プレスリリース
米国食品医薬品局が、高リスク尿路上皮がん患者の術後補助療法としてオプジーボ®を承認
がん領域
2021/08/23
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社
※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2021年8月20日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。本プレスリリースに記載されている医薬品情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。
- CheckMate -274試験において、オプジーボは、プラセボと比較して、Intention-To-Treat集団で無病生存期間の中央値を2倍近く延長しました1。
- オプジーボは、尿路上皮がんの術後補助療法として承認された最初で唯一のPD-1阻害薬であり、尿路上皮がんを含め3つのがん腫の早期段階での使用が承認されています。
(ニュージャージー州プリンストン、2021年8月20日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、米国食品医薬品局(FDA)が、術前補助化学療法やリンパ節転移の有無、PD-L1の発現レベルにかかわらず、根治切除後の再発リスクが高い尿路上皮がん(UC)患者の術後補助療法として、オプジーボ®(一般名:ニボルマブ)240mgの2週間間隔投与あるいは480mgの4週間間隔投与(点滴静注)を承認したことを発表しました1。この承認は、オプジーボ240mg(353例)とプラセボ(356例)を比較した第Ⅲ相CheckMate -274試験に基づいています1。今回の申請は、一刻も早く安全かつ有効な治療薬を患者さんにお届けすることを目的とするFDAのリアルタイムオンコロジーレビュー(RTOR)パイロットプログラムの下で審査されました2。
本試験において、オプジーボ群は、プラセボ群と比較して、無病生存期間(DFS)の中央値を2倍近く延長しました[オプジーボ群:20.8カ月;95%信頼区間(CI):16.5 - 27.6 vs プラセボ群:10.8カ月;95% CI:8.3 - 13.9]1。オプジーボ群は、プラセボ群と比較して、再発または死亡リスクを30%低減しました[ハザード比(HR)0.70;95% CI:0.57 - 0.86;P=0.0008]1。PD-L1発現レベルが1%以上の患者において、DFSの中央値は、オプジーボ群(140例)で未達(95% CI:21.2 - NE)、プラセボ群(142例)で8.4カ月(95% CI:5.6 - 21.2)で、オプジーボ群は、プラセボ群と比較して、再発または死亡のリスクを45%低減しました(HR 0.55;95% CI:0.39 - 0.77;P=0.0005)1。
マウントサイナイ・アイカーン医科大学、ティッシュがん研究所のトランスレーショナル・リサーチ副所長、膀胱がんセンター・オブ・エクセレンス共同ディレクター、泌尿生殖器がん腫瘍内科部長、内科教授兼CheckMate -274試験の治験責任医師であるMatthew D. Galsky(M.D.)は次のように述べています。「今回の承認は、膀胱や尿路の一部を切除する大規模な手術を受け、尿路上皮がんの再発リスクを低減するためのさらなる治療アプローチを必要としている患者さんにとって重大なマイルストンです3。ニボルマブはCheckMate -274試験の安全性と有効性の結果に基づいて、疾患の再発または死亡のリスクを低減することが示され、FDAにより承認された新しい治療法を提供し、この疾患において新たな標準治療の選択肢となる可能性があります1。」
オプジーボの「警告および注意」には、次の事象が含まれています:重度かつ致死的な免疫介在性肺臓炎、免疫介在性大腸炎、免疫介在性肝炎および免疫介在性肝毒性、免疫介在性内分泌障害、免疫介在性皮膚関連副作用、腎機能障害を伴う免疫介在性腎炎、その他の免疫介在性副作用、Infusion reaction、同種造血幹細胞移植(HSCT)の合併症、胎児毒性、および多発性骨髄腫患者におけるサリドマイド類似体とデキサメタゾンの併用療法にオプジーボを追加投与した際(比較対照試験以外では推奨されません)の死亡率の増加1。詳細は「重要な安全性情報」の項目をご参照ください。
ブリストル マイヤーズ スクイブの心血管疾患・免疫疾患・がん米国担当のシニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーのAdam Lenkowskyは、次のように述べています。「免疫療法における当社の最先端の研究はこれまでに多くのがんの治療方法の変革に貢献してきましたが、これらの進歩を特にアンメットニーズの高い深刻ながんの早期段階の患者さんにお届けしていきます。尿路上皮がんは、オプジーボが術後補助療法で最初に承認されたPD-1阻害薬で、3つ目のがん腫となります。この進展により、これまでに術後の再発を防ぐ承認された治療選択肢がなかった尿路上皮がんの患者さんと医療従事者との話し合いに新たな希望を提供できます1。」
CheckMate -274試験の結果は、2017年2月に、プラチナ製剤を含む化学療法による治療中または治療後に病勢進行した、またはプラチナ製剤を含む化学療法の術前補助療法もしくは術後補助療法から12カ月以内に病勢進行した局所進行または転移性のUC患者の治療薬として承認されたオプジーボの迅速承認の確証となります。これらの結果により、この設定におけるオプジーボの迅速承認は、通常承認への移行をサポートするものとなります。
CheckMate -274試験について
CheckMate -274試験は、膀胱または上部尿路に発生し、根治切除後の再発リスクが高い尿路上皮がん(UC)患者を対象に、術後補助療法としてオプジーボを評価した多施設無作為化プラセボ対照二重盲検臨床試験です1。高リスク患者を定義するUC病理学的病期分類基準は、術前のシスプラチン化学療法を受けた患者の場合はypT2-ypT4aまたはypN+、術前のシスプラチンを受けなかった患者や術後のシスプラチン化学療法に適さなかった患者または拒否した患者の場合はpT3-pT4aまたはpN+でした1。
