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プレスリリース

米国食品医薬品局が、中等症から重症の成人尋常性乾癬患者の経口治療薬として、SotyktuTM (一般名:デュークラバシチニブ)を承認

Corporate News

2022/09/14

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社

※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが米国時間2022年9月9日に発表したプレスリリースの和文抄訳です。本資料に記載されている医薬品情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をメディアの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブが開発したSotyktuは、チロシンキナーゼ2(TYK2)に選択性をもって アロステリックに阻害するTYK2阻害剤です。Sotyktuは、TYK2阻害剤として世界で初めて承認された 薬剤であり、中等症から重症の尋常性乾癬の治療薬として約10年ぶりに開発された経口薬です。

検証的な第Ⅲ相臨床試験であるPOETYK PSO試験において、1日1回投与のSotyktuはプラセボおよび1日2回投与のオテズラ®(一般名:アプレミラスト)と比較して優れた皮疹改善効果を示しました。

Sotyktuの良好な安全性・忍容性プロファイルは、POETYK PSO試験によって示されています。

(ニュージャージー州プリンストン、2022年9月9日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク)は、本日、米国食品医薬品局(FDA)が、全身療法または光線療法の候補となる中等症から重症の成人尋常性乾癬患者に対する経口投与の治療薬として、選択的アロステリックチロシンキナーゼ2(TYK2)阻害剤であるSotyktuTM(一般名:デュークラバシチニブ)を承認したことを発表しました1,2。Sotyktuは他の強力な免疫抑制剤と併用することは推奨されていません。

今回の承認は、中等症から重症の18歳以上の尋常性乾癬患者1,684名を対象に、プラセボおよびオテズラ®(一般名:アプレミラスト)の1日2回投与と比較して、SOTYKTUの1日1回投与が良好な有効性を示した検証的な第Ⅲ相POETYK PSO-1およびPOETYK PSO-2臨床試験の結果に基づいています1。プラセボおよびオテズラと比較して、Sotyktuは投与16週および24週の両時点において優れた有効性を示し、Sotyktuの効果は投与52週まで持続しました。詳細については以下をご参照ください。

POETYK PSO-1試験の治験担当医師であり、南カリフォルニア大学皮膚科学学部副学部長兼教授のエープリル・アームストロング(MD、MPH)は、次のように述べています。「POETYK PSO臨床プログラムで示された、患者さんの皮疹改善効果を踏まえると、Sotyktuは中等症から重症の尋常性乾癬患者さんに対する新たな標準経口治療薬となる可能性があります。中等症から重症の尋常性乾癬患者さんは大きな負担を強いられており、Sotyktuは全身療法のファーストライン治療選択肢として期待されています。」

乾癬は有病率の高い慢性の全身性免疫疾患であり、米国では約750万人が罹患しています3。乾癬患者の約90%は、銀白色の鱗屑で覆われた境界明瞭な円形または楕円形の局面を特徴とする尋常性乾癬を発症します。また、乾癬患者の約4分の1、または米国では約200万人が、中等症から重症と考えられる症状を呈します3

ブリストル マイヤーズ スクイブのチーフ・メディカル・オフィサーであるサミット・ヒラワット(MD)は、次のように述べています。「Sotyktuの承認は、局所治療薬や従来の治療において十分な効果が得られない、中等症から重症の尋常性乾癬で苦しむ患者さんに健やかな日々をもたらすものです。本剤は、新規の作用機序を有する、約10年ぶりに承認された経口薬であり、中等症から重症の尋常性乾癬の治療薬として初となる1日1回投与の経口薬であることから、ブリストル マイヤーズ スクイブがまた新たに成し遂げた成果です。Sotyktuは本疾患の患者さんの治療にブレークスルーをもたらすと確信しており、本剤の他の免疫疾患における可能性にも期待しています。」

POETYK PSO試験の16週において最も多く(1%以上かつプラセボ群より多く)報告された副作用は、上気道感染(19.2%)、単純ヘルペス(2.0%)、口内炎(1.9%)、毛包炎(1.7%)およびざ瘡(1.4%)でした1。さらに、本試験の投与16週で、SOTYKTU群の2.4%、プラセボ群の3.8%、オテズラ群の5.2%に投与の中止につながる副作用が発現しました1,4

米国乾癬財団会長兼最高経営責任者のレア・ハワード(JD)は、次のように述べています。「現在利用可能な治療法はありますが、米国では多くの尋常性乾癬患者さんが未治療または治療が不十分な状態にあります5,6。新たな経口治療薬がFDAに承認されたことは、乾癬患者コミュニティにとって非常に喜ばしいニュースであり、この新たな治療選択肢を心から歓迎します。」

