プレスリリース
乾癬治療薬、TYK2 阻害剤「ソーティクツ®錠 6mg」を発売
Company Info
2022/11/16
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
※本資料はプレスリリースであり、医薬品のプロモーションや宣伝広告を目的とするものではありません。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社は、1日1回経口投与のチロシンキナーゼ2(TYK2)阻害剤である「ソーティクツ®錠6mg」(一般名:デュークラバシチニブ、以下、ソーティクツ)について、本日薬価収載され、販売を開始しました。ソーティクツは、本年9月26日に「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、膿疱性乾癬および乾癬性紅皮症」を効能・効果として製造販売承認を取得しています。
ソーティクツの販売開始にあたり、ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社の代表取締役社長のジャン=クリストフ・バルランは次のように述べています。「乾癬治療には多くの選択肢がありますが、既存治療で効果が不十分な患者さんや副作用などにより治療継続を断念せざるを得ない患者さんも多くおられます。ソーティクツは、そのような患者さんにとっての新たな選択肢となりうる治療薬です。患者さんに希望をお届けし、人生に違いをもたらすべく、私たちはこれからも革新的な医薬品の開発と提供に努めてまいります。」
ソーティクツは、TYK2に選択性をもってアロステリックに阻害する、国内で初めて承認された1日1回経口投与のTYK2阻害剤です。TYK2は細胞外からの刺激シグナルを細胞内に伝達するために働くリン酸化酵素(キナーゼ)群のひとつであるヤヌスキナーゼ(JAK)ファミリーの分子で、乾癬を含む自己免疫疾患の病態に寄与するインターロイキン(IL)-23、IL-12、I型インターフェロンなどの炎症性サイトカインの受容体に結合して下流にシグナルを伝達する役割を担っています。ソーティクツはTYK2に対するアロステリック阻害作用により、これらのシグナル伝達経路を抑えます。また、ソーティクツは1日1回の経口投与で、用量の漸増や調節が不要です。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社は、ソーティクツを速やかに患者さんにお届けできるよう、医療機関や関連学会と連携しながら、同製品の流通と適正使用推進のための情報提供活動を実施します。
【製品概要】
販売名 |
ソーティクツ®錠6mg |
一般名 |
デュークラバシチニブ |
製造販売承認取得日 |
2022年9月26日 |
発売日 |
2022年11月16日 |
効能又は効果 |
既存治療で効果不十分な下記疾患 |
用法及び用量 |
通常、成人にはデュークラバシチニブとして1回6mgを1日1回経口投与する。 |
製造販売元 |
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 |
【製品画像】
乾癬について
乾癬は慢性の炎症性皮膚疾患で、乾癬性関節炎、心血管疾患、肥満、糖尿病、うつ病など、患者の健康に影響を与える可能性のある複数の併存疾患に関連しています1,2,3。国内の患者数は約43万人と推計されており4、皮膚の一部に紅斑や鱗屑をきたす尋常性乾癬が全体の85.6%と最も多く、全身に膿疱が表れる膿疱性乾癬は2.3%、全身の皮膚が赤くなる乾癬性紅皮症は1.5%を占めています5。中等症から重症の尋常性乾癬や膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症を完治できる薬剤は現状なく、複数の薬剤を使用しながら長期にわたって治療を継続していくことから、患者さんの病状やライフスタイルに合わせた多くの治療選択肢と、有効かつ許容可能な安全性・忍容性プロファイルを有する利便性に優れた治療薬に対する高いニーズがあります。
「ソーティクツ」の臨床試験結果について
今回の承認は、中等症から重症の局面型皮疹を有する乾癬患者を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験(日本人含む)と海外第Ⅲ相臨床試験、中等症から重症の局面型皮疹を有する乾癬患者、膿疱性乾癬患者および乾癬性紅皮症患者を対象とした国内第Ⅲ相オープンラベル試験の結果に基づいています。
中等症から重症の尋常性乾癬患者を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験(IM011-046試験)と海外第Ⅲ相臨床試験(IM011-047試験)において、ともに主要評価項目とした投与16週のPASI 75達成率およびsPGA(0/1)達成率において、いずれもプラセボ群に比べてソーティクツ投与群で統計学的に有意に高い結果が示されました(表1)。また既承認の経口治療薬で広く用いられているオテズラ®(アプレミラスト)投与群との比較に対しても、副次評価項目とした投与16週のPASI 75達成率およびsPGA(0/1)達成率は、ソーティクツ投与群で統計学的に有意に高い値が示されました。さらにソーティクツの投与により、PASI 75達成率及びsPGA(0/1)達成率の改善は、投与開始から最初の24週間に最大効果が認められ、投与52週まで持続しました。尋常性乾癬、膿疱性乾癬および乾癬性紅皮症患者を対象とした国内第Ⅲ相オープンラベル試験においては、主要評価項目とした投与16週のPASI 75達成率およびsPGA(0/1)達成率はそれぞれ71.6%および75.7%でした。国際共同第Ⅲ相臨床試験と海外第Ⅲ相臨床試験の統合解析における投与16週までの重篤な有害事象の発現割合は1.8%(プラセボ群2.4%)で、現時点で最長2年までの長期投与により発現割合が上昇する傾向もみられませんでした。また、膿疱性乾癬および乾癬性紅皮症患者の安全性プロファイルも尋常性乾癬患者とおおむね一貫していました。
PASI: 病変部の皮膚の紅斑、肥厚、鱗屑の評価(それぞれ0から4までの重症度に分類)と全身に占める皮疹面積の割合により、乾癬の重症度を判定する指標。PASI 75は、PASIスコア75%改善を表す
sPGA: 医師による特定時点における皮疹の重症度の総合評価。sPGA0は病変消失、sPGA1は病変軽快を表す。
オテズラ®は、アムジェン社の登録商標です。
表1. 主要評価項目である投与16週のPASI75およびsPGA 0/1 a
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IM011-046試験 |
IM011-047試験 |
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ソーティクツ |
プラセボ |
ソーティクツ |
プラセボ |
PASI 75 |
58.4b(194/332) |
12.7(21/166) |
53.0b(271/511) |
9.4(24/255) |
sPGA 0/1 |
53.6b(178/332) |
7.2(12/166) |
49.5b(253/511) |
8.6(22/255) |
%(例数)
a: ノンレスポンダー補完法(NRI)
b: プラセボ群に対するp<0.0001(地域、生物製剤使用歴の有無、および体重を層別因子としたCochran-Mantel-Haensze1 検定)
<出典>
- World Health Organization. Global Report on psoriasis. WHO 2016.
- Nestle FO, Kaplan DH, Barker J. Mechanisms of Disease: Psoriasis. N Engl J Med 2009;361:496-509.
- Mehta NN, Afzar RS, Shin DB et al. Patients with severe psoriasis are at increased risk of cardiovascular mortality: cohort study using the General Practice Research Database. Eur Heart J 2010;31:1000-6.
- Kubota K, Kamijima Y, Sato T, et al. Epidemiology of psoriasis and palmoplantar pustulosis: a nationwide study using the Japanese national claims database, BMJ Open 2015;5
- Ito T, Takahashi H, Kawada A, et al. Epidemiological survey from 2009 to 2012 of psoriatic patients in Japanese Society for Psoriasis Research, J Dermatol 2018; 45: 293-301
ブリストル マイヤーズ スクイブについて
ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルバイオファーマ企業です。詳細は、bms.com/jp、LinkedIn、Facebook、YouTubeをご覧ください。