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プレスリリース

オプジーボが、切除後の食道がんまたは胃食道接合部がん患者の術後補助療法において、プラセボと比較して良好な無病生存期間を示す

がん領域

2020/09/23

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社

※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2020年9月21日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

  • オプジーボによる術後補助療法は、無病生存期間を2倍に延長しました。オプジーボは、化学放射線療法および切除後のこれらの患者において、腫瘍の組織型にかかわらず、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無病生存期間のベネフィットを示した最初の治療選択肢です。
  • 第Ⅲ相CheckMate -577試験の結果は、2020年欧州臨床腫瘍学会バーチャル総会のプレジデンシャルシンポジウムでの発表に採択されました。

(ニュージャージー州プリンストン、2020年9月21日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、術前補助化学放射線療法(CRT)および腫瘍切除後の食道がんまたは胃食道接合部(GEJ)がん患者を対象としたオプジーボ(一般名:ニボルマブ)による術後補助療法において、オプジーボが、プラセボと比較して、本試験の主要評価項目である無病生存期間(DFS)で統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示した第Ⅲ相CheckMate -577試験の最初の結果を発表しました。術前補助CRTおよび腫瘍切除後の食道がんまたはGEJがん患者に対する現在の標準治療は、サーベイランス(経過観察)です。本試験の結果により、これらの患者において術後補助療法の治療選択肢がDFSを有意に延長した例が初めて示されました。

DFSの中央値は、術後にプラセボの投与を受けた患者(11.0カ月;95% 信頼区間 [CI]:8.3 - 14.3)と比較して、オプジーボ群(22.4カ月;95% CI:16.6 - 34.0)で2倍延長されました(ハザード比 [HR] 0.69;96.4% CI:0.56 - 0.86;p=0.0003)。治療期間の中央値は、オプジーボ群で10カ月をやや超えた(10.1カ月[<0.1 - 14.2])のに対し、プラセボ群では9カ月(9.0カ月[<0.1 - 15])でした。CheckMate -577試験におけるオプジーボの安全性プロファイルは、これまでに報告されたオプジーボ単剤療法の試験のものと一貫していました。

ベイラー大学医学センター、Charles A. Sammonsがんセンター長のRonan J. Kelly(M.D.、MBA)は、次のように述べています。「食道がんまたは胃食道接合部がん患者さんの約25%~30%が、化学放射線療法および腫瘍切除後に完全奏効を達成します。一方で、完全奏効を達成しない残りの70%~75%の患者さんに対しては、現在、アウトカムを改善する可能性のある術後補助療法の選択肢がありません。CheckMate -577試験では、ニボルマブによる術後補助療法が患者さんの無病生存期間を2倍に延長し、食道がんまたは胃食道接合部がんのこれら患者さんに対する術後補助療法において初めての進展をもたらしました。」

オプジーボの忍容性は良好であり、プラセボと比較して、許容可能な安全性プロファイルを示しました。オプジーボ群の患者の大多数(89%)が、90%以上の相対用量強度(RDI)で投与可能でした。グレードを問わない、およびグレード3~4の治療に関連する有害事象(TRAE)の発現率は、オプジーボ群でそれぞれ71%および13%、プラセボ群で46%および6%でした。グレードを問わない、およびグレード3~4の重篤なTRAEの発現率は、オプジーボ群で10%未満(グレードを問わない:8%、グレード3~4:5%)、プラセボ群ではそれぞれ3%および1%でした。グレードを問わない治療に関連する投与中止の割合は、両群で低くなりました(オプジーボ群9% vs プラセボ群3%)。

ブリストル マイヤーズ スクイブの消化器がん領域担当開発責任者であるIan M. Waxman(M.D.)は、次のように述べています。「これらの結果により、食道がんおよび胃食道接合部がんは、悪性黒色腫に次いで、オプジーボが術後補助療法としてベネフィットを示した2番目のがん腫になり、オプジーボがこれらの患者さんに対する新しい標準治療になる可能性が示唆されています。この進展は、疾患の再発予防および患者アウトカムの改善において、より大きなインパクトをもたらせる可能性のある疾患の早期段階を対象に、治療薬の評価を行う当社のコミットメントを示すものです。CheckMate -577試験のこの良好な結果について、この数カ月内に世界各地の保健当局と話し合いを進めてまいります。」

