プレスリリース
ブリストル マイヤーズ スクイブ、2023年ASHにおいて、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)による治療歴のない低リスク骨髄異形成症候群患者の貧血治療薬としてReblozylを評価した第Ⅲ相COMMANDS試験の有効性および安全性の主要解析結果を発表
がん領域
2023/12/18
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2023年12月9日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。本プレスリリースに記載されている医薬品情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。
新たなデータは中間解析結果と一貫しており、エポエチンアルファと比較して、Reblozyl®の 優れた有効性および奏効持続期間の有意な延長が引き続き認められました。
(ニュージャージー州プリンストン、2023年12月9日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:クリス・バーナー)は、赤血球(RBC)輸血を必要とする可能性がある、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)による治療歴のない低リスク骨髄異形成症候群(MDS)患者の貧血治療薬として、Reblozyl®(一般名:luspatercept-aamt)をエポエチンアルファと比較評価した第Ⅲ相COMMANDS試験の最新主要解析結果を発表しました(口頭発表番号:#193)。これらのデータは、12月9~12日、2023年米国血液学会(ASH)年次総会で口頭発表されます。
本試験の治験責任医師であり、テキサス大学MDアンダーソンがんセンター、骨髄異形成症候群科のセクションチーフであるGuillermo Garcia-Manero(M.D.)は、次のように述べています。「COMMANDS試験の本最新データは、ASCOで発表されたデータに追加の患者さんとより長期の追跡調査結果を加えたものです。ESAを上回る有効性と治療反応の持続性によって中間解析の肯定的結果を裏付けるとともに、ReblozylがMDSによる貧血治療に変化をもたらす可能性を実証しています。解析では、Intent-To-Treat(ITT)集団にかぎらず、Reblozylがサブグループ全体で臨床的ベネフィットを示したことも認められました。」
COMMANDS試験の結果は、現在、欧州委員会によって審査されています。また、同試験の結果に基づき、米国食品医薬品局は2023年8月、定期的なRBC輸血を必要とする可能性がある、ESAによる治療歴のないVery lowからIntermediateリスクの成人MDS患者の貧血治療薬として、Reblozylを優先審査により承認しました。Reblozylは、2021年11月にメルク社と締結されたグローバル提携契約に基づき開発・販売されています。
COMMANDS試験の主要結果
主要解析時点(2023年3月31日)で、患者363例がReblozyl群とエポエチンアルファ群に1:1の割合で無作為に割り付けられていました。Intent-To-Treat(ITT)集団の主要解析結果は以下のとおりです。
- 治療開始後24週間以内に平均ヘモグロビン(Hb)値1.5g/dL以上の上昇を伴う12週間以上の赤血球輸血非依存性(RBC-TI)の主要評価項目の達成率は、Reblozyl群で60.4%(110例)、エポエチンアルファ群で34.8%(63例)でした(p<0.0001)。
- 8週間以上の赤血球反応(HI-E)の達成率は、Reblozyl群で74.2%(135例)、エポエチンアルファ群で53%(96例)でした(p<0.0001)。
- 12週間以上の赤血球輸血非依存性(RBC-TI)の達成率は、Reblozyl群で68.1%(124例)、エポエチンアルファ群で48.6%(88例)でした(p<0.0001)。
- 治療反応期間は、12週間以上のTIを達成したReblozyl群の患者で126.6週間(99-NE)、エポエチンアルファ群で89.7週間(61.9-123.9)でした(ハザード比 [HR]:0.586;95% 信頼区間 [CI]:0.380-0.904、p=0.0147)。
ブリストル マイヤーズ スクイブの血液・腫瘍・細胞療法(HOCT)領域後期臨床開発責任者でシニアバイスプレジデントのAnne Kerberは、次のように述べています。「ESAを含む現在の標準治療では、低リスクMDSの患者さんが得られるベネフィットに限りがある場合が多くなっています。これらの検証的データにより、Reblozylが同疾患による貧血治療にパラダイムシフトを起こす可能性がさらに裏付けられました。」
安全性結果は、これまでのMDSの試験のものと一貫していました。急性骨髄性白血病への進行および合計死亡者数は、試験の両群で同等でした。患者の10%以上で最も多く報告された治療下で発現した有害事象は、下痢、疲労、新型コロナウイルス感染症、高血圧、呼吸困難、悪心、末梢性浮腫、無力症、めまい、貧血、背部痛および頭痛でした。報告された疲労と無力症の割合は、時間の経過とともに減少することが示されました。
ITT集団で確認された全体的なベネフィットに加えて、サブ解析では、遺伝子変異プロファイル、IPSS-M分類、環状鉄芽球の有無、輸血依存度および血清エリスロポエチン(sEPO)値にかかわらず、エポエチンアルファと比較して、Reblozylによる同等または優れたRBC-TIが認められました。RBC-TIの持続期間は、環状鉄芽球の有無を含む全サブグループにおいて、Reblozyl群で良好でした。
また、ASHでは、COMMANDS試験の追加解析結果およびReblozylの機序に関する3つのポスターセッションが発表されます。
- 遺伝子変異量別の治療反応に関する解析で、Reblozylは、エポエチンアルファと比較して、低リスクMDSで認められるさまざまな遺伝子変異において良好な結果を示しました(ポスター発表番号:#4591)。
- クローン性造血関連変異に関する解析(ポスター発表番号:#3214)では、COMMANDS試験の登録患者のうち85%が1つ以上のCHIP変異を有していました。また、Reblozylは、炎症性遺伝子シグネチャーのダウンレギュレーションおよび抗炎症性経路のアップレギュレーションと関連していました。
