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プレスリリース

低リスク骨髄異形成症候群患者の貧血に対するファーストライン治療薬としてReblozyl®を評価した第Ⅲ相COMMANDS試験の初めての結果をASCOおよびEHAで発表

がん領域

2023/06/01

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社

※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2023年5月25日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。本プレスリリースに記載されている医薬品情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。

  • ASCO公式プレスプログラムに選出された第Ⅲ相COMMANDS試験の結果、Reblozyl群では、臨床的に関連するサブグループを含め、エポエチンアルファ群と比較して、約2倍の患者がヘモグロビン値の上昇を伴う輸血非依存性で改善を示しました。
  • Reblozylは持続的な反応を示し、輸血非依存性の持続期間の中央値は、Reblozylではエポエチンアルファと比較して1年長い約2.5年間でした。
  • 欧州血液学会のプレナリーセッションにて発表される追加の結果では、Reblozylが、MDSにおける様々な遺伝子変異を有する患者において臨床的ベネフィットを示したことが示されています。

(ニュージャージー州プリンストン、2023年5月25日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、赤血球(RBC)輸血を必要とする、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)による治療歴のないVery low、LowまたはIntermediateリスクの成人骨髄異形成症候群(MDS)患者を対象として、Reblozyl®(一般名:luspatercept-aamt)をESAであるエポエチンアルファと比較評価した非盲検無作為化試験である第Ⅲ相COMMANDS試験の初めての結果を発表しました。本試験の結果は、米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会において、2023年6月2日午後3時(米国東部夏時間)、プレスプログラムで取り上げられるとともに(抄録番号#7003)、欧州血液学会(EHA)のプレナリーセッションにおいて、2023年6月10日午後2時45分(中央ヨーロッパ夏時間)、一部の演題が口頭発表されます(抄録番号#S102)。

本試験の治験責任医師であり、テキサス大学MDアンダーソンがんセンター、骨髄異形成症候群科のセクションチーフであるGuillermo Garcia-Manero(M.D.)は、次のように述べています。「慢性貧血、低ヘモグロビン値および輸血依存性は、低リスクのMDS患者さんにとって主な臨床的課題であり、輸血を必要としない患者さんと比較して死亡リスクが2倍以上高くなります。COMMANDS試験の結果、Reblozylによる治療は、エポエチンアルファと比較して、ESAによる治療歴のない低リスクのMDS患者さんに対して、許容できる安全性および忍容性を示すとともに、赤血球輸血非依存性およびヘモグロビン値の上昇の良好かつ統計学的に有意な改善、治療反応の持続性の改善を示し、すべてのサブグループ全体で同等またはそれを上回る転帰を得ることができました。」

COMMANDS試験の主要評価項目は、平均ヘモグロビン(Hb)値1.5g/dL以上の上昇を伴う12週間にわたる赤血球輸血非依存性(RBC-TI)でした。主な副次評価項目は、1週目から24週目における8週間以上の赤血球反応(HI-E)、12週間以上のRBC-TIおよび24週間にわたるRBC-TIでした。試験の適格患者は、輸血を必要とする18歳以上の低リスクのMDS患者でした。患者は、24週間以上にわたりReblozyl(開始用量1.0mg/kg、最大1.75mg/kgまで漸増)を3週間間隔で皮下投与する群、またはエポエチンアルファ(開始用量450IU/kg、最大1050IU/kgまで漸増)を1週間間隔で皮下投与する群のいずれかに1:1の割合で無作為に割り付けられました。

 

ASCOで発表されるCOMMANDS試験の結果


中間解析の時点で、評価可能な患者147例にReblozylが、154例にエポエチンアルファが投与され、治療期間の中央値はReblozyl群で41.6週間、エポエチンアルファ群で27週間でした。試験の結果、Reblozyl群の58.5%(n=86)、エポエチンアルファ群の31.2%(n=48)が、主要評価項目である24週間以内の平均Hb値1.5g/dL以上の上昇を伴う12週間以上のRBC-TIを達成しました(p<0.0001)。8週間以上のHI-Eを達成したのは、Reblozyl群の74.1%(n=109)に対し、エポエチンアルファ群では51.3%(n=79)でした(p<0.0001)。Reblozyl群は、エポエチンアルファ群と比較してより持続的な反応を達成し、12週間以上のRBC-TI(1週目から治療終了まで)の反応期間の中央値は、Reblozyl群で126.6週間だったのに対し、エポエチンアルファ群では77週間でした。治療開始後24週間以内において、24週間以上のRBC-TIを達成したのは、Reblozyl群の47.6%(n=70)に対し、エポエチンアルファ群では29.2%(n=45)でした(P=0.0006)。また、臨床的に関連するサブグループにおいてもReblozylのベネフィットが認められ、本試験の結果、安全性プロファイルは一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。

