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プレスリリース

アベクマ、第Ⅲ相KarMMa-3試験の結果
再発および難治性多発性骨髄腫の早期治療ラインにおいて、標準レジメンと比較して疾患進行または死亡のリスクを51%低減

がん領域

2023/02/20

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社

※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2023年2月10日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。本プレスリリースに記載されている医薬品情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。

 

アベクマは、3クラスの薬剤による治療歴のある多発性骨髄腫に対し、標準レジメンと比較して、無増悪生存期間を3倍以上延長(13.3カ月 vs 4.4カ月)

安全性に関する結果は、アベクマの十分に確立された予測可能な安全性プロファイルと一致

アベクマは、3クラスの薬剤による治療歴のある再発および難治性多発性骨髄腫の患者さんを対象とした無作為化比較対照第Ⅲ相試験において、標準レジメンに対して優越性を示した最初で唯一のキメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法

データは、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌に掲載され、欧州造血細胞移植学会および欧州血液学会の第5回欧州CAR T細胞会議にて発表

(ニュージャージー州プリンストン、2023年2月10日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤、抗CD38モノクローナル抗体を含む2~4レジメンの前治療歴を有し、直近の治療に難治性であった再発および難治性の多発性骨髄腫の成人患者において、アベクマ(イデカブタゲン ビクルユーセル)と標準併用レジメンを比較評価したピボタルな第Ⅲ相非盲検国際共同無作為化比較対象試験(KarMMa-3)の良好な結果に関する初めての掲載・発表について発表しました。KarMMa-3試験のデータは、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌に掲載されると同時に、2月10日(金)に行われる欧州造血細胞移植学会(EBMT)および欧州血液学会(EHA)の第5回欧州CAR T細胞会議において、ベスト・アブストラクト・セッションの口頭発表にて発表されます。

追跡期間中央値18.6カ月で、アベクマによる治療(n=254)は、標準レジメン(n=132)と比較して、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)において、臨床的に意義のある、統計学的に有意な改善を示し、PFS中央値は標準レジメンでは4.4カ月(95% CI:3.4~5.9)であったのに対し、アベクマでは13.3カ月(95% CI:11.8~16.1)でした(HR:0.49;p<0.0001)。これは、アベクマによって疾患進行または死亡のリスクが51%低下したことを示しています。KarMMa-3の結果に基づき、アベクマは、3クラスの薬剤による治療歴のある再発および難治性多発性骨髄腫を対象とした無作為化比較対照第Ⅲ相試験において、標準レジメンに対して優越性を示した最初で唯一のCAR T細胞療法となります。
スペインのパンプローナにあるナバラ大学病院血液内科のポーラ・ロドリゲス=オテロ(M.D.、Ph.D.)は、次のように述べています。「多発性骨髄腫の初期治療では、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤、抗CD38モノクローナル抗体から成るレジメンが、この疾患の管理によく使用されます。この治療パラダイムの変化によって、3クラスの薬剤による治療歴のある再発および難治性多発性骨髄腫で新たな治療選択肢が早急に必要な、多くの患者さんが取り残されています。アベクマを使用したKarMMa-3試験の結果は、再発および難治性多発性骨髄腫の患者さんに対する現行の標準レジメンと比較して、無増悪生存期間を最大限に延長させるために早期段階でCAR T細胞療法を使用することのベネフィットを明確に示しています。」

ブリストル マイヤーズ スクイブの細胞療法開発責任者でシニアバイスプレジデントのアン・ケルバーは、次のように述べています。「抗B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とする当社のファースト・イン・クラスのCAR T細胞療法であるアベクマによって、1回の投与で持続的な結果をもたらす個別化療法をお届けし、患者さんのために多発性骨髄腫治療のパラダイムを前進させるよう努めました。これによって、アベクマがニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌に掲載されるのは3回目となり、3クラスの薬剤による治療歴のある再発および難治性多発性骨髄腫の患者さんの一連の治療において、病勢コントロールを持続させる可能性を最大限に高めるためにアベクマを使用することの臨床ベネフィットが明らかになりました。」
また、重要な副次的評価項目である全奏効率の結果でも統計学的有意性が見られ、アベクマを投与した患者さんの大多数(71%)が奏効に達し、39%が完全奏効または厳格な完全奏効に達しました。それに対し、標準レジメンを投与した患者さんでは、奏効に達したのは半数未満(41%)であり、完全奏効または厳格な完全奏効に達したのは5%でした(p<0.0001)。アベクマによる奏効は持続的であり、奏効持続期間中央値は、標準レジメンが9.7カ月(95% CI:5.4~16.3)であったのに対し、14.8カ月(95% CI:12.0~18.6)でした。アベクマによる臨床ベネフィットは、治療困難なサブグループ全体で一貫して認められました。

