プレスリリース
ブリストル マイヤーズ スクイブ、抗LAG-3抗体Relatlimabとニボルマブの 固定用量配合剤での併用療法が、オプジーボ単剤療法と比較して、未治療の転移性または 切除不能な悪性黒色腫患者において有意に無増悪生存期間を改善したことを発表
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2021/05/20
本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2021年5月19日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。本プレスリリースに記載されている医薬品情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。
- 抗LAG-3抗体を評価した第Ⅲ相試験のデータの初めての発表です。
- Relatlimabとニボルマブの固定用量配合剤での併用療法は、確立された標準治療であるオプジーボ単剤療法と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のあるベネフィットを示しました。
- データにより、LAG-3とPD-1を併せて阻害することで、患者の予後の改善につながることが示されました。
- 今回のデータは、2021年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会にて、口頭発表されます。
(ニュージャージー州プリンストン、2021年5月19日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、抗LAG-3抗体であるRelatlimabとニボルマブの併用療法を1回の点滴静注で投与する固定用量配合剤投与が、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)単剤療法と比較して、未治療の転移性または切除不能な悪性黒色腫患者において、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間(PFS)のベネフィットを示した第Ⅱ/Ⅲ相RELATIVITY-047試験の結果を発表しました。同併用療法は、転移性悪性黒色腫において、統計学的に抗PD-1単剤療法を上回るベネフィットを示した初めてのレジメンです。PFSの中央値は、併用療法群で10.12カ月 [95% 信頼区間(CI): 6.37-15.74]、オプジーボ単剤療法群で4.63カ月(95% CI:3.38 - 5.62)で、併用療法群で有意に延長しました[ハザード比(HR)0.75, 95% CI: 0.62 - 0.92, p=0.0055]。同併用療法群のPFSのベネフィットは、初回スキャン時の早い段階から認められ、追跡調査の期間中、一貫して示されました。探索記述的解析において、Relatlimabとニボルマブの併用療法は、あらかじめ定義されたサブグループおよび層別化因子にかかわらず、PFSを延長しました。
これらの結果は、抗LAG-3抗体を評価した第Ⅲ相試験として初めて、2021年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会にて、2021年6月6日(日)、午前8時~11時(米国東部夏時間)、口頭抄録セッションで発表される(抄録番号#9503)ほか、ASCO公式プレスプログラムに選出されました。
ダナファーバーがん研究所メラノーマセンター長およびがん免疫療法センター長のF. Stephen Hodi(M.D.)は、次のように述べています。「LAG-3は、免疫療法の新たな標的です。RELATIVITY-047試験の結果では、Relatlimabとニボルマブの新しい併用療法によってLAG-3とPD-1を両方阻害することの有意なベネフィットが示されました。確認された有効性と安全性のプロファイルに基づき、Relatlimabの併用療法は、転移性悪性黒色腫患者さんの重要な新しい治療選択肢となる可能性があります。」
Relatlimabとニボルマブの固定用量配合剤による併用療法の安全性プロファイルは管理可能であり、Relatlimabとニボルマブでこれまでに報告されたものと一貫していました。同併用療法に関して、オプジーボ単剤療法と比較して、新たな安全性シグナルまたは臨床的に重要な新たな事象は認められませんでした。グレード3~4の薬剤に関連する有害事象が、併用療法群の18.9%、オプジーボ単剤療法群の9.7%で発現しました。投与の中止につながる薬剤に関連する有害事象が、併用療法群の14.6%、オプジーボ単剤療法群の6.7%で発現しました。
リンパ球活性化遺伝子3(LAG-3)とプログラム細胞死1(PD-1)は、2つの異なる抑制性免疫チェックポイントで、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)上に同時発現する場合が多く、腫瘍を介したT細胞の疲弊に関与します。新規の抗LAG-3抗体のRelatlimabとPD-1阻害薬のニボルマブによる併用療法は、T細胞の活性化を可能にすることで、改善した免疫応答を惹起し、腫瘍の細胞死を促進します。
Relatlimab(ニボルマブとの併用療法)は、第Ⅲ相試験で患者に対するベネフィットを示した初めての抗LAG-3抗体です。ブリストル マイヤーズ スクイブにとって、3つ目のチェックポイント阻害薬(抗PD-1および抗CTLA-4と併せて)になります。
ブリストル マイヤーズ スクイブの腫瘍領域担当シニアバイスプレジデント兼開発責任者であるJonathan Chengは、次のように述べています。「ブリストル マイヤーズ スクイブは、悪性黒色腫における免疫療法の併用療法のパイオニアです。世界で悪性黒色腫の罹患数が増えている中、私たちは、腫瘍と免疫系の相互作用に関する深い知見を生かし、免疫療法薬による新たな併用療法を開発しました。RELATIVITY-047試験のデータは、抗LAG-3抗体とニボルマブを組み合わせることで、さらに多くの患者さんに免疫療法薬の2剤併用療法のベネフィットを届け、この領域に残るニーズに対処できる可能性を示しています。チェックポイント阻害薬は、過去数年にわたり治療法を大きく進展させ、長期生存ベネフィットをもたらしてきましたが、今もなお、革新的アプローチによってベネフィットを得られる可能性のある転移性悪性黒色腫患者さんが残されています。この治療法を患者さんにお届けできるよう、これらのデータについて規制当局と協議していきます。」