患者はオプジーボ群(353例)とプラセボ群(356例)に無作為に割り付けられ、オプジーボ240mgまたはプラセボを2週間間隔で30分かけて点滴静注し、投与は再発または忍容できない毒性が認められるまで最長1年間にわたり継続されました1。対象となる患者はオプジーボ群またはプラセボ群に1:1の割合で無作為に割り付けられ、病理学的なリンパ節の状態(N+対N0/xで10個未満のリンパ節を切除した場合対N0で10個以上のリンパ節を切除した場合)、PD-L1を発現している腫瘍細胞(1%以上対1%未満・中央検査室がPD L1 IHC 28-8 pharmDx検査を用いた判定で不確定)、術前のシスプラチンの使用の有無によって層別化されました1。有効性の主たる評価項目は、無作為化されたすべての患者およびPD-L1発現が1%以上の患者における治験担当医師の評価によるDFSです1。DFSは、最初の再発(局所尿路上皮、局所非尿路上皮、または遠隔転移)または死亡までの期間と定義されました1。その他の有効性の評価項目は、全生存期間です1。FDAが承認したオプジーボの用法用量は、再発または忍容できない毒性が認められるまで最長1年間にわたり、オプジーボ240mgを2週間間隔で30分間かけて点滴静注、またはオプジーボ480mgを4週間間隔で30分間かけての点滴静注です1。
CheckMate -274試験における安全性プロファイルの抜粋
オプジーボの投与中止につながる副作用が患者の18%に発生しました。副作用により、オプジーボの投与が患者の33%で延期されました1。重篤な副作用がオプジーボ群の30%で発現しました1。オプジーボ群の2%以上で報告された重篤な副作用は、尿路感染症でした1。肺臓炎(0.6%)を含む致死的な副作用がオプジーボ群の1%で発現しました1。オプジーボ群の20%以上で報告された副作用は、発疹(36%)、疲労(36%)、下痢(30%)、そう痒症(30%)、筋骨格痛(28%)および尿路感染症(22%)でした1。
尿路上皮がんについて
膀胱の内側に並ぶ細胞で最も多く発生する尿路上皮がん(UC)は、米国の成人で最も多いがん腫です4。毎年、約81,000人が新たに膀胱がんと診断され、その大多数はUCです4,5。膀胱に加えて、UCは尿管および腎盂を含む尿路の他の部分に発生する可能性があります4。UCは早期に診断されることもありますが、再発率と病勢進行率は高くなることがあります6,7。生存率は診断時のステージなどの要因で異なることがあり、転移性UC患者の予後は多くの場合不良です5,8。
オプジーボについて
オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。
オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。
オプジーボの適応症および安全性情報について
米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。
ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して
ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。
ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について
2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。
ブリストル マイヤーズ スクイブについて
ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedIn、Twitter、YouTube、FacebookおよびInstagramをご覧ください。
セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は、ブリストル マイヤーズ スクイブの100%子会社です。米国以外の幾つかの国では、現地法の規定により、セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は「Celgene, a Bristol Myers Squibb company」および「Juno Therapeutics, a Bristol Myers Squibb company」と称されています。
将来予測等に関する記述の注意事項
本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではない全ての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、オプジーボが本プレスリリースに記載された追加の適応症で商業的に成功する可能性、およびそのような製品候補の本プレスリリースに記載された追加の適応症の承認の継続が検証試験における臨床的有用性の証明および記載を条件とする可能性が含まれます。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2020年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。
参考文献
- Opdivo Prescribing Information. Opdivo U.S. Product Information. Last updated: August 2021. Princeton, NJ: Bristol-Myers Squibb Company.
- U.S. Food & Drug Administration. Real-Time Oncology Review Pilot Program. https://www.fda.gov/about-fda/oncology-center-excellence/real-time-oncology-review-pilot-program. Accessed August 03, 2021.
- Salama A, Abdelmaksound M, Shawki A, et al. Outcome of Muscle-Invasive Urothelial Bladder Cancer After Radical Cystectomy. Clinical Genitourinary Cancer. 2016;14(1):43-47.
- American Cancer Society. About Bladder Cancer. https://www.cancer.org/cancer/bladder-cancer/about/what-is-bladder-cancer.html. Accessed August 03, 2021.
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