プレスリリース
米国食品医薬品局が、切除不能または転移性悪性黒色腫患者の治療薬として、抗LAG-3抗体Relatlimabとニボルマブの固定用量配合剤での併用療法によるブリストル マイヤーズ スクイブの申請を優先審査の対象として受理
がん領域
2021/09/21
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社
※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2021年9月20日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。本プレスリリースに記載されている医薬品情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。
- 本申請は、第Ⅱ/Ⅲ相RELATIVITY-047試験に基づいています。本試験において、Relatlimabとニボルマブの固定用量配合剤での併用療法は、オプジーボ単剤療法と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間のベネフィットを示しました。
- 米国食品医薬品局は、審査終了の目標期日を2022年3月19日に設定しました。
(ニュージャージー州プリンストン、2021年9月20日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、米国食品医薬品局(FDA)が、切除不能または転移性悪性黒色腫の成人および小児患者(12歳以上かつ体重40キロ以上)の治療薬として、抗LAG-3抗体であるRelatlimabとニボルマブの固定用量配合剤での併用療法(1回の点滴静注で投与)の生物学的製剤承認申請(BLA)を優先審査の対象として受理したことを発表しました。FDAは、処方せん薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく審査終了の目標期日を2022年3月19日に設定しました。
ブリストル マイヤーズ スクイブの腫瘍領域、シニアバイスプレジデント兼担当開発責任者であるJonathan Chengは、次のように述べています。「免疫チェックポイント阻害薬の登場以来、悪性黒色腫の治療は大きく進展してきましたが、今日でも、新たな2剤併用による免疫療法のアプローチからベネフィットを得られる可能性のある患者さんがいらっしゃいます。私たちは、RELATIVITY-047試験の結果に基づき、Relatlimabとニボルマブの固定用量配合剤での併用療法に、切除不能または転移性悪性黒色腫患者さんの予後を改善する可能性があると信じています。治療を必要とする患者さんのために、初めての抗LAG-3抗体で、ブリストル マイヤーズ スクイブの3つ目のチェックポイント阻害薬であるRelatlimabをお届けできる可能性に期待しています。」
今回のBLAは、第Ⅱ/Ⅲ相RELATIVITY-047試験の有効性および安全性結果に基づいています。本試験では、転移性の悪性黒色腫において、併用療法群は、標準治療である抗PD-1抗体の単剤療法群と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間のベネフィットを示しました。Relatlimabは、第Ⅲ相データで患者に対する臨床的ベネフィットを示した初めての抗LAG-3抗体です。RELATIVITY-047試験の主な結果は、2021年6月の米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会の口頭セッションで発表され、ASCO公式プレスプログラムで取り上げられました。
Relatlimabとニボルマブの固定用量配合剤での併用療法は開発中であり、現時点で承認されている国はありません。
ブリストル マイヤーズ スクイブは、RELATIVITY-047臨床試験にご参加いただいた患者さんおよび治験担当医師の皆様に感謝の意を表明します。
RELATIVITY-047(CA224-047)試験について
RELATIVITY-047(CA224-047)試験は、未治療の切除不能または転移性悪性黒色腫患者を対象に、Relatlimabとニボルマブの固定用量配合剤での併用療法をオプジーボ単剤療法と比較評価した国際共同無作為化二重盲検第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験です。本試験の主要評価項目は、盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による無増悪生存期間(PFS)で、副次評価項目は全生存期間(OS)および奏効率(ORR)です。患者714例が、Relatlimab160mgとニボルマブ480mgの固定用量配合剤での併用療法を受ける群、またはオプジーボ480mgを4週間間隔(Q4W)で点滴静注する群に無作為に1:1に割り付けられました。投与は、再発もしくは忍容できない毒性が認められるまで、または患者が同意を撤回するまで継続されました。副次評価項目であるOSおよびORRの追跡調査は進行中です。
LAG-3について
リンパ球活性化遺伝子3(LAG-3)は、エフェクターT細胞および制御性T細胞(Treg)に発現する細胞表面分子であり、T細胞の応答、活性化および増殖を制御する機能を有しています。非臨床試験において、LAG-3経路を阻害することにより、疲弊したT細胞のエフェクター機能が回復し、抗腫瘍応答を促進する可能性があることが示唆されています。初期の研究では、LAG-3を他の補完的免疫経路と併せて標的とすることが、抗腫瘍免疫活性をより効果的に高めるための重要な方策である可能性が示唆されています。
ブリストル マイヤーズ スクイブは、さまざまながん腫を対象とした臨床試験において、抗LAG-3抗体であるRelatlimabと他の薬剤の併用療法を評価しています。
悪性黒色腫について
悪性黒色腫は、皮膚にある色素産生細胞(メラノサイト)の無秩序な増殖を特徴とする皮膚がんの一種です。転移性悪性黒色腫は、この疾患の中でも最も致死性が高く、がんが皮膚表面だけでなく、他の臓器にも広がったときに起こります。悪性黒色腫の発生率は、過去30年間にわたり徐々に上昇しています。米国では、2021年に106,110人が新たに悪性黒色腫と診断され、関連死亡者数は約7,180人に上ると推定されています。世界保健機関は、2035年までに全世界における悪性黒色腫の発症者数が424,102人に達し、関連死亡者数は94,308人に上ると推定しています。悪性黒色腫は、非常に早期の段階に治療されれば大部分が治癒可能ですが、所属リンパ節転移がある場合、生存率は低下します。
ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して
ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。
オプジーボについて
オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。
オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。
オプジーボの適応症および安全性情報について
米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。
ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について
2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。
ブリストル マイヤーズ スクイブについて
ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedIn、Twitter、YouTube、FacebookおよびInstagramをご覧ください。
セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は、ブリストル マイヤーズ スクイブの100%子会社です。米国以外のいくつかの国では、現地法の規定により、セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は「Celgene, a Bristol Myers Squibb company」および「Juno Therapeutics, a Bristol Myers Squibb company」と称されています。
将来予測等に関する記述の注意事項
本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、さらなる情報の提供や追加の要請に対する返答なくBLAがFDAによって受理されない可能性、Relatlimabとニボルマブの併用療法が本プレスリリースに記載された適応症の承認を現在想定している時期に受けられないまたは全く受けられない可能性、販売承認が得られた場合にその使用が著しく制限される可能性、また承認された場合でも、そのような併用療法が本プレスリリースに記載された適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2020年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。