試験(患者666例)とPOETYK PSO-2試験(患者1,020例)はいずれも多施設共同無作為化二重盲検試験であり、ソーティクツ(1回6mg 1日1回投与)をプラセボおよびオテズラ(1回30mgを1日2回投与)と比較評価しました。POETYK PSO-2試験では、投与24週以降に無作為で休薬期間および再投与期間が設けられました。
POETYK PSO-1 および POETYK PSO-2試験の主要評価項目は、プラセボ群と比較した投与16週のPASI75および医師による静的総合評価(sPGA)スコア0または1(消失/ほぼ消失)の達成率でした。主な副次評価項目には、オテズラ群と比較した投与16週のPASI 75とsPGA 0/1の達成率のほか、ソーティクツをプラセボおよびオテズラと比較したその他の評価項目が含まれました。
両試験および各時点において、ソーティクツ群では有意に多くの患者がsPGA 0/1、PASI 75、PASI 90を達成しました。その効果は52週まで持続し、POETYK PSO-1試験では、ソーティクツで24週時にPASI 75を達成した患者の82%(228例中187例)が52週時点で効果を維持していました。POETYK PSO-2試験では、ソーティクツの投与を継続した患者の80%(148例中119例)がPASI 75を維持したのに対し、休薬した患者では31%(150例中47例)でした。
POETYK PSO-1およびPOETYK PSO-2試験での投与52週終了後、患者は現在進行中のPOETYK PSO長期延長(LTE)試験(NCT04036435)に登録し、ソーティクツ6mgの1日1回の継続投与を受けることができました。LTE試験には患者1,221例が登録し、少なくとも1回ソーティクツを投与されました。治療失敗規則による補完法(treatment failure rules method of imputation)を用いて有効性を解析したほか、mNRI法による感度解析および実測に基づく(as-observed)解析を実施しました。これらの手法は、他の薬剤に対する同様の解析で用いられているものです。
ブリストル マイヤーズ スクイブは、POETYK PSO-1、POETYK PSO-2およびPOETYK PSO-LTE試験に加えて、乾癬を対象とした第Ⅲ相試験であるPOETYK PSO-3(NCT04167462)およびPOETYK PSO-4試験(NCT03924427)においてもソーティクツを評価しています。
乾癬について
乾癬は、患者の身体的健康、生活の質、仕事の生産性を大きく損なう、有病率の高い慢性の全身性免疫疾患です。乾癬は世界的に深刻な問題であり、欧州で約1,400万人、米国で約750万人、世界では少なくとも1億人以上の方が何らかの形でこの疾患の影響を受けています。乾癬患者の約4分の1は、中等症から重症と考えられる症状を呈します。乾癬患者の最大90%は、銀白色の鱗屑で覆われた境界明瞭な円形または楕円形の局面を特徴とする尋常性乾癬を発症します。有効な全身療法があるにもかかわらず、中等症から重症の尋常性乾癬患者の多くが治療不十分あるいは未治療であり、現在の治療法に対する不満を抱えています。乾癬患者が訴える精神的な健康への影響は、私生活と仕事の両方で人間関係の負担となり、生活の質が低下する原因となっています。乾癬は、乾癬性関節炎、心血管疾患、メタボリック症候群、肥満、糖尿病、炎症性腸疾患、うつ病など、患者の健康に影響を及ぼしうる複数の併存疾患と関連しています。
ソーティクツについて
ソーティクツ(デュークラバシチニブ)は、独自の作用機序を有する経口の選択的アロステリックチロシンキナーゼ2(TYK2)阻害剤であり、新しいクラスの低分子薬です。選択的TYK2阻害剤として初めて、複数の免疫介在性疾患を対象に臨床試験が行われました。ブリストル マイヤーズ スクイブの科学者により、TYK2を選択的に標的とするよう設計されたソーティクツは、複数の免疫介在性疾患の病態形成に関わる主なサイトカインであるインターロイキン(IL)-23、IL-12およびI型インターフェロン(IFN)のシグナルを抑制します。ソーティクツは、TYK2の制御ドメインに結合して高い選択性を発揮することで、TYK2およびその下流の機能をアロステリックに阻害します。ソーティクツは、生理学的に適切な濃度においてTYK2を選択的に阻害します。治療量において、ソーティクツはJAK1、JAK2またはJAK3を阻害しません。
ソーティクツの適応症および安全性情報について
米国でのソーティクツの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。
ブリストル マイヤーズ スクイブ:患者さんの人生に違いをもたらす免疫学のパイオニア
ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。免疫介在性疾患を抱える人々は、慢性的な症状や病勢進行に耐える過酷な現実によって身体的、精神的、社会的な健康が損なわれ、簡単な作業や日常生活が困難になるリスクに直面しています。20年以上にわたり培ってきた免疫系の深い理解、そして患者さんを助けたいという情熱に支えられ、ブリストル マイヤーズ スクイブは、リウマチ、胃腸、皮膚および呼吸器領域のアンメットニーズを満たす有意義な治療法をもたらすべく、サイエンスの第一線に立ち続けています。また、患者さん一人ひとりのニーズに合わせた治療法を目指してサイエンスを追求するとともに、将来的に長期寛解、あるいは完治さえも実現しうる機序の発見に取り組むことで、アウトカムを改善し、治療選択肢を拡大しています。革新的な治療法の提供に向けて、研究者、患者さん、介護者の皆さんとパートナーシップを築きながら、ブリストル マイヤーズ スクイブは、患者さんのケアを新たな水準へ引き上げ、より良い人生という最も重要な希望の実現に向けて注力しています。
ブリストル マイヤーズ スクイブについて
ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedIn、X(旧Twitter)、YouTube、FacebookおよびInstagramをご覧ください。
オテズラは、アムジェン社の登録商標です。
将来予測等に関する記述の注意事項
本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、今後の市販後試験の結果が本試験の結果と一貫しない可能性、ソーティクツが本プレスリリースに記載された適応症で商業的に成功しない可能性が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2023年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。