プレスリリース
オプジーボ®とカボメティクス®の併用療法が、進行腎細胞がんのファーストライン治療を対象としたCheckMate -9ER試験の2年間の追跡調査において持続的な生存ベネフィットを示す
がん領域
2022/02/15
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社
※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブとExelixis社が2022年2月14日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。本プレスリリースに記載されている医薬品情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。
- オプジーボとカボメティクスの併用療法が、スニチニブと比較して、持続的な有効性を示した最新の結果がASCO GU 2022で発表されます。
- 個別解析において、オプジーボとカボメティクスの併用療法を受けた患者で、引き続き、健康関連の生活の質の改善が報告されています。
(ニュージャージー州プリンストン/カリフォルニア州アラメダ、2022年2月14日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)とExelixis社(NASDAQ:EXEL)は、本日、第Ⅲ相CheckMate -9ER試験の2年間(最短25.4カ月;中央値32.9カ月)の追跡調査の解析結果を発表しました。本解析では、進行腎細胞がん(RCC)のファーストライン治療において、オプジーボ®(一般名:ニボルマブ)とカボメティクス®(一般名:カボザンチニブ)の併用療法が、スニチニブと比較して、持続的な生存および奏効ベネフィット、並びに健康関連の生活の質(HRQOL)の改善を示しました。これらの最新のデータは、2022年2月17日~19日に開催される米国臨床腫瘍学会(ASCO)2022年泌尿器がんシンポジウムにおいて、2つのポスタープレゼンテーションで発表されます。
ダナ・ファーバーがん研究所の泌尿生殖器腫瘍ランクセンター長で、ハーバード大学医学大学院Jerome and Nancy Kohlberg の医学教授であるToni Choueiri(M.D.)は、次のように述べています。「ニボルマブとカボザンチニブの併用療法を評価するCheckMate -9ER試験の最新データで、この併用療法が有効性ベネフィットのさらなる根拠を示しただけでなく、患者報告による生活の質の良好なアウトカムをもたらしたことで、進行腎細胞がんのファーストライン治療の患者さんにとって意義のあるものです。臨床医として、私たちは常に、より多くの患者さんが生活の質を損なうことなく病気をコントロールするのに役立つ治療法を探しています。」
抄録番号#350:CheckMate 9ER試験の2年間のフォローアップ追跡調査での全生存期間の最終解析および臓器特異的標的病変の評価:進行腎細胞がん患者に対するニボルマブとカボザンチニブの併用療法とスニチニブとの比較(Powles, et. al.)
中央値32.9カ月間(最短25.4カ月)の追跡調査において、オプジーボとカボメティクスの併用療法群(323例)は、スニチニブ群(328例)と比較して、引き続き良好な全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)および完全奏効(CR)率を示しました。追跡調査において、新たな安全性シグナルは認められませんでした。全患者集団の結果は以下のとおりです。
- OS:OSの最終解析では、オプジーボとカボメティクスの併用療法群は、スニチニブ群と比較して、引き続き、OSの中央値(併用療法群37.7カ月vsスニチニブ群34.3カ月)で意義のある改善を示し、死亡リスクを30%低減しました[ハザード比(HR):0.70;95% 信頼区間(CI):0.55 - 0.90]。
- PFS:PFSベネフィットは維持され、併用療法群は、スニチニブ群と比較して、PFSの中央値を2倍に延長しました(併用療法群16.6カ月 vs スニチニブ群8.3カ月;HR 0.56;95% CI:0.46 - 0.68)。
- ORRおよびDOR:ORRベネフィットは維持され、併用療法群は、スニチニブ群と比較して、2倍近くのORRを示しました(55.7% vs 28.4%)。DORの中央値は、スニチニブ群の15.1カ月と比較して、併用療法群で23.1カ月であり、奏効期間もより持続的でした。
- CR:CR率は、併用療法群で12.4%、スニチニブ群では5.2%で、2倍以上を示しました。
- 安全性:グレードにかかわらず、治療に関連する有害事象(TRAE)が、併用療法群(320例)の97.2%、スニチニブ群(320例)の93.1%に認められました。グレード3以上のTRAEは、併用療法群で60.5%%、スニチニブ群で54.1%でした。
さらに、臓器部位ごとの標的病変における奏効度の探索的解析では、併用療法群は、スニチニブ群と比較して、患者のより高い割合で腫瘍の縮小ベネフィットが認められました;肺臓(90.5% vs 76.0%)、リンパ節(88.4% vs 72.6%)、腎臓(89.0% vs 71.6%)、肝臓(72.7% vs 53.8%)および骨(85.2% vs 65.0%)の標的病変。
抄録番号#323:未治療の進行腎細胞がん(aRCC)患者における健康関連の生活の質(HRQOL):CheckMate -9ER試験(Cella, et. al.)