ブリストル マイヤーズ スクイブは、POETYK PSO臨床試験プログラムに参加した患者および治験担当医師に感謝の意を表明します。Sotyktuは、2022年9月より米国で提供予定です。

 

POETYK PSO-1およびPOETYK PSO-2について


検証的な第Ⅲ相臨床試験(POETYK PSO-1およびPOETYK PSO-2)は、中等症から重症の尋常性乾癬患者を対象に、Sotyktu(6mgを1日1回投与)の安全性および有効性を、プラセボおよびオテズラ®(一般名:アプレミラスト)(1回30mgを1日2回投与)と比較評価したものです。両試験は、52週間の多国籍多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照および実薬対照第Ⅲ相臨床試験です。POETYK PSO-1では、投与24週以降に無作為で休薬期間および再投与期間が設けられました。合計で、POETYK PSO-1には患者664例、POETYK PSO-2には1,020例が参加しました。参加者全員が中等症から重症の尋常性乾癬患者であり、光線療法または全身療法の候補者でした。また、体表面積10%以上、乾癬面積・重症度指標(PASI)スコア12以上、医師による静的総合評価(sPGA)スコア3以上(中等度または重度)の患者を適格としました。

POETYK PSO-1およびPOETYK PSO-2の主要評価項目は、プラセボ群と比較した投与16週のPASI 75およびsPGA 0/1の達成率でした。主な副次評価項目は、オテズラ群と比較した投与16週および24週のPASI 75、PASI 90およびsPGA 0/1の達成率でした。

POETYK PSO-1(n=664)投与16週および24週の結果

評価項目*

期間

Sotyktu 6mg群(n=330)

プラセボ群(n=166)

P値(vsプラセボ群)

オテズラ30mg群(n=168)

P値(vsオテズラ群)

PASI 75*a

16週

58%*

13%*

P<0.0001

35%

P<0.0001

24週

69%

-

-

38%

P<0.0001

PASI 90b

16週

36%

4%

P<0.0001

20%

P<0.0002

24週

42%

-

-

22%

P<0.0001

sPGA 0/1*c

16週

54%*

7%*

P<0.0001

32%

P<0.0001

24週

59%

-

-

31%

P<0.0001

POETYK PSO-2(n=1,020)投与16週および24週の結果

評価項目

期間

Sotyktu 6mg群(n=511)

プラセボ群(n=255)

P値(vsプラセボ群)

オテズラ30mg群(n=254)

P値(vsオテズラ群)

PASI 75*a

16週*

53%*

9%*

P<0.0001

40%

P<0.0004

24週

58%

-

-

38%

P<0.0001

PASI 90b

16週

27%

3%

P<0.0001

18%

P<0.0046

24週

32%

-

-

20%

P<0.0002

sPGA 0/1*c

16週*

50%*

9%*

P<0.0001

34%

P<0.0001

24週

49%

-

-

30%

P<0.0001

* POETYK PSO-1およびPOETYK PSO-2の主要評価項目は、プラセボ群と比較した、Sotyktu群の投与16週のPASI 75およびsPGA 0/1の達成率です。
a. PASI 75は、PASIスコアがベースラインから75%以上改善したことを表します。
b. PASI 90は、PASIスコアがベースラインから90%以上改善したことを表します。
c. sPGA 0/1は、sPGAスコアが「消失」または「ほぼ消失」であることを表します。

POETYK PSO-1では、Sotyktu群で投与24週にPASI 75を達成した患者の82%(187/228)が投与52週でも効果を維持し、52週間の投与期間に渡って効果が持続しました。POETYK PSO-2では、Sotyktuの投与を継続した患者の80%(119/148)がPASI 75を維持したのに対し、Sotyktuの投与を中止した患者では31%(47/150)でした。

投与16週までの期間において、Sotyktu群の29%、プラセボ群の22%で感染症が発現しました。感染症の大半は重篤ではなく、軽度から中等度であり、Sotyktuの投与の中止には至りませんでした。重篤な感染症は、Sotyktu群の5%、プラセボ群の2%で報告されました。投与52週間で最も多く報告された重篤な感染症は、肺炎およびCOVID-19でした。悪性腫瘍(非黒色腫皮膚がんを除く)は、Sotyktu群の3例で報告されました。

 

