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プレスリリース

オプジーボとヤーボイの併用療法、未治療の進行または転移性腎細胞がん患者での4年間のデータで、引き続き良好な長期生存ベネフィットを示す

がん領域

2020/09/18

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社

※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2020年9月17日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

  • オプジーボとヤーボイの併用療法を受けた患者の4年生存率は、50%以上でした。
  • オプジーボとヤーボイの併用療法は、スニチニブと比較して、持続的な奏効を維持し、奏効期間を改善しました。
  • 2020年欧州臨床腫瘍学会バーチャル総会で発表された第Ⅲ相CheckMate -214試験の最新結果は、ファーストラインの腎細胞がんにおいて免疫療法薬による併用療法でこれまでより2年近く上回る最長の追跡調査です。

(ニュージャージー州プリンストン、2020年9月17日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、第Ⅲ相CheckMate -214試験の全患者集団において、オプジーボ®(一般名:ニボルマブ)とヤーボイ®(一般名:イピリムマブ)の併用療法を受けた進行腎細胞がん(RCC)患者の4年生存率は、50%以上であったことを発表しました。未治療の進行RCCにおける免疫療法薬による併用療法の最長の追跡調査において、オプジーボとヤーボイの併用療法は、スニチニブと比較して、引き続き良好な長期間におよぶ全生存期間(OS)の延長および持続的な奏効を示しました。これらの持続的なベネフィットは、中および高リスクの予後因子を有する患者集団ならびにIntention-To-Treat(ITT、全て無作為化)集団の両群において認められました。

中および高リスクの患者(847例)において、オプジーボとヤーボイの併用療法は、主要評価項目であるOSおよび奏効率(ORR)、ならびに探索的評価項目である完全奏効(CR)および奏効期間の中央値(mDOR)において、引き続き改善を示しました:

  • OS:中および高リスクの患者におけるOSの中央値は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で48.1カ月、スニチニブ群で26.6カ月でした(ハザード比[HR] 0.65;95%信頼区間[CI]:0.54 - 0.78)。4年生存率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で50.0%、スニチニブ群で35.8%でした。
  • ORR:オプジーボとヤーボイの併用療法群は、スニチニブ群と比較して、引き続き数値的に高いORRを示し、より多くの患者で奏効が持続していました(併用療法群65% vs スニチニブ群50%)。
  • CR:42カ月時点の解析結果と一貫して、CR率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で10%、スニチニブ群では1%でした。
  • mDOR:mDORは、オプジーボとヤーボイの併用療法群で未達、スニチニブ群では19.7カ月でした。

ギュスタフ・ルーシーがん研究所、泌尿生殖器ユニット長で、CheckMate -214試験の治験担当医師であるLaurence Albiges(M.D.、Ph.D.)は、次のように述べています。「ニボルマブとイピリムマブの併用療法は、中および高リスクの進行腎細胞がん患者さんにおいて、スニチニブを上回る全生存期間の延長を示した最初の免疫療法薬による併用療法です。4年が経過した今、CheckMate -214試験で持続的な有効性が認められたことは、これらの患者さんの生存期間に対する希望を変えるという目標に向けた重要な進展です。」

48カ月間の追跡調査におけるITT患者集団(1,096例)の解析結果は、以下の通りです。

  • OS:OSの中央値は、オプジーボとヤーボイの併用療法群の全無作為化患者で未達、スニチニブ群では38.4カ月でした(HR 0.69;95%CI:0.59 - 0.81)。4年生存率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で53.4%、スニチニブ群で43.3%でした。
  • ORR:オプジーボとヤーボイの併用療法群は、スニチニブ群と比較して、引き続き数値的に高いORRを示し、より多くの患者で奏効が持続していました(併用療法群65% vs スニチニブ群52%)。
  • CR:過去に報告されたとおり、CR率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で11%、スニチニブ群では3%でした。
  • mDOR:mDORは、オプジーボとヤーボイの併用療法群において未達、スニチニブ群では23.7カ月でした。

オプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは、確立された治療アルゴリズムを用いて管理可能であり、長期追跡調査において、新たな安全性シグナルは認められませんでした。これらのデータは、2020年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)バーチャル総会のウェブサイトにて、2020年9月17日、午前9時(中央ヨーロッパ夏時間)にオンラインで発表されました(抄録番号#711P)。

ブリストル マイヤーズ スクイブの腫瘍臨床開発担当ヘッド兼バイスプレジデントであるNick Botwood(M.D.)は、次のように述べています。「当社は、腎細胞がん、悪性黒色種、非小細胞肺がんおよび中皮腫を対象に、複数年にわたり第Ⅲ相試験でオプジーボとヤーボイの併用療法を評価してきましたが、これら全ての試験において、既存の標準治療と比較して、生存期間の改善が認められています。CheckMate -214試験の4年間の結果は、進行腎細胞がんの治療における当社の理解とリーダーシップに基づくものであり、ファーストライン治療にけるオプジーボとヤーボイの併用療法がもたらし得る持続的かつ長期的な生存ベネフィットを強固とするものです。全体として、これらのデータは、進行がんの治療において異なるものではありますが、補完的なチェックポイント阻害薬2剤を併用する価値をさらに実証しています。」

