プレスリリース
第Ⅲ相CheckMate -227試験の5年間のデータが、転移性非小細胞肺がん患者のファーストライン治療においてオプジーボとヤーボイの併用療法による長期の持続的な生存アウトカムを示す
がん領域
2022/06/07
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社
※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2022年6月6日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。本プレスリリースに記載されている医薬品情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。
- オプジーボとヤーボイの併用療法は、化学療法と比較して、PD-L1発現レベルが1%以上の転移性非小細胞肺がん患者において、2倍近い5年生存率を示しました。
- PD-L1発現レベルが1%未満の患者の探索的解析では、5年時点で生存していた患者数は、化学療法群と比較して、オプジーボとヤーボイの併用療法で約3倍でした。
- 本データは、転移性非小細胞肺がんに対する免疫療法薬による併用療法の第Ⅲ相試験の最長の追跡調査結果であり、2022年米国臨床腫瘍学会年次総会でLBA(Late-Breaking Abstract)として発表されます。
(ニュージャージー州プリンストン、2022年6月6日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、第Ⅲ相CheckMate -227試験のPart1の5年間の追跡データを発表しました。本データでは、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)とヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法によるファーストライン治療が、化学療法と比較して、PD-L1発現レベルにかかわらず、転移性非小細胞肺がん(mNSCLC)患者において長期の持続的な生存ベネフィットを引き続き示しました。
最短5年(61.3カ月)の追跡調査において、mNSCLCを対象とした免疫療法薬による併用療法で報告された最長期間の結果は以下のとおりです。
- 主要評価項目の解析対象集団であるPD-L1発現レベルが1%以上の患者の5年生存率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で24%、化学療法群で14%でした(ハザード比 [HR] 0.77;95% 信頼区間 [CI]: 0.66 - 0.91)。
- PD-L1発現レベルが1%未満の患者の探索的解析では、5年時点で生存していた患者数は化学療法群と比較して、オプジーボとヤーボイの併用療法群で約3倍でした(併用療法群19% vs 化学療法群7%;HR 0.65;95% CI:0.52 - 0.81)。
- 治療に奏効した患者のうち、オプジーボとヤーボイの併用療法群では、化学療法群と比較して、5年時点(試験のプロトコルに従って免疫療法薬の最長2年間の投与を終えた後、3年以上治療を受けていない)でより多くの患者の奏効が持続しており、奏効は、PD-L1発現レベルが1%以上(併用療法群28% vs 化学療法群3%)および1%未満(併用療法群21% vs 化学療法群0%)のサブグループの両方で示されました。
- オプジーボとヤーボイの併用療法群で5年時点で生存していた患者のうち、約3分の2(PD-L1発現レベルが1%以上の患者の66%、PD-L1発現レベルが1%未満の患者の64%)が、投与終了から3年以上にわたりその後の治療を受けていませんでした。
- 免疫療法薬2剤による併用療法の安全性プロファイルは、これまでに報告された本試験のデータと一貫しており、確立されたプロトコルによって管理可能でした。また、新たな安全性シグナルは認められませんでした。
これらのデータは、2022年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会において、2022年6月6日、午前9時~午後12時(米国東部夏時間)、Late-Breakingポスタープレゼンテーションで発表されます(抄録番号#LBA9025)。
CheckMate -227試験の治験担当医師であり、アトランタ、エモリー大学医学部エモリー大学ウィンシップがん研究所の副所長であるSuresh S. Ramalingam(M.D.)は、次のように述べています。「転移性肺がんは、治療しない場合の5年生存率がわずか約6%という疾患ですが、治療の進展が患者さんに新しい希望をもたらしています。より長期の追跡調査において、免疫療法薬2剤による併用療法の良好な持続性が示されました。5年時点のデータでは、ファーストラインの治療選択肢としてオプジーボとヤーボイの併用療法が果たす重要な役割が明確に実証され、PD-L1発現レベルにかかわらず、患者さんに引き続き有効性のベネフィットがもたらされています。」
ブリストル マイヤーズ スクイブのバイスプレジデント兼胸部がん領域開発担当であるAbderrahim Oukessou(M.D.)は、次のように述べています。「CheckMate -227試験のオプジーボとヤーボイの併用療法の5年生存率は、ファーストラインのmNSCLCを対象とした免疫療法薬による併用療法の最も成熟したデータであり、化学療法と比較して2倍近い値となりました。複数のがん腫におけるオプジーボとヤーボイの併用療法の持続的な長期ベネフィットの例が、また一つ示されたのです。CheckMate -227試験のこれらの結果により、免疫療法薬2剤による併用療法は、転移性肺がん、転移性悪性黒色腫および進行腎細胞がんで従来の期待をはるかに上回る5年生存率を示したことになり、さまざまながん腫の患者さんで長期アウトカムを改善できるかもしれないという希望がもたらされています。」
オプジーボとヤーボイの併用療法は、現在までに、mNSCLC、転移性悪性黒色腫、進行腎細胞がん、悪性胸膜中皮腫および食道扁平上皮がんの5つのがん腫を対象とした6つの第Ⅲ相臨床試験でOSの有意な改善を示しました。
CheckMate -227試験について