メモリアルスローンケタリングがんセンター血液悪性腫瘍部門のセルジオ・ジラルト(M.D.)は、次のように述べています。「3クラスの薬剤による治療歴のある再発性多発性骨髄腫の患者さんでは、無増悪生存期間中央値はわずか4.6カ月で、奏効を持続させる標準的な治療法は確立していません。この試験では、これまで治療困難だった疾患を有する集団で有効性が見られ、無増悪生存期間が有意に改善し、深く持続的な奏効が得られました。KarMMa-3試験のこれらの結果によって、再発および難治性多発性骨髄腫の治療過程の早期において、この抗BCMAを標的としたCAR T細胞療法が標準治療となる可能性が生まれています。」

アベクマの安全性プロファイルは、一貫性のある、一般的に予測可能なもので、新しい安全性シグナルはなく、ほとんどが低グレードのサイトカイン放出症候群(CRS)および神経毒性の発現でした。アベクマを投与した患者さんでは、88%でグレードを問わないCRSが発現しており、4%の患者さんでグレード3または4の事象が発現しました。また、2人の患者さん(1%)でグレード5のCRS事象が発現しています。CRS発現までの期間の中央値は1日(範囲:1~14日)で、CRSの持続期間中央値は3.5日(範囲:1~51日)でした。グレードを問わない神経毒性が患者さんの15%で、グレード3または4の神経毒性が患者さんの3%で発現し、グレード5の事象は報告されませんでした。神経毒性発現までの期間の中央値は3日(範囲:1~317日)で、神経毒性の持続期間中央値は2日(範囲:1~31日)でした。

2seventy bio社の最高医療責任者であるスティーブ・バーンスタイン(M.D.)は、次のように述べています。「KarMMa-3試験は、再発および難治性多発性骨髄腫の患者さんを対象に、BCMAを標的としたCAR T療法によって標準レジメンに対する優越性を初めて示した試験で、3クラスの薬剤による治療歴のある再発性多発性骨髄腫の初期治療における標準治療をアベクマが変える可能性を示しています。私たちはこれらのデータを発表・掲載し、無増悪生存期間の有意な改善を示したアベクマの説得力ある有効性プロファイルを発展させていけることを嬉しく思います。規制当局と連携して、より多くの骨髄腫患者さんがアベクマを利用できるようなって、この重要な治療選択肢からベネフィットを得られるようにしていけたらと思っています。」

ブリストル マイヤーズ スクイブと2seventy bio社は、2023年に予定している米国食品医薬品局(FDA)への生物学的製剤承認一部変更申請にこれらのデータを含めようと考えています。アベクマは、BCMAを標的としたファースト・イン・クラスのCAR T細胞免疫療法で、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤、抗CD38モノクローナル抗体を含む4以上のレジメンの前治療歴を有する再発および難治性多発性骨髄腫の成人患者さんの治療に対してFDAから承認を受けています。サイトカイン放出症候群、神経毒性、血球貪食性リンパ組織球症/マクロファージ活性化症候群、長期の細胞減少に関するアベクマの枠組み警告など、以下の重要な安全性情報の項をご覧ください。アベクマは、欧州連合、スイス、日本、カナダ、英国、イスラエルでも3~4レジメン以上の前治療歴を有する再発および難治性多発性骨髄腫の成人患者さんを対象として承認されています。

メモリアルスローンケタリングがんセンターの開示事項:Giralt医師およびメモリアルスローンケタリングがんセンターには、本リリースに記載された研究に関連する金銭的利害関係があります。

 

