プレスリリース
ブリストル マイヤーズ スクイブ、欧州委員会より化学放射線療法後に病理学的残存病変を認めた食道がんまたは胃食道接合部がん患者の術後補助療法としてオプジーボの承認を取得
がん領域
2021/08/02
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社
※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2021年7月30日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。本プレスリリースに記載されている医薬品情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。
- 今回の承認は、第Ⅲ相CheckMate -577試験の結果に基づいています。
- オプジーボは、欧州連合でこの患者集団において承認された最初で唯一の術後補助療法です。
(ニュージャージー州プリンストン、2021年7月30日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、欧州委員会(EC)が、術前補助化学放射線療法(CRT)後に病理学的残存病変を認めた食道がんまたは胃食道接合部(GEJ)がんの成人患者の術後補助療法として、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)を承認したことを発表しました。今回のECの決定は、術前補助CRTおよび外科的完全切除後のオプジーボによる治療が、プラセボと比較して、全無作為化患者集団において、主要評価項目である無病生存期間(DFS)を2倍に延長したことを示した第Ⅲ相CheckMate -577試験の結果に基づいています。オプジーボの安全性プロファイルは、これまでに報告されている試験のものと一貫していました。
CheckMate -577試験の結果は、2020年9月の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)バーチャル総会および2021年6月の米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で発表されました。
ブリストル マイヤーズ スクイブの消化器がん領域、担当開発責任者であるIan M. Waxman(M.D.)は次のように述べています。「私たちはこれまでに、がんの早期段階で免疫療法薬を使用することで、特定の患者さんで再発を防げる可能性があることを示してきました。ブリストル マイヤーズ スクイブは、メラノーマの患者さんに術後補助療法として免疫チェックポイント阻害薬をお届けした最初の会社であり、今回、欧州連合で高いアンメットニーズを有する食道がんおよび胃食道接合部がんの患者さんに初めて術後補助療法をお届けできるようになり大変嬉しく思います。」
今回のECの決定により、欧州連合の27加盟国をはじめ、アイスランド、リヒテンシュタインおよびノルウェーにおいて、術前補助CRT後に病理学的残存病変を認めた食道がんまたはGEJがんの成人患者の術後補助療法に対するオプジーボの使用が認められます。オプジーボは、2021年5月にCRTを受け病理学的残存病変を認めた完全切除後の食道がんまたはGEJがん患者の術後補助療法として米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得しました。
CheckMate -577試験の有効性および安全性の結果
CheckMate -577試験の結果は、以下の通りです。
- DFS:DFSの中央値は、オプジーボ群で22.4カ月[95%信頼区間(CI):16.6 - 34.0]、プラセボ群で11.0カ月(95% CI:8.3 - 14.3)でした。オプジーボ群は、プラセボ群と比較して、再発または死亡リスクを31%低減しました[ハザード比(HR)0.69;96.4% CI:0.56 - 0.86;P=0.0003]。
- 安全性:グレードを問わない、およびグレード3~4の治療に関連する有害事象(TRAE)の発現率は、オプジーボ群でそれぞれ71%および13%、プラセボ群で46%および6%でした。グレードを問わない、およびグレード3~4の重篤なTRAEの発現率は、オプジーボ群で10%未満で(グレードを問わない:8%、グレード3~4:6%)、プラセボ群ではそれぞれ3%および1%でした。グレードを問わない治療に関連する投与中止の割合は、両群で低くなりました(オプジーボ群で9%、プラセボ群で3%)。
CheckMate -577試験について
CheckMate -577試験は、術前補助化学放射線療法(CRT)を受け、病理学的に完全奏効が得られなかった切除後の食道がんまたは胃食道接合部(GEJ)がん患者の術後補助療法としてオプジーボを評価した多施設無作為化二重盲検第Ⅲ相臨床試験です。本試験の主要評価項目は無病生存期間(DFS)であり、副次評価項目は全生存期間(OS)です。術前補助CRTおよび外科的完全切除(トリモダリティ治療)後に、患者794例は、プラセボ群(262例)またはオプジーボ群(532例)のいずれかに無作為に割り付けられました。プラセボ群またはオプジーボ群において、プラセボまたはオプジーボ240mgを2週間間隔で16週間点滴静注し、その後プラセボまたはオプジーボ480mgを4週間間隔で点滴静注しました。投与は、再発または忍容できない毒性が認められるまで、あるいは患者が同意を撤回するまで、最長1年の合計治療期間にわたり継続されました。OSの追跡調査は継続中です。
食道がんについて
食道がんは世界で8番目に多く、がんによる死因で6番目に多いがんであり、2020年には約600,000人が新たに診断され、540,000人以上が亡くなっています。食道がんの最も一般的な組織型は扁平上皮がんと腺がんの2つで、扁平上皮がんは食道がんの約85%、腺がんは15%を占めています。しかしながら、食道がんの組織型は地域によって異なり、食道腺がんの発生率は、北米で65%および欧州で40%と高くとなっています。
胃がんについて
胃がんは世界で5番目に多く、がんによる死因で3番目に多いがんであり、2020年には1,000,000人以上が新たに診断され、約770,000人が亡くなっています。食道と胃がつながる消化管領域である胃食道接合部(GEJ)に発生するがん腫など、複数のがんを胃がんとして分類することができます。GEJがんの罹患率は遠位胃がんより低いものの、増加傾向が続いています。
ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して
ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。
オプジーボについて
オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。
オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。
オプジーボの適応症および安全性情報について
米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。
ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について
2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。
ブリストル マイヤーズ スクイブについて
ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedIn、Twitter、YouTube、FacebookおよびInstagramをご覧ください。
セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は、ブリストル マイヤーズ スクイブの100%子会社です。米国以外のいくつかの国では、現地法の規定により、セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は「Celgene, a Bristol Myers Squibb company」および「Juno Therapeutics, a Bristol Myers Squibb company」と称されています。
将来予測等に関する記述の注意事項
本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、欧州各国における価格設定および保険償還に関する交渉に起因して、本プレスリリースに記載された追加の適応症でのオプジーボの商業化が遅延または制限される可能性、そのような製品候補の本プレスリリースに記載された追加の適応症の承認の継続が検証試験における臨床的有用性の証明および記載を条件とする可能性、そのような製品候補が本プレスリリースに記載された適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2020年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。