プレスリリース
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社、新たに診断された未治療の多発性骨髄腫患者を対象に、エムプリシティとレブラミドおよびデキサメタゾンの3剤併用療法を評価したELOQUENT-1試験に関する主要な結果を発表
Empliciti
2020/03/16
※本資料は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が2020年3月9日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。
- 第Ⅲ相試験では、移植適応外の患者において、主要評価項目である無増悪生存期間を達成しませんでした。
(ニュージャージー州プリンストン、2020年3月9日)-ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、新たに診断された未治療で移植適応外の多発性骨髄腫患者を対象に、エムプリシティ(一般名:エロツズマブ)とレブラミド(一般名:レナリドミド)およびデキサメタゾンの3剤併用療法(ERd)と、レブラミドとデキサメタゾンの2剤併用療法(Rd)を比較評価した、ランダム化非盲検第Ⅲ相臨床試験であるELOQUENT-1試験のトップライン結果を発表しました。いずれの治療も、病勢進行が認められるまで継続されました。最終解析では、エムプリシティを追加しても、本試験の主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)において、統計学的に有意な改善は示されませんでした。ERdの安全性プロファイルは、エムプリシティとレブラミドおよびデキサメタゾンの3剤併用療法のこれまでの結果と基本的に一貫していました。今後、当社はELOQUENT-1試験のデータの全評価を完了させ、学会での結果の発表に向けて治験担当医師と協力していきます。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の血液領域グローバル臨床開発担当シニア・バイスプレジデントであるNoah Berkowitz(M.D.、Ph.D.)は、次のように述べています。「ELOQUENT-1試験で、未治療で移植適応外の患者さんにおいて主要評価項目を達成しなかったことは残念に思いますが、エムプリシティとレブラミドおよびデキサメタゾンの3剤併用療法は、依然として再発又は難治性の多発性骨髄腫の患者さんの標準治療の一つであり、新たな治療選択肢を必要としているこの患者集団の生存期間を改善する可能性を示すものです。」
国立カポディストリアコス・アテネ大学医学部臨床治療学部教授および部門長のMeletios A. Dimopoulos(M.D.)は、次のように述べています。「多発性骨髄腫は、再発および複数の治療に対する難治性を特徴とする、悪性度の高い疾患です。今回、エロツズマブとレナリドミドおよびデキサメタゾンの3剤併用療法は、新たに診断された多発性骨髄腫の患者さんにおいてベネフィットを示すものではありませんでしたが、再発又は難治性の患者さんにとっては引き続き重要な治療選択肢となります。」
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社とアッヴィ社はエムプリシティを共同で開発しており、商業的活動はブリストル・マイヤーズ スクイブ社が単独で行っています。
ELOQUENT-1試験について
ELOQUENT-1試験は、新たに診断された未治療の多発性骨髄腫患者を対象に、レブラミドとデキサメタゾンの2剤併用療法と、本併用療法にエムプリシティを追加した3剤併用療法を比較評価した、ランダム化非盲検第Ⅲ相臨床試験です。本試験は、レブラミドと低用量のデキサメタゾンの2剤併用療法にエムプリシティを追加することで、本試験の主要評価項目であるPFSの改善が示されるか否かを確認することを目的としていました。副次的評価項目には、奏効率と全生存期間が含まれます。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社:オンコロジー研究の最前線
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、患者さんを全ての活動の中心に据えています。当社は、患者さんに質の高い長期生存をもたらし、治療を実現することを目標にがん研究を行っています。サイエンスにおける豊富な経験を生かし、最先端の技術と創薬プラットフォームを駆使して、患者さんのために革新的な治療法を開発し、提供しています。