- 別の解析(ポスター発表番号:#1845)において、Reblozylは、COMMANDS試験の骨髄サンプルにおける炎症の制御および効果的な赤血球造血の回復と関連しており、初期および後期赤血球前駆細胞の増殖と成熟に果たす役割が裏付けられました。
- 後期赤血球前駆細胞の増殖と成熟に果たす役割が裏付けられました。
COMMANDS試験について
COMMANDS試験(NCT03682536)は、赤血球(RBC)輸血依存性で赤血球造血刺激因子製剤(ESA)による治療歴のない患者を対象に、国際予後判定システム改訂版(IPSS-R)でVery low、lowまたはintermediateリスクの骨髄異形成症候群(MDS)による貧血治療薬として、Reblozylの有効性および安全性をエポエチンアルファと比較評価した非盲検無作為化第Ⅲ相臨床試験です。
本試験の主要評価項目は、ヘモグロビン(Hb)値の平均1.5g/dL以上の上昇を伴う12週間にわたる赤血球輸血非依存性(RBC-TI)です。主な副次評価項目は、試験開始後1週目から24週目における8週間以上の赤血球反応(HI-E)、12週間以上のRBC-TIおよび24週間にわたるRBC-TIです。本試験の適格患者は、輸血を必要とする18歳以上の低リスクMDS患者でした。患者は、24週間以上にわたりReblozyl(開始用量1.0mg/kg、最大1.75mg/kgまで漸増)を3週間間隔で皮下投与する群、またはエポエチンアルファ(開始用量450IU/kg、最大1050IU/kgまで漸増)を1週間間隔で皮下投与する群のいずれかに1:1の割合で無作為に割り付けられました。登録患者の大半(90%以上)は米国外からの参加であり、当該患者の対照群では、米国で認可されていないエポエチンアルファ製品が使用されました。
MDSについて
髄異形成症候群(MDS)は、正常な赤血球(RBC)、白血球、血小板の産生不良を特徴とし、それによって貧血や頻繁または重篤な感染症を来す可能性のある、密接に関連する一連の血液がんのグループです。貧血を呈するMDS患者の多くは、正常な赤血球の循環量を確保するための輸血が必要ですが、頻繁な輸血によって鉄過剰症、輸血反応、感染症などのリスクが高まります。RBC輸血依存性の患者は、輸血非依存性の患者と比較して全生存期間が有意に短く、その原因としては、鉄過剰症や輸血非依存性の患者よりも骨髄疾患が重度であることなどが挙げられます。
Reblozyl®について
Reblozyl®(一般名:luspatercept-aamt)は、動物モデルにおいて後期段階の赤血球成熟を促進するファースト・イン・クラスの治療薬です。Reblozylは、2021年11月のメルク社によるアクセレロン・ファーマ社の買収に伴い、メルク社と締結されたグローバル提携契約および北米共同販促契約に基づいて開発・販売されています。米国において、Reblozylは以下の適応で承認を受けています。
- 定期的な赤血球(RBC)輸血を必要とするベータサラセミアの成人患者の貧血
- 定期的な赤血球(RBC)輸血を必要とする可能性がある、赤血球造血刺激因子製剤による治療歴のない(ESA-naïve)Very lowからIntermediateリスクの骨髄異形成症候群(MDS)成人患者の貧血
- Very lowからIntermediateリスクの環状鉄芽球を伴う骨髄異形成症候群(MDS-RS)成人患者または環状鉄芽球と血小板増加を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN-RS-T)を有する成人患者において、赤血球造血刺激因子製剤による治療が無効で、8週間にわたり2単位以上の赤血球(RBC)輸血を必要とする貧血
貧血の即時治療を必要とする患者に対し、ReblozylをRBC輸血の代用として使用することは認められていません。米国では、輸血非依存性のベータサラセミア患者に対するReblozylの使用は認められていません。
Reblozylの適応症および安全性情報について
米国でのReblozylの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。
ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して
ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。ヒトの生物学と疾患の関係に対する深い知見、最先端の技術および独自の研究プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。
がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。
ブリストル マイヤーズ スクイブについて
ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedIn、Twitter、YouTube、FacebookおよびInstagramをご覧ください。
将来予測等に関する記述の注意事項
本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、今後の試験結果が現在までの結果と一貫しない可能性、Reblozyl®(luspatercept-aamt)が本プレスリリースに記載された追加の適応症の承認を現在想定している時期に受けられないまたは全く受けられない可能性、販売承認が得られた場合にその使用が著しく制限される可能性、また承認された場合でも、そのような製品候補が本プレスリリースに記載された追加の適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。また、生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)の受理がFDAの承認基準に影響しないこと、およびEMAによる承認申請の受理がEMAの承認基準に影響しないことにも留意すべきです。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2022年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。