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プレスリリース

オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法が、未治療のMSI-HまたはdMMRの転移性大腸がん患者において持続的な臨床的ベネフィットを示す

がん領域

2018/10/23

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社

※本資料は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が2018年10月22日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。原文リリースは、下記のURLからご参照ください。
https://www.bms.com/media/press-releases.html

  • 併用療法での奏効率(治験担当医師による評価)は60%でした。
  • データカットオフ時点で、奏効患者の82%で奏効が持続中であり、奏効期間の中央値は未達でした。

(ニュージャージー州プリンストン、2018年10月22日)-ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、CheckMate -142試験のコホートの新たなデータを発表しました。同試験において、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)と低用量のヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法が、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはDNAミスマッチ修復機構欠損(dMMR)の転移性大腸がん(mCRC)患者のファーストライン治療薬として持続的な臨床的ベネフィットを示しました。中央値13.8カ月の追跡調査において、主要評価項目である治験担当医師の評価による奏効率(ORR)は60%(95% 信頼区間:44.3 - 74.3)であり、完全奏効(CR)率は7%でした。併用療法に対する患者の奏効は持続的でした。データカットオフ時点で、奏効期間(DOR)の中央値は未達であり、奏効患者の82%で奏効が持続中でした。奏効が得られた患者のうち、74%で6カ月以上奏効が持続しました。

患者は、病勢進行、死亡、または忍容できない毒性が認められるまで、オプジーボ(3mg/kgを2週間間隔)とヤーボイ(1mg/kgを6週間間隔)が投与されました。グレード3~4の治療に関連する有害事象(TRAE)が、患者7例(16%)で発現し、治療の中止につながるグレードを問わないTRAEが、3例(7%)で発現しました。

CheckMate -142試験のこれらのデータ(抄録番号 #LBA18)は、ドイツのミュンヘンで開催中の2018年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)総会において、本日、9時15分~9時27分(中央ヨーロッパ夏時間)、プロファード・ペーパー・セッションで発表される予定であり、ESMOプレスプログラムでも取り上げられました。

南カリフォルニア大学ノリス総合がんセンター消化器がんプログラムの共同リーダーであり、成人オンコロジー部門のアソシエートディレクターであるHeinz-Josef Lenz(M.D.、FACP)は、次のように述べています。「本日発表されたCheckMate -142試験の結果は、MSI-HまたはdMMRのバイオマーカーを有する転移性大腸がん患者さんにおけるオプジーボと低用量のヤーボイの併用療法の持続性を明確に示しており、治療予後が不良である場合が多いこれらの患者さんのファーストライン治療薬としての同併用療法の可能性を示唆しています。」

12週以上経過した時点における併用療法の病勢コントロール率(DCR)は、84%(95% 信頼区間:70.5 - 93.5)でした。1年時点の追跡調査において、生存率の中央値は83%(95% 信頼区間:67.6 - 91.7)、無増悪生存(PFS)率は77%(95% 信頼区間:62.0 - 87.2)でした。OSおよびPFSの中央値は未達でした。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社、消化器がん領域、開発責任者のIan M. Waxman(M.D.)は、次のように述べています。「オプジーボと低用量のヤーボイが相乗的に作用することで、独自の機序による抗腫瘍免疫応答が増強され、MSI-HまたはdMMRのバイオマーカーを有する患者さんにさらなるベネフィットをもたらせる可能性があります。これは、この治療困難な患者集団において、臨床的ベネフィットを示した初めてで唯一のがん免疫療法薬による併用療法であり、当社のプレシジョンメディシンに対するアプローチを実証しています。」

 

CheckMate -142試験について


CheckMate -142試験は、MSI-Hおよび非MSI-Hの再発または転移性大腸がん患者を対象に、オプジーボ単剤療法およびオプジーボと他剤の併用療法を評価した国際共同複数コホート非盲検非対照第Ⅱ相臨床試験です。主要評価項目は、固形がんの治療効果判定のためのガイドライン(RECIST 1.1)の基準に基づく治験担当医師の評価による奏効率(ORR)です。その他の主な評価項目には、DOR、OS、PFS、DCR、盲検化された独立中央評価委員会(BICR)の評価によるORR、患者報告アウトカムおよび安全性が含まれました。