乾癬について


乾癬は、患者の身体的健康、生活の質、仕事の生産性を大きく損なう、有病率の高い慢性の全身性免疫疾患です7。乾癬は世界的に深刻な問題であり、米国で約750万人3、世界では1億人以上の方が何らかの形でこの疾患の影響を受けています8。乾癬患者の約4分の1は、中等症から重症と考えられる症状を呈します3。乾癬患者の約90%は、銀白色の鱗屑で覆われた境界明瞭な円形または楕円形の局面を特徴とする尋常性乾癬を発症します6

 

SotyktuTMについて


SotyktuTM(一般名:デュークラバシチニブ)は、チロシンキナーゼ2(TYK2)に選択性をもってアロステリックに阻害するTYK2阻害剤です。TYK2はヤヌスキナーゼ(JAK)ファミリーの分子です。Sotyktuは、TYK2の制御ドメインに結合することにより、酵素の制御ドメインと触媒ドメイン間の阻害的相互作用を安定化させます。その結果、細胞ベースの分析で示されているように、受容体を介したTYK2の活性化およびその下流のシグナル伝達兼転写活性化因子(STATs)の活性化をアロステリックに阻害します。JAKは、JAK-STAT経路でホモ二量体またはヘテロ二量体のペアとなって作用します。細胞ベースの分析で示されているように、TYK2はJAK1とペアを組んで複数のサイトカインの経路を仲介し、JAK2とペアを組んでシグナルを伝達します。TYK2酵素活性の阻害が中等症から重症の成人尋常性乾癬患者の治療効果につながる正確なメカニズムは、現時点では分かっていません。

Sotyktuは、欧州医師会およびその他の国の保健当局では中等症から重症の尋常性乾癬の治療薬として、日本では中等症から重症の尋常性乾癬、膿疱性乾癬および乾癬性紅皮症の成人患者の治療薬として、承認申請が行われています。

 

SotyktuTMの適応症および安全性情報について


米国でのSOTYKTUの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブについて


ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。詳細については、BMS.comLinkedInTwitterYouTubeFacebookおよびInstagramをご覧ください。

オテズラ®(アプレミラスト)は、アムジェン社の登録商標です。

 

将来予測等に関する記述の注意事項


本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、SotyktuTM(デュークラバシチニブ)が商業的に成功するかどうかは不明であるという点、販売承認が得られた場合にその使用が著しく制限される可能性、およびSotyktuTM(デュークラバシチニブ)の承認の継続が検証試験における臨床的有用性の証明および記載を条件とする可能性が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2021年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。

 

参考文献


  1. SOTYKTU Prescribing Information. SOTYKTU U.S. Product Information. September 2022. Princeton, N.J.: Bristol-Myers Squibb Company.
  2. Chimalakonda A, Burke J, Cheng L, et al. Selectivity profile of the tyrosine kinase 2 inhibitor deucravacitinib compared with janus kinase 1/2/3 inhibitors. Dermatol Ther (Heidelb) 2021;11(5):1763–1776. doi: 10.1007/s13555-021-00596-8.
  3. Armstrong AW, Mehta MD, Schupp CW, et al. Psoriasis prevalence in adults in the United States. JAMA Dermatol. Published online June 30, 2021. doi:10.1001/jamadermatol.2021.2007.
  4. Armstrong A, Gooderham M, Warren RB, et al. Deucravacitinib versus placebo and apremilast in moderate to severe plaque psoriasis: efficacy and safety results from the 52-week, randomized, double-blinded, placebo-controlled phase 3 POETYK PSO-1 trial, Journal of the American Academy of Dermatology (2022), doi: https://doi.org/10.1016/j.jaad.2022.07.002.
  5. Lebwohl M, Langley RG, Paul C, et al. Evolution of patient perceptions of psoriatic disease: results from the Understanding Psoriatic Disease Leveraging Insights for Treatment (UPLIFT) survey. Dermatol Ther (Heidelb). 2022;12(1):61-78. Doi: 10.1007/s13555-021-00635-4.
  6. Menter A, Gottlieb A, Feldman SR, Van Voorhees AS et al. Guidelines of care for the management of psoriasis and psoriatic arthritis: Section 1. Overview of psoriasis and guidelines of care for the treatment of psoriasis with biologics. J Am Acad Dermatol. 2008 May;58(5):826-50.
  7. Armstrong AW, Schupp C, Wu J, Bebo B. Quality of life and work productivity impairment among psoriasis patients: findings from the National Psoriasis Foundation survey data 2003–2011. PloS One. 2012;7(12):e52935.
  8. World Health Organization. Global report on psoriasis. 2016. Accessed May 12, 2022. https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/204417/9789241565189_eng.pdf.psoriasis?sequence=1