当社は、血液疾患領域およびがん免疫領域における革新的な研究と実績を通じて、さまざまながん腫において生存期間の改善をもたらすとともに、さまざまな治療法を探索し、豊富かつ多様なパイプラインを構築しています。免疫細胞療法の分野においては、多数の疾患でCAR-T細胞療法を導入し、細胞・遺伝子治療の標的の発見や技術の発展につながる早期パイプラインを拡大しています。また、多発性骨髄腫における承認済の療法、および早期・中期開発段階にある有望な化合物を生み出す基盤として、タンパク質ホメオスタシスなどの新たなプラットフォームを活用し、主要な生物学的経路を標的としたがん治療法の研究を進めています。当社は、さまざまな免疫経路を標的とした治療法の開発に取り組み、腫瘍、腫瘍の微小環境および免疫系の相互作用に着目することで、より多くの患者さんが奏功を示す治療を提供できるよう、更なる進化を目指しています。このような複数の治療アプローチを融合させることは、がん治療の新たな選択肢を提供し、免疫療法に対する耐性を克服するために重要です。当社は、革新的な医薬品を患者さんに提供するため、社内でイノベーションを創出するとともに、学術界、政府、アドボカシー団体、バイオテクノロジー企業と提携しています。
エムプリシティについて
エムプリシティは、細胞表面の糖タンパク質であるSignaling Lymphocyte Activation Molecule Family member 7(SLAMF7)を特異的に標的とする免疫賦活抗体です。SLAMF7は、細胞遺伝学的異常に関係なく、骨髄腫細胞に発現しています。また、ナチュラルキラー細胞や形質細胞、より低いレベルでは、造血系細胞における特定の免疫細胞サブセット上にも発現します。
エムプリシティは、二重の作用機序で働きます。すなわち、ナチュラルキラー細胞のSLAMF7に結合して活性化させ、同時に骨髄腫細胞上のSLAMF7と結合し、タグとなることで、ナチュラルキラー細胞の抗体依存性細胞傷害活性により骨髄腫細胞死を誘導します。
エムプリシティは、米国では、2015年、FDAより、レブラミドおよびデキサメタゾンとの併用療法として、1から3種類の前治療歴を有する多発性骨髄腫患者に対する治療薬として承認されました。また、2018年、FDAより、ポマリスト(一般名:ポマリドミド)およびデキサメタゾンとの3剤併用療法(EPd)として、レナリドミドとプロテアソーム阻害剤を含む少なくとも2種類の前治療歴を有する多発性骨髄腫患者に対する治療薬として承認されました。ERdおよびEPdの適応症はそれぞれ、2016年と2019年に欧州委員会より承認されました。
エムプリシティおよびレブラミドの適応症および安全性情報について
米国でのエムプリシティおよびレブラミドの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社に関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedIn、Twitter、YouTube、FacebookおよびInstagramをご覧ください。
セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の100%子会社です。米国以外の幾つかの国では、現地法の規定により、セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は「Celgene, a Bristol Myers Squibb company」および「Juno Therapeutics, a Bristol Myers Squibb company」と称されています。
がん分野におけるアッヴィ社について
アッヴィ社では、当社が持つ生物学の中心分野における深い知識を、最先端の技術と独自に組み合わせ、科学者、臨床専門家、同業企業、支援団体、患者さんなどのパートナーと協力し、がん治療に変革をもたらす医薬品の発見と開発に努めています。当社は、一部の非常に消耗性の高い広範囲ながんの治療法において、革新的な進歩を実現することに重点を置いています。また、患者さんが当社のがん治療薬を使用できるようソリューションの探求にも取り組んでいます。2015年にPharmacyclics社を、2016年にはStemcentrx社を買収し、現在アッヴィ社のがん分野のポートフォリオは研究開発と共同研究により、市販されている医薬品と複数の新規分子を含むパイプラインで構成されています。それらは20種類を超える、異なる型の腫瘍について、200件以上の臨床試験において世界中で評価されています。詳細については、https://www.abbvie.com/our-science/therapeutic-focus-areas/oncology.htmlをご覧ください。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の将来予測等に関する記述
本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではない全ての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、エムプリシティを中心とした併用療法に関する今後の臨床試験の結果が良好でない可能性があるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2019年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。