COMMANDS試験 – ASCO口頭発表(抄録番号#7003)

安全性

血液に関連する試験治療下で発現した有害事象(TEAE)

Reblozyl(n=178)

エポエチンアルファ(n=176)

貧血

9.6%(17)

9.7%(17)

血小板減少症

6.2%(11)

1.7%(3)

好中球減少症

5.1%(9)

7.4%(13)

最もよく見られるTEAE

疲労

14.6%(26)

6.8%(12)

下痢

14.6%(26)

11.4%(20)

末梢浮腫

12.9%(23)

6.8%(12)

有効性

 

Reblozyl(n=147)

エポエチンアルファ(n=154)

主要評価項目

(平均Hb値1.5g/dL以上の上昇を伴う12週間以上の)赤血球輸血非依存性(RBC-TI)

58.5%(86)

31.2%(48)

p<0.0001

副次評価項目

8週間以上の赤血球系改善(HI-E)

74.1%(109)

51.3%(79)

p<0.0001

24週間にわたるRBC-TI

47.6%(70)

29.2%(45)

p=0.0006

12週間以上のRBC-TI

66.7%(98)

46.1%(71)

p=0.0002

ベースライン特性との関連性(主要評価項目の達成割合)

 

Reblozyl n/N(%)

エポエチンアルファ n/N(%)

リスク差(95% 信頼区間[CI])

血清エリスロポエチン(sEPO)値
200U/L以下

74/118(62.7%)

44/121(36.4%)

26.35(12.78 - 38.41)

sEPO値 200U/L以上

12/29(41.4%)

4/33(12.1%)

29.26(6.35 - 50.83)

環状鉄芽球 有

70/108(64.8%)

29/112(25.9%)

38.92(25.87 - 50.70)

環状鉄芽球 なし

16/39(41.0%)

19/41(46.3%)

-5.32(-27.71 - 16.74)

SF3B1 変異有

64/92(69.6%)

27/88(30.7%)

38.88(24.13 - 51.91)

SF3B1 変異なし

22/53(41.5%)

20/62(32.3%)

9.25(-8.73 - 26.87)

 

 

EHAで発表されるCOMMANDS試験の結果


EHAで発表されるデータには、ASCOで発表される結果と一貫する有効性と安全性の結果が含まれ、Reblozylでは、エポエチンアルファと比較して、MDSにおける一般的な遺伝子変異(SF3B1、SF3B1a、ASXL1、TET2、DNMT3A、EZH2、IDH2、U2AF1)全体で良好な転帰が得られ、全体的な遺伝子変異量にかかわらず、臨床的ベネフィットを達成する可能性が高かったことが示されました。

COMMANDS試験 – EHA口頭発表(抄録番号#S102)

MDSに関連した遺伝子変異との関連性(主要評価項目の達成割合)

 

Reblozyl
n/N

エポエチンアルファ
n/N

リスク差
95% CI

ASXL 1

15/31

3/29

0.38 (0.17 to 0.59)

CBL

0/5

2/5

-0.40 (-0.85 to 0.05)

DNMT3A

19/28

11/25

0.24 (-0.02 to 0.50)

DTA.SF3B1.n

12/31

12/40

0.09 (-0.14 to 0.31)

EZH2

5/10

2/9

0.28 (-0.13 to 0.69)

IDH2

3/6

1/5

0.30 (-0.23 to 0.83)

RUNX1

1/4

0/9

0.25 (-0.17 to 0.67)

SF3B1

64/92

27/90

0.40 (0.26 to 0.53)

SF3B1.alpha

41/55

16/55

0.45 (0.29 to 0.62)

SF3B1.beta

1/4

0/8

0.25 (-0.18 to 0.68)

SRSF2

5/14

2/14

0.21 (-0.10 to 0.53)

TET2

30/48

16/53

0.32 (0.14 to 0.51)

U2AF1

6/16

4/19

0.16 (-0.14 to 0.46)

 

現在、米国食品医薬品局(FDA)は、RBC輸血を必要とする、ESAによる治療歴のないVery lowからIntermediateリスクの成人MDS患者の貧血に対する治療薬として、Reblozylの生物学的製剤承認一部変更申請を優先審査の対象としており、処方せん薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく審査終了目標日は2023年8月28日に指定されています。また、欧州医薬品庁は、この患者集団に対して、Reblozylの適応追加の承認申請を受理しました。Reblozylは、2021年11月のメルク社によるアクセレロン・ファーマ社の買収に伴い、メルク社と締結されたグローバル提携契約に基づいて共同で開発・販売が行われています。