これらのデータ(発表番号#LBA9)は、2020年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)バーチャル総会のプレジデンシャルシンポジウムにおいて、9月21日、19:31~19:43(中央ヨーロッパ夏時間)に発表されます。

 

CheckMate -577試験について


CheckMate -577試験は、術前補助CRTを受け、病理学的に完全奏効が得られなかった切除後の食道がんまたはGEJがん患者の術後補助療法としてオプジーボを評価した多施設無作為化二重盲検第Ⅲ相臨床試験です。本試験の主要評価項目はDFSであり、副次評価項目は全生存期間(OS)です。術前補助CRTおよび外科的完全切除(トリモダリティ治療)後に、患者794例は、オプジーボ群(532例)、またはプラセボ群(262例)のいずれかに無作為に割り付けられました。オプジーボ群には、オプジーボ240mgを2週間間隔で16週間点滴静注し、その後480mgを4週間間隔で投与されました。投与は、再発または忍容できない毒性が認められるまで、あるいは患者が同意を撤回するまで、最長1年の合計治療期間にわたり継続されました。

 

食道がんについて


食道がんは世界で7番目に多く、がんによる死因で6番目に多いがんであり、2018年には約57万2,000人が新たに診断され、50万8,000人以上が亡くなっています。食道がんの組織型は部位によって異なりますが、食道がんの最も一般的な型は扁平上皮がんと腺がんの2つで、扁平上皮がんは食道がんの約85%、腺がんは15%を占めています。食道腺がんの発生率は、北米が最も高く65%となっています。多くの場合、食道がんは進行期に診断され、飲食などの患者の日常生活に影響を与えます。

 

胃がんについて


胃がんは世界で5番目に多く、がんによる死因で3番目に多いがんであり、2018年には100万人以上が新たに診断され、約78万3,000人が亡くなっています。食道と胃がつながる消化管領域であるGEJに発生するがん腫など、複数のがんを胃がんとして分類することができます。GEJがんの罹患率は胃がんよりも低いものの、増加傾向が続いています。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん研究の最前線


ブリストル マイヤーズ スクイブは、患者さんを全ての活動の中心に据えています。当社は、患者さんに質の高い長期生存をもたらし、治療を実現することを目標にがん研究を行っています。サイエンスにおける豊富な経験を生かし、最先端の技術と創薬プラットフォームを駆使して、患者さんのために革新的な治療法を開発し、提供しています。

当社は、血液疾患領域およびがん免疫領域における革新的な研究と実績を通じて、さまざまながん腫において生存期間の改善をもたらすとともに、さまざまな治療法を探索し、豊富かつ多様なパイプラインを構築しています。免疫細胞療法の分野においては、多数の疾患でCAR T細胞療法を導入し、細胞・遺伝子治療の標的の発見や技術の発展につながる早期パイプラインを拡大しています。また、多発性骨髄腫における承認済の療法、および早期・中期開発段階にある有望な化合物を生み出す基盤として、タンパク質ホメオスタシスなどの新たなプラットフォームを活用し、主要な生物学的経路を標的としたがん治療法の研究を進めています。当社は、さまざまな免疫経路を標的とした治療法の開発に取り組み、腫瘍、腫瘍の微小環境および免疫系の相互作用に着目することで、より多くの患者さんが奏功を示す治療を提供できるよう、更なる進化を目指しています。このような複数の治療アプローチを融合させることは、がん治療の新たな選択肢を提供し、免疫療法に対する耐性を克服するために重要です。当社は、革新的な医薬品を患者さんに提供するため、社内でイノベーションを創出するとともに、学術界、政府、アドボカシー団体、バイオテクノロジー企業と提携しています。

 

オプジーボについて


オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。

業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。

オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。

 

オプジーボの適応症および安全性情報について


米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について


2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブについて


ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeFacebookおよびInstagramをご覧ください。

セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は、ブリストル マイヤーズ スクイブの100%子会社です。米国以外の幾つかの国では、現地法の規定により、セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は「Celgene, a Bristol Myers Squibb company」および「Juno Therapeutics, a Bristol Myers Squibb company」と称されています。

 

将来予測等に関する記述の注意事項


本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではない全ての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、オプジーボが本プレスリリースに記載された追加の適応症で承認されない可能性、また承認された場合でも、そのような製品候補が本プレスリリースに記載された追加の適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2019年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。