CheckMate -9ER試験の中央値32.9カ月間の追跡調査で実施した個別解析において、オプジーボとカボメティクスの併用療法群で、引き続き、臨床的に意義のあるHRQOLのベネフィットが報告されました。HRQOLスコアは、併用療法群で経時的に改善または維持されましたが、スニチニブ群ではスコアの低下が認められました。さらに、併用療法群では、特に治療により発症したと思われる副作用がスニチニブ群よりも48%低くなりました。これらの探索的アウトカムは、腎臓がんに特化した生活の質ツールであり、がん治療機能評価の基準である腎臓がん症状指標(FKSI-19)およびEQ-5D-3Lを用いて評価されました。
ブリストル マイヤーズ スクイブの泌尿生殖器がん領域のバイスプレジデント兼開発プログラム責任者であるDana Walker(M.D.、M.S.C.E.)は、次のように述べています。「CheckMate -9ER試験のこれらの解析結果は、免疫療法薬とチロシンキナーゼ阻害剤の併用療法レジメンにより恩恵を得られうる進行腎細胞がん患者の重要なファーストライン治療法として、オプジーボとカボメティクスの併用療法を支持する追加の臨床的根拠を提供しています。これらの結果は、研究開発へのアプローチの協働的な性質を例示し、より多くの患者さんがより良い、より持続的な予後をもたらすのに役立つために、私たちの治療法が潜在的に補完的な作用メカニズムとどのように連動するかを究明するために、ヘルスケア環境下でいかに取り組んでいるかを示しています。
Exelixis社の製品開発部門・メディカルアフェアーズ部門のエグゼクティブ バイス プレジデント兼最高医学責任者であるVicki L. Goodman(M.D.)は、次のように述べています。「より長期の追跡調査において持続的かつ良好な有効性および生活の質の改善が示されたCheckMate-9ER試験におけるこれらの追加のデータがASCO GUで発表されることをうれしく思います。これらの追加データは、進行腎細胞がん患者のファーストライン治療法の選択肢としてカボメティクスとオプジーボの併用療法の価値をさらに示しています。ブリストル マイヤーズ スクイブとの強力な共同作業の集大成であるCheckMate -9ER試験の肯定的なデータは、治療が困難ながん患者さんの治療法を特定するための継続的な旅において、カボメティクスをベースとした追加のレジメンを推進するという私たちの取り組みを強化します。」
ブリストル マイヤーズ スクイブおよびExelixis社は、CheckMate -9ER試験にご参加いただいた患者さんおよび治験担当医師の皆様に感謝の意を表明します。
CheckMate -9ER試験について
CheckMate -9ER試験は、未治療の進行腎細胞がん(RCC)患者を対象に評価した多国籍共同無作為化非盲検第Ⅲ相試験です。患者651例(低リスク:23%、中リスク:58%、高リスク:20%;PD-L1発現レベル1%以上:25%)は、オプジーボとカボメティクスの併用療法群(323例)またはスニチニブ群(328例)に無作為に割り付けられました。本試験の主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)です。副次評価項目は、全生存期間(OS)および奏効率(ORR)です。主要な有効性解析は、無作為化された全患者における2剤併用療法群とスニチニブ群との比較です。本試験は、ブリストル マイヤーズ スクイブおよび小野薬品工業株式会社がスポンサーとなり、Exelixis社、Ipsen社および武田薬品工業株式会社が共同出資を行っています。
腎細胞がんについて
腎細胞がん(RCC)は成人の腎臓がんの中で最も一般的な型であり、毎年、世界で431,000人以上の方が新たに診断され、179,000人以上の方が亡くなっています。RCCは男性が女性の約2倍多く発症し、罹患率は北米と欧州で特に高くなっています。転移性または進行期の腎臓がんと診断された患者の5年生存率は13.9%です。
ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して
ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療の全ての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘う全ての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。
オプジーボ®について
オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。
オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。
カボメティクス®(一般名:カボザンチニブ)について
