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プレスリリース

日本における「乾癬」の治療選好研究結果を発表

中等度から重度の乾癬患者における経口剤と皮下注射剤に対する治療選好が明らかに

Corporate News

2023/06/05

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社

※本プレスリリースに記載されている情報は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社は、全身療法を受けている中等度から重度の乾癬患者の治療選択時の選好に関する、離散選択実験(Discrete choice experiment:以下、DCE)手法を用いた観察研究(以下、本研究)を実施し、その結果を発表しました。本研究は、乾癬患者にとって重要な治療因子を特定し、治療因子間の相対的な重要性を定量化することを目的として実施したもので、Journal of Dermatologyに掲載されています。

本研究の結果では、乾癬治療を受ける際の重要な要素として、「長期有効性」に対する相対的重要度(RI)が最も高く(RI = 42%)、「費用」が2番目に高いRI(24%)を示しました。また、3番目に高いRIを示した「投与方法」(RI = 13%)では、患者選好度の感度分析において、皮下注射剤よりも経口剤を好む傾向が見られました(図1)。

さらに、本研究のサブグループ解析では、特に重症度や居住地域によって異なる傾向が見られました。重症度に応じた中等度の乾癬患者(191例)と重度の乾癬患者(31例)のサブグループ解析結果(図2)では、重症度に関係なく、中等度患者および重度患者のどちらも「長期有効性(PASI-75)」のRIが最も高値を示したものの(中等度:48%、重度:42%)、中等度患者では「費用」(21%)、重度患者では「短期有効性」(21%)が2番目に高いRIを示しました。政令指定都市の乾癬患者(106例)と非政令指定都市の乾癬患者(116例)のサブグループ解析結果(図3)では、居住地域に関係なく政令指定都市の患者、非政令指定都市の患者どちらも「長期有効性(PASI-75)」のRIが最も高値を示しました(政令指定都市:56%、非政令指定都市:42%)。しかし、RIが2番目に高い値を示した特性は、政令指定都市部の患者では「副作用(消化器系関連)」(14%)、非政令指定都市の患者では「費用」(28%)であり、政令指定都市部の患者と非政令指定都市の患者で異なりました。

本研究の監修を行った自治医科大学医学部 皮膚科学講座 小宮根真弓教授は次のように述べています。「本研究の結果から、有効性と同様に、治療にかかる費用や投与方法が、乾癬患者さんにとって治療を選択する上で重要な要素であることが示されました。乾癬治療の好みは患者特性や臨床的特性によって異なり、実臨床で治療を決定する際には、患者さんの声を考慮した共有意思決定が必要であることが示唆されたことは、乾癬治療を行う医療従事者や患者さんにとって意義があるものです。」

 

DCE調査を用いた乾癬患者の治療選好に関する研究について


本研究は、生物学的製剤または経口剤で全身療法を受けている中等度から重度の乾癬患者を対象に、DCE調査を実施し、治療選択時の患者選好度を調査した国内コホート試験です。本研究の調査期間は、2022年10月1日-2022年11月10日で、対象は20歳以上の生物学的製剤または非生物学的製剤(経口剤)による乾癬の全身療法を受けている中等度から重度の日本人乾癬患者222例(滴状乾癬、逆乾癬、膿胞性乾癬、乾癬性紅皮症、薬剤性乾癬を除く)で、治療薬の有効性、安全性、投与方法、投与頻度、利便性、治療費などの治療因子の選好についてオンラインによる定量調査を行いました。本研究では患者インタビューで得られた治療因子の一覧をもとに、3種類の質問票を作成しました。1つの質問票につき、12の質問項目と合理性を確認するための1つの質問が含まれました。対象者を3つの質問票から1つの質問票に無作為に割り付け実施し、各治療因子に対する相対的重要度(RI)と、各特性の水準に対する患者選好度について調査しました。

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<図1> 各特性の相対的重要度(RI)と患者選好度の感度分析(166例)

対象:合理性を確認する質問で「費用が安く、安全性の懸念が低い、高い有効性の治療薬」を選択した患者166例

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<図2> 中等度の乾癬患者(191例) vs 重度の乾癬患者(31例)-サブグループ解析

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<図3> 政令指定都市の乾癬患者(106例) vs 非政令指定都市の乾癬患者(116例)-サブグループ解析

*p<0.05(参照群との比較)、参照群は各治療属性のうち、患者選好度が0となっている水準。「短期有効性」の参照群:5%、「長期有効性」の参照群:45%、「副作用(感染症)」の参照群:2%、「副作用(消化器関連)」の参照群:15%、「投与方法」の参照群:経口2回/日、「費用」の参照群:28,000円/月、
解析方法:ロジット解析
※費用は患者の自己負担額(薬剤費と管理費)

Komine M, et al.:J Dermatol. 2023. doi: 10.1111/1346-8138.16746. https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/ [利益相反]資金提供:Bristol-Myers Squibb社、著者にコンサルティング料、謝礼を受領しているもの、社員が含まれる。

 

乾癬について


乾癬は慢性の炎症性皮膚疾患で、乾癬性関節炎、心血管疾患、肥満、糖尿病、うつ病など、患者の健康に影響を与える可能性のある複数の併存疾患に関連しています1,2,3。国内の患者数は約43万人と推計されており4、皮膚の一部に紅斑や鱗屑をきたす尋常性乾癬が全体の85.6%と最も多く、全身に膿疱が表れる膿疱性乾癬は2.3%、全身の皮膚が赤くなる乾癬性紅皮症は1.5%を占めています5。中等症から重症の尋常性乾癬や膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症を完治できる薬剤は現状なく、複数の薬剤を使用しながら長期にわたって治療を継続していくことから、患者さんの病状やライフスタイルに合わせた多くの治療選択肢と、有効かつ許容可能な安全性・忍容性プロファイルを有する利便性に優れた治療薬に対する高いニーズがあります。

参考文献

  1. World Health Organization. Global Report on psoriasis. WHO 2016.
  2. Nestle FO, Kaplan DH, Barker J. Mechanisms of Disease: Psoriasis. N Engl J Med 2009;361:496-509.
  3. Mehta NN, Afzar RS, Shin DB et al. Patients with severe psoriasis are at increased risk of cardiovascular mortality: cohort study using the General Practice Research Database. Eur Heart J 2010;31:1000-6.
  4. Kubota K, Kamijima Y, Sato T, et al. Epidemiology of psoriasis and palmoplantar pustulosis: a nationwide study using the Japanese national claims database, BMJ Open 2015;5
  5. Ito T, Takahashi H, Kawada A, et al. Epidemiological survey from 2009 to 2012 of psoriatic patients in Japanese Society for Psoriasis Research, J Dermatol 2018; 45: 293-301

 

ブリストル マイヤーズ スクイブについて


ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルバイオファーマ企業です。詳細は、bms.com/jpLinkedInFacebookYouTubeInstagramをご覧ください。