オプジーボと低用量のヤーボイのファーストラインコホートには、患者45例(男性51%、年齢の中央値66歳)が含まれ、追跡調査期間の中央値は13.8カ月でした。グレードを問わないTRAEには、そう痒症(24%)、甲状腺機能低下症(18%)、無力症(16%)、関節痛(13%)、リパーゼ増加(11%)、悪心(11%)および発疹(11%)が含まれました。グレード3~4のTRAEは、甲状腺機能低下症(2%)および無力症(2%)に限られ、患者1例(2%)が投与を中止しました。

 

MSI-HまたはdMMRの大腸がんについて


大腸がん(CRC)は、身体の消化器系の一部である結腸または直腸に発生するがんです。CRCは世界で3番目に多いがん腫であり、毎年180万人が新たに診断されると推定されています。CRCによる年間の死亡者数はおよそ88万人に上り、世界におけるがんによる死亡原因の第2位となっています。

DNAミスマッチ修復機構欠損(dMMR)は、DNA複製時のミスマッチエラーを修復するプロテインが欠損または機能していない場合に生じ、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)の腫瘍が発生する原因となります。CRC患者の約15%、転移性CRC患者の4~5%において、MSI-HまたはdMMRのバイオマーカーが認められます。これらのバイオマーカーを有する転移性CRC患者は、従来の化学療法でベネフィットを得られない場合が多く、一般的に予後不良です。MSI-HまたはdMMRの状態を確認するため、全てのCRC患者に対して定期的に検査が行われる必要があります。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社とがん免疫療法:オンコロジー研究の最前線


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、患者さんを全ての活動の中心に据えています。当社は、がん治療の未来に関し、がん免疫療法(I-O)による治療アプローチを含め、治療困難ながん患者さんの予後を改善する革新的な医薬品の研究開発に焦点を置いたビジョンを持っています。

当社は、腫瘍細胞および免疫系経路への一体的な科学的理解の進展をリードしており、研究中の化合物および承認済みの医薬品からなる広範囲に及ぶポートフォリオを有しています。臨床開発プログラムにおいては、50以上のがん腫にわたる幅広い患者集団を対象に、様々な免疫系経路を標的とする24種類の分子について臨床研究を進めています。当社は、深い専門知識と革新的な臨床試験デザインにより、複数のがん腫において、I-O/I-O、I-O/化学療法、I-O/分子標的薬およびI-O/放射線療法といった併用療法を進歩させ、治療法の次なる波を一日も早く実現すべく取り組んでいます。また、免疫バイオマーカーの役割に対する理解を深め、患者さんそれぞれの腫瘍が持つ生物学的特性をいかに治療決定の指針として利用することができるかという研究においても、最前線に立ち続けています。

ベネフィットを得られる可能性がある多くの患者さんにがん免疫療法薬などの革新的医薬品を提供するためには、社内のイノベーションだけでなく、この領域を率いる専門家との密接な協働が不可欠です。当社は、臨床現場での標準治療を上回る新たな治療選択肢を臨床現場に提供することを共通の目標として、学術界、政府、アドボカシー団体、バイオテクノロジー企業と提携しています。

 

オプジーボについて


オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。

業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社のがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、25,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割を理解すること、特に、PD-L1の発現によりオプジーボが患者さんにどのような利益をもたらすかを理解することに役立っています。

オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。

 

オプジーボの適応症および安全性情報について


米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業の提携について


2011年、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社に関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeおよびFacebookをご覧ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の将来予測等に関する記述


本プレスリリースは、医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。そうした将来予測に関する記述は現在の予想に基づくものであり、遅延、転換または変更を来たす内在的リスクと不確実性を伴っており、実際の成果または業績が現在の予想と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。特に、オプジーボまたはヤーボイが追加適応の承認を受ける保証はありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業に影響を与える多くの不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2017年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新する義務を負うものではありません。