世界的に、悪性黒色腫の発生率は、過去30年間にわたり上昇しています。世界保健機関は、2035年までに悪性黒色腫の罹患者数が424,102人に達し、関連死亡者数は94,308人に上ると推定しています。
ブリストル マイヤーズ スクイブは、RELATIVITY-047臨床試験にご参加いただいた患者さんおよび治験担当医師の皆様に感謝の意を表明します。ブリストル マイヤーズ スクイブは、さまざまながん腫を対象とした数件の進行中の試験において、Relatlimabの併用療法を評価しています。
RELATIVITY-047(CA224-047)試験について
RELATIVITY-047(CA224-047)試験は、未治療の転移性または切除不能な悪性黒色腫患者を対象に、Relatlimabとニボルマブの固定用量配合剤での併用療法をオプジーボ単剤療法と比較評価した国際共同無作為化二重盲検第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験です。本試験の主要評価項目は、盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による無増悪生存期間(PFS)で、副次評価項目は全生存期間(OS)および奏効率(ORR)です。患者714例が、Relatlimab 160 mgとニボルマブ 480 mgの固定用量配合剤での併用療法を受ける群、またはオプジーボ480 mgを4週間間隔で点滴静注する群に無作為に1:1に割り付けられました。投与は、再発もしくは忍容できない毒性が認められるまで、または患者が同意を撤回するまで継続されました。副次評価項目であるOSおよびORRの追跡調査は進行中です。
LAG-3について
リンパ球活性化遺伝子3(LAG-3)は、エフェクターT細胞および制御性T細胞(Treg)に発現する細胞表面分子であり、T細胞の応答、活性化および増殖を制御する機能を有しています。非臨床試験において、LAG-3を阻害することにより、疲弊したT細胞のエフェクター機能が回復し、抗腫瘍応答を促進する可能性があることが示唆されています。初期の研究では、LAG-3を他の補完的免疫チェックポイントと併せて標的とすることが、抗腫瘍免疫活性をより効果的に高めるための重要な方策である可能性が示唆されています。
ブリストル マイヤーズ スクイブは、さまざまながん腫を対象とした臨床試験において、抗LAG-3抗体であるRelatlimabと他の薬剤の併用療法を評価しています。
悪性黒色腫について
悪性黒色腫(メラノーマ)は、皮膚にある色素産生細胞(メラノサイト)の無秩序な増殖を特徴とする皮膚がんの一種です。転移性悪性黒色腫は、この疾患の中でも最も致死性が高く、がんが皮膚表面だけでなく、他の臓器にも広がったときに起こります。悪性黒色腫の発生率は、過去30年間にわたり徐々に上昇しています。米国では、2021年に、106,110人が新たに悪性黒色腫と診断され、関連死亡者数は約7,180人に上ると推定されています。世界保健機関は、2035年までに全世界における悪性黒色腫の罹患者数が424,102人に達し、関連死亡者数は94,308人に上ると推定しています。悪性黒色腫は、非常に早期の段階に治療されれば大部分が治癒可能ですが、所属リンパ節転移がある場合、生存率は低下します。
ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して
ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。
オプジーボについて
オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。
オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。
オプジーボの適応症および安全性情報について
米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。
ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について
2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。
ブリストル マイヤーズ スクイブについて
ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedIn、Twitter、YouTube、FacebookおよびInstagramをご覧ください。
セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は、ブリストル マイヤーズ スクイブの100%子会社です。米国以外のいくつかの国では、現地法の規定により、セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は「Celgene, a Bristol Myers Squibb company」および「Juno Therapeutics, a Bristol Myers Squibb company」と称されています。
将来予測等に関する記述の注意事項
本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、将来の試験結果がこれまでの試験結果と一致する可能性、Relatlimabとニボルマブの併用療法が試験の主要評価項目を達成しない可能性または本プレスリリースに記載された適応症の承認を現在想定している時期に受けられないまたは全く受けられない可能性、また承認された場合でも、そのような併用療法が本プレスリリースに記載された適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2020年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。