ブリストル マイヤーズ スクイブは、CheckMate -214臨床試験に参加していただいた患者さんおよび治験担当医師に感謝の意を表明します。

 

CheckMate -214試験について


CheckMate -214試験は、未治療の進行または転移性腎細胞がん(RCC)患者を対象に、オプジーボとヤーボイの併用療法をスニチニブと比較評価した無作為化非盲検第Ⅲ相臨床試験です。併用療法群(550例)の患者は、オプジーボ3mg/kgおよびヤーボイ1mg/kgを3週間間隔で計4回投与され、その後オプジーボ3mg/kgを2週間間隔で投与されました。対照群の患者(546例)は、スニチニブ50mgを1日1回、4週間投与され、その後2週間休薬した後に、投与を継続しました。患者には、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで投与を継続しました。本試験の主要評価項目は、中および高リスク患者(患者の約75%)における全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)および奏効率(ORR)です。ORRは、独立放射線評価委員会(IRRC)によって評価されました。

 

腎細胞がんについて


腎細胞がん(RCC)は成人の腎臓がんの中で最も一般的な型であり、毎年、世界で14万人以上の方が亡くなっています。RCCは男性が女性の約2倍発症し、罹患率は北米と欧州で特に高くなっています。世界的に、転移性または進行期の腎臓がんと診断された患者の5年生存率は12.1%です。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん研究の最前線


ブリストル マイヤーズ スクイブは、患者さんを全ての活動の中心に据えています。当社は、患者さんに質の高い長期生存をもたらし、治療を実現することを目標にがん研究を行っています。サイエンスにおける豊富な経験を生かし、最先端の技術と創薬プラットフォームを駆使して、患者さんのために革新的な治療法を開発し、提供しています。

当社は、血液疾患領域およびがん免疫領域における革新的な研究と実績を通じて、さまざまながん腫において生存期間の改善をもたらすとともに、さまざまな治療法を探索し、豊富かつ多様なパイプラインを構築しています。免疫細胞療法の分野においては、多数の疾患でCAR T細胞療法を導入し、細胞・遺伝子治療の標的の発見や技術の発展につながる早期パイプラインを拡大しています。また、多発性骨髄腫における承認済の療法、および早期・中期開発段階にある有望な化合物を生み出す基盤として、タンパク質ホメオスタシスなどの新たなプラットフォームを活用し、主要な生物学的経路を標的としたがん治療法の研究を進めています。当社は、さまざまな免疫経路を標的とした治療法の開発に取り組み、腫瘍、腫瘍の微小環境および免疫系の相互作用に着目することで、より多くの患者さんが奏功を示す治療を提供できるよう、更なる進化を目指しています。このような複数の治療アプローチを融合させることは、がん治療の新たな選択肢を提供し、免疫療法に対する耐性を克服するために重要です。当社は、革新的な医薬品を患者さんに提供するため、社内でイノベーションを創出するとともに、学術界、政府、アドボカシー団体、バイオテクノロジー企業と提携しています。

 

オプジーボについて


オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。

業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。

オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。

 

ヤーボイについて


ヤーボイは細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CLTA-4)に結合する遺伝子組み換えヒトモノクローナル抗体です。CTLA-4は、T細胞の活性化を抑制する調節因子です。ヤーボイはCTLA-4と結合し、CTLA-4とそのリガンドであるCD80/CD86との相互作用を阻害します。CTLA-4が阻害されると、腫瘍浸潤エフェクターT細胞の活性化と増殖など、T細胞の活性化と増殖が促されることが明らかになっています。また、CTLA-4のシグナル伝達が阻害されると、制御性T細胞の機能が低下し、抗腫瘍免疫応答を含むT細胞の反応性が全体的に向上する可能性があります。2011年3月25日、米国食品医薬品局(FDA)は、切除不能または転移性悪性黒色腫患者の治療薬として、ヤーボイ3mg/kg単剤療法を承認しました。現在、ヤーボイは切除不能または転移性悪性黒色腫患者の治療薬として50カ国以上で承認されています。ヤーボイに関しては、複数のがん腫で、幅広い開発プログラムが進められています。

 

オプジーボの適応症および安全性情報について


米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について


2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブについて


ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeFacebookおよびInstagramをご覧ください。

セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は、ブリストル マイヤーズ スクイブの100%子会社です。米国以外の幾つかの国では、現地法の規定により、セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は「Celgene, a Bristol Myers Squibb Company」および「Juno Therapeutics, a Bristol Myers Squibb Company」と称されています。

 

将来予測等に関する記述の注意事項


本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではない全ての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2019年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。