本試験の治験担当医師であり、イタリア・ミラノのヒューマニタスがんセンター、白血病ユニット長のMatteo Giovanni Della Portaは、次のように述べています。「臨床経験から、赤血球造血刺激因子製剤に6~18カ月にわたり反応を示すMDS患者さんは3人に1人しかいないことが明らかになっており、慢性貧血の治療により有効な治療選択肢に対する大きなニーズが残されています。COMMANDS試験において、赤血球輸血非依存性の持続期間の中央値はエポエチンアルファと比較してReblozylで約1年長く、これまでのものと一貫した安全性プロファイルが示されたことから、Reblozylが、輸血依存性のVery lowからIntermediateリスクのMDS患者さんのファーストライン治療薬となり得る可能性が示されました。」

ブリストル マイヤーズ スクイブの血液領域開発担当シニア・バイスプレジデントであるNoah Berkowitz(M.D.、Ph.D.)は、次のように述べています。「ASCOおよびEHAで発表される結果は、Very lowからIntermediateリスクのMDS患者さんの貧血に対する一次治療薬としてのReblozylの使用を裏付けるものです。Reblozylは、より高い有効性と持続性をもたらし得る一次治療の選択肢として、これらの患者さんにおける標準治療のパラダイムシフトをもたらす可能性を秘めています。」

 

MDSについて


骨髄異形成症候群(MDS)は、正常な赤血球(RBC)、白血球、血小板を十分に生成することができなくなることで、貧血や頻繁または重篤な感染症を来す可能性のある、互いに密接に関連する一連の血液がんのグループです1,2。貧血を呈するMDS患者の多くは、正常な赤血球の循環量を確保するために定期的に輸血が必要となりますが3、頻繁な輸血によって鉄過剰症、輸血反応、輸血血液からの感染など多くのリスクにさらされます4。RBC輸血依存性の患者は、輸血非依存性の患者と比較して全生存期間が有意に短く、その原因としては、鉄過剰症や輸血非依存性の患者よりも骨髄疾患が重度であることなどが挙げられます5

 

Reblozyl®について


Reblozylは、動物モデルにおいて後期段階の赤血球成熟を促進するファースト・イン・クラスの治療薬です6。Reblozylは、2021年11月のメルク社によるアクセレロン・ファーマ社の買収に伴い、メルク社と締結されたグローバル提携契約に基づいて共同で開発・販売が行われています。現在、Reblozylは米国において以下の疾患の治療薬として承認を受けています。

  • 定期的な赤血球輸血を必要とするベータサラセミアの成人患者の貧血
  • Very lowからIntermediateリスクの環状鉄芽球を伴う骨髄異形成症候群(MDS-RS)成人患者または環状鉄芽球と血小板増加を伴う骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN-RS-T)を有する成人患者において、赤血球造血刺激因子製剤による治療が無効で、8週間にわたり2単位以上の赤血球輸血を必要とする貧血

Reblozylは、貧血の即時治療を必要とする患者への赤血球輸血の代用として使用することは認められていません。また、米国では、輸血非依存性のベータサラセミア患者に使用することは認められていません。

 

Reblozylの適応症および安全性情報について


米国でのReblozylの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して


ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブについて


ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeFacebookおよびInstagramをご覧ください。

 

将来予測等に関する記述の注意事項


本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、今後の試験結果が現在までの結果と一貫しない可能性、Reblozyl®(luspatercept-aamt)が本プレスリリースに記載された追加の適応症の承認を現在想定している時期に受けられないまたは全く受けられない可能性、販売承認が得られた場合にその使用が著しく制限される可能性、また承認された場合でも、そのような製品候補が本プレスリリースに記載された追加の適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。また、生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)の受理がFDAの承認基準に影響しないこと、およびEMAによる承認申請の受理がEMAの承認基準に影響しないことにも留意すべきです。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2022年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。

 

参考文献


  1. Mount Sinai. Myelodysplastic Syndrome. Available at: https://www.mountsinai.org/care/cancer/services/mds. Accessed March 2023.
  2. Myelodysplastic Syndromes Foundation. What is MDS? Available at: https://www.cancer.org/cancer/myelodysplastic-syndrome/about/what-is-mds.html. Accessed March 2023.
  3. Johns Hopkins Medicine. Myelodysplastic Syndrome. Available at: https://www.hopkinsmedicine.org/kimmel_cancer_center/types_cancer/myelodysplastic_syndrome.html. Accessed March 2023.
  4. Rasel M, Mahboobi SK. Transfusion Iron Overload. PubMed. 2021. Available at: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK562146/. Accessed March 2023.
  5. Triantafyllidis I, Ciobanu A, Stanca O, Lupu AR. Prognostic factors in myelodysplastic syndromes. Maedica (Bucur). 2012 Dec;7(4):295-302. Available at: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3593279. Accessed March 2023.
  6. Galanello R, Origa R. Beta thalassemia. Orphanet Journal of Rare Diseases. 2010;5(11). Available at: https://ojrd.biomedcentral.com/articles/10.1186/1750-1172-5-11. Accessed March 2023.