CheckMate -227試験は、ファーストラインの転移性非小細胞肺がん(mNSCLC)患者を対象に、非扁平上皮がんおよび扁平上皮がんの組織型にかかわらず、オプジーボを含むレジメンをプラチナ製剤を含む2剤併用化学療法と比較評価した複数のパートで構成された国際共同無作為化非盲検第Ⅲ相臨床試験です。
Part1では、オプジーボとヤーボイの併用療法(化学療法と比較)について、二つの主要評価項目を設定しました。一つは、PD-L1発現患者における全生存期間(OS)(Part1aに組み入れられた患者で評価)、もう一つは、PD-L1発現の有無にかかわらず、腫瘍遺伝子変異量(TMB)が10変異/メガベース(mut/mb)以上の患者における無増悪生存期間(PFS)(Part1aおよび1bに組み入れられた患者で評価)です。患者には以下の用量を投与しました。
- Part1a:PD-L1発現患者(1%以上)を対象に、オプジーボ(3mg/kgを2週間間隔)とヤーボイ(1mg/kgを6週間間隔)の併用療法、オプジーボ単剤療法(240mgを2週間間隔)、または化学療法(3週間間隔で最大4サイクル)。
- Part1b:PD-L1非発現(1%未満)の患者を対象に、オプジーボとヤーボイの併用療法、オプジーボ(360mgを3週間間隔)と化学療法(3週間間隔で最大4サイクル)の併用療法、または化学療法(3週間間隔で最大4サイクル)。
Part1では、主要評価項目であるPFS(PD-L1発現の有無にかかわらず、TMBが高レベル(10mut/mb以上)の患者におけるオプジーボとヤーボイの併用療法と化学療法との比較)およびOS(PD-L1発現レベルが1%以上のファーストラインのmNSCLC患者におけるオプジーボとヤーボイの併用療法と化学療法との比較)の両方を達成しました。
肺がんについて
肺がんは、世界的にがんによる死亡の主な原因となっています。肺がんは、非小細胞肺がんと小細胞肺がんの2種類に大きく分類されます。非小細胞肺がん(NSCLC)は、肺がんの中で最も一般的な型の一つであり、およそ84%を占めています。生存率は、診断された際の進行度(ステージ)とがんの種類によって異なります。転移性NSCLCと診断された患者の5年相対生存率は約6%です。
ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して
ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。
オプジーボについて
オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。
オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。
ヤーボイについて
ヤーボイは細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CLTA-4)に結合する遺伝子組み換えヒトモノクローナル抗体です。CTLA-4は、T細胞の活性化を抑制する調節因子です。ヤーボイはCTLA-4と結合し、CTLA-4とそのリガンドであるCD80/CD86との相互作用を阻害します。CTLA-4が阻害されると、腫瘍浸潤エフェクターT細胞の活性化と増殖など、T細胞の活性化と増殖が促されることが明らかになっています。また、CTLA-4のシグナル伝達が阻害されると、制御性T細胞の機能が低下し、抗腫瘍免疫応答を含むT細胞の反応性が全体的に向上する可能性があります。2011年3月25日、米国食品医薬品局(FDA)は、切除不能または転移性悪性黒色腫患者の治療薬として、ヤーボイ3mg/kg単剤療法を承認しました。現在、ヤーボイは切除不能または転移性悪性黒色腫患者の治療薬として50カ国以上で承認されています。ヤーボイに関しては、複数のがん腫で、幅広い開発プログラムが進められています。
オプジーボとヤーボイの適応症および安全性情報について
米国でのオプジーボとヤーボイの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。
ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について
2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。
ブリストル マイヤーズ スクイブについて
ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedIn、Twitter、YouTube、FacebookおよびInstagramをご覧ください。
セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は、ブリストル マイヤーズ スクイブの100%子会社です。米国以外のいくつかの国では、現地法の規定により、セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は「Celgene, a Bristol Myers Squibb company」および「Juno Therapeutics, a Bristol Myers Squibb company」と称されています。
将来予測等に関する記述の注意事項
本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、将来の試験結果が現在までの結果と一致する可能性、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)とヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法が本プレスリリースに記載された追加の適応症の承認を現在想定している時期に受けられないまたは全く受けられない可能性、販売承認が得られた場合にその使用が著しく制限される可能性、また承認された場合でも、そのような併用療法が本プレスリリースに記載された追加の適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2021年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。