カボメティクス錠は、米国では進行腎細胞癌患者、ソラフェニブによる治療歴を有する肝細胞癌患者、ニボルマブとの併用による進行腎細胞癌患者のファーストライン治療、および以前にVEGFR標的療法後に病勢進行し、放射性ヨード不応性または不適格な局所進行性または転移性分化型甲状腺癌の成人および12歳以上の小児患者の治療薬として承認を取得しています。また、カボメティクス錠は、欧州連合および世界中の他の諸国と地域でも承認を取得しています。2016年に、Exelixis社はカボザンチニブの米国および日本以外の地域における臨床開発および販売の独占的権利をIpsen社に供与しました。また2017年に、Exelixis社はカボザンチニブの日本における適応拡大を含めた臨床開発および販売の独占的権利を武田薬品工業株式会社に供与しました。Exelixis社は、米国におけるカボザンチニブの開発および販売の独占的権利を保有しています。
オプジーボとカボメティクスの適応症および安全性情報について
米国でのオプジーボとカボメティクスの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。
ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について
2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。
ブリストル マイヤーズ スクイブについて
ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedIn、Twitter、YouTube、FacebookおよびInstagramをご覧ください。
セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は、ブリストル マイヤーズ スクイブの100%子会社です。米国以外の幾つかの国では、現地法の規定により、セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は「Celgene, a Bristol Myers Squibb company」および「Juno Therapeutics, a Bristol Myers Squibb company」と称されています。
Exelixis社について
Exelixis社(Nasdaq:EXEL)は、1994年に設立されたがん研究に特化したバイオテクノロジー企業で、成長を続けています。治療が困難ながん腫の治療薬を迅速に開発し、提供することを目標としています。Exelixis社は、初期の重点領域であったモデル生物遺伝学に関する知識に基づき、がん患者さんに新薬を継続的に提供するための基盤としてより広範な創薬プラットフォームを築きました。カボメティクス®(カボザンチニブ)、COMETRIQ®(カボザンチニブ)、COTELLIC®(コビメチニブ)、MINNEBRO®(エサキセレノン)の4製品を上市するとともに、複数の大手製薬会社と提携し、これらの重要な医薬品を世界中の患者さんにお届けしています。また、パイプラインの可能性を最大限に引き出すため、上市製品や提携による収益に関しては慎重に検討を重ね、事業の拡大に役立てています。Exelixis社の次世代医薬品を患者さんにお届けし、患者さんに完全な回復と長期生存をもたらすため、既存のアセットに加え、専門領域において事業開発を行うとともに、社内での創薬を進めています。Exelixis社は、収益性の高い中規模企業のパフォーマンスを測定するStandard & Poor’s (S&P) MidCap 400 indexの一員です。Exelixis社に関する詳細については、www.exelixis.comをご覧くださるか、Twitter(@ExelixisInc)またはFacebook(Exelixis, Inc.)をご覧ください。
将来予測等に関する記述の注意事項
本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではない全ての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、今後の試験結果が現在までの結果と一貫する可能性およびオプジーボとカボメティクスの併用療法が商業的に成功するか、販売承認が得られた場合にその使用が著しく制限される可能性、また本プレスリリースに記載されたそのような適応症に対するそのような併用療法の継続的な承認が追加の検証試験において臨床的ベネフィットを証明し、記載することができるかは不明であるという点が含まれます。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2021年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。