KarMMa-3試験について


KarMMa-3(NCT03651128)試験は、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤、抗CD38モノクローナル抗体を含む2~4レジメンの前治療歴を有し、直近の治療に難治性であった再発および難治性の多発性骨髄腫患者において、アベクマと標準レジメンを比較評価したピボタルな第Ⅲ相国際共同多施設共同無作為化試験です。患者は、アベクマまたは標準レジメンのいずれかを投与する群に無作為に割り付けられました。標準レジメンは、ダラツムマブ+ポマリドマイド+デキサメタゾン(DPd)、ダラツムマブ+ボルテゾミブ+デキサメタゾン(DVd)、イキサゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン(IRd)、カルフィルゾミブ+デキサメタゾン(Kd)、エロツズマブ+ポマリドミド+デキサメタゾン(EPd)を含む併用療法で構成され、最新の治療レジメンと医師の判断に基づいて選択されました。本試験の主要評価項目は無増悪生存期間であり、無作為化の時点から最初の病勢進行またはあらゆる原因による死亡のいずれかが最初に認められた時点までと定義されました。主な副次評価項目には、奏効率および全生存期間が含まれます。

 

アベクマについて


アベクマは、ファースト・イン・クラスのB細胞成熟抗原(BCMA)を標的とするキメラ抗原受容体(CAR)T細胞免疫療法であり、米国では、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤、抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む4レジメン以上の前治療歴を有する再発または難治性の多発性骨髄腫の成人患者に対して承認されています。アベクマが多発性骨髄腫細胞の表面にあるBCMAを認識し結合すると、CAR T細胞が増殖することによりサイトカインを放出し、結果としてBCMA発現細胞が融解・殺傷されます。ブリストル マイヤーズ スクイブと2seventy bio社は、両社が締結した共同開発、共同販促および利益分配契約の一環として、米国におけるアベクマの共同開発および商業化に取り組んでいます。
両社の広範なアベクマの臨床開発プログラムには、多発性骨髄腫患者の早期治療ラインを対象とした臨床試験(KarMMa-2、KarMMa-3、KarMMa-7)が含まれています。詳細はclinicaltrials.govをご覧ください。

 

アベクマの適応症および安全性情報について


米国でのアベクマの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して


ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。
細胞療法のサイエンスとブリストル マイヤーズ スクイブで現在進行中の研究に関する詳細は、こちらをご覧ください。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブについて


ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルバイオファーマ企業です。詳細は、BMS.comLinkedInFacebookYouTubeInstagramをご覧ください。

 

2seventy bio社について


2seventy bioという社名は、私たちの取り組みの理由である「時間」に由来しています。がんは、人々の時間を奪います。私たちの目標は、患者さんがより長い人生を送れるように、人間の思考が動作に変換される最高速度(時速270マイル)で仕事に取り組むことです。がん免疫細胞療法のリーディングカンパニーとして、私たちはがん治療の現状に真の革新を起こす治療法の発見・開発に注力しています。腫瘍細胞に対する人体免疫応答と細胞療法の臨床化に関する深い理解を有し、多発性骨髄腫の治療薬としてFDAに承認された初のCAR T療法を含む広範な血液悪性疾患および固形腫瘍を主な対象に、知見の応用によって次世代細胞療法を提供しています。私たちの研究開発努力の中心は、疾患よりも賢くかつ素早く「考える」ことを目指す治療薬の提供です。「なぜ」という疑問に常に誠実に向き合い、従業員と企業文化を日々中心に据えながら、目標の達成に向けて全力で取り組んでいます。

詳細は、www.2seventybio.comをご覧ください。
2seventy bio社のソーシャルメディアはこちら:TwitterLinkedIn
2seventy bioは、2seventy bio社の登録商標です。

 

将来予測等に関する記述の注意事項


本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、将来の試験結果が現在までの結果と一致しない可能性、アベクマ®(イデカブタゲン ビクルユーセル)が本プレスリリースに記載された追加の適応症の承認を現在想定している時期に受けられないまたは全く受けられない可能性、販売承認が得られた場合にその使用が著しく制限される可能性、また承認された場合でも、そのような製品候補が本プレスリリースに記載された追加の適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2021年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。