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プレスリリース

オプジーボとヤーボイの併用療法が、進行期悪性黒色腫患者において、4年の持続的な生存ベネフィットを示す

がん領域

2018/10/23

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社

※本資料は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が2018年10月22日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。原文リリースは、下記のURLからご参照ください。
https://www.bms.com/media/press-releases.html

  • オプジーボとヤーボイの併用療法を受けた患者の半数以上(53%)が4年時点で生存しており、全生存期間(OS)の中央値は未達でした。
  • 4年時点で無治療の状態にある患者の割合は、オプジーボまたはヤーボイの単剤療法群と比較して、併用療法群で高いことが示されました。
  • 無作為化対照第Ⅲ相試験で免疫チェックポイント阻害薬の併用療法を受けた患者に関する過去最長の追跡調査結果です。

(ニュージャージー州プリンストン、2018年10月22日)-ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、第Ⅲ相CheckMate -067試験から、最長の追跡調査期間となる4年データを発表しました。同データでは、進行期悪性黒色腫患者のファーストライン治療において、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)とヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法が、ヤーボイ単剤療法と比較して、引き続き持続的な長期生存ベネフィットを示しました。最短48カ月の追跡調査において、4年生存率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で53%、オプジーボ単剤療法群で46%、ヤーボイ単剤療法群で30%でした。完全奏効を達成した患者の割合も引き続き増加し、完全奏効率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で21%、オプジーボ単剤療法群で18%、ヤーボイ単剤療法群で5%でした。

また、4年時点で生存していた患者の解析結果では、単剤療法群(オプジーボ群で50%、ヤーボイ群で39%)と比較して、併用療法群において、無治療(試験による治療およびそれに続く全身治療を受けていない)状態にある患者の割合が高い(71%)ことが示されました。CheckMate -067試験におけるオプジーボとヤーボイの併用療法の4年時点の安全性プロファイルは、これまでの結果と一貫しており、新たな安全性シグナルおよび治療に関連する新たな死亡例は認められませんでした。

CheckMate -067試験のデータ(プレゼンテーション番号 #LBA44)は、ドイツのミュンヘンで10月19日~23日まで開催中の2018年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)総会において、口頭セッションで発表される予定であり、ランセット・オンコロジー誌に同時掲載されます。

ハーバード大学ラドウィグセンターにおけるCheckMate -067試験の治験担当医師であり、ダナファーバーがん研究所メラノーマセンター長のF. Stephen Hodi(M.D.)は、次のように述べています。「CheckMate -067試験の4年追跡調査の結果は、ニボルマブとイピリムマブの併用療法を受けた患者さんに関する最長の追跡調査であり、PD-L1発現レベルにかかわらず、この悪性度の高い悪性黒色腫に立ち向かうため、併用療法がもたらす長期生存ベネフィットの可能性について、私たちの理解を深めてくれます。私たちが知る限り、無作為化試験の4年の追跡調査において、いかなる治療法でも53%もの生存率を示した治療法はありません。」

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社、メラノーマおよび泌尿生殖器がん領域の開発責任者であるArvin Yang(M.D.、Ph.D.)は、次のように述べています。「CheckMate -067試験の最新結果は、進行期悪性黒色腫の治療薬としてオプジーボとヤーボイを併用する科学的根拠を、長期にわたり実証しています。本試験は、この悪性度の高いがんと闘い、医療従事者と患者さんに持続的かつ安全な治療選択肢を提供するために、身体の免疫系の力を最大限に発揮する方法を理解するという当社のミッションの実現に向けた進展をもたらすものです。」

 

CheckMate -067試験について


CheckMate -067試験は、未治療の進行期悪性黒色腫患者945例を対象に、オプジーボとヤーボイの併用療法またはオプジーボ単剤療法を、ヤーボイ単剤療法と比較評価した二重盲検無作為化第Ⅲ相臨床試験です。併用療法群の患者(314例)は、オプジーボ1mg/kgとヤーボイ3mg/kgを3週間間隔(Q3W)で4回投与した後、オプジーボ3mg/kgを2週間間隔(Q2W)で投与されました。オプジーボ単剤療法群の患者(316例)は、オプジーボ3mg/kg(Q2W)とプラセボを投与されました。ヤーボイ単剤療法群の患者(315例)は、ヤーボイ3mg/kg(Q3W)を4回とプラセボを投与されました。患者への投与は、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで継続されました。全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)は、本試験の主要評価項目でした。副次評価項目には、奏効率(ORR)、腫瘍のPD-L1発現レベルごとの有効性、および安全性が含まれました。

ORRは、以前に発表した3年時点の解析結果と引き続き一貫しており、併用療法群で58%、オプジーボ単剤療法群で45%、ヤーボイ単剤療法群で19%でした。一方で、最良総合効果はやや上昇し、完全奏効率は、併用療法群で21%、オプジーボ単剤療法群で18%、ヤーボイ単剤療法群で5%でした。無増悪生存期間(PFS)のハザード比(HR)は、ヤーボイ単剤療法群と比較した併用療法群で0.42(95% 信頼区間:0.35 - 0.51;p:<0.0001)、ヤーボイ単剤療法群と比較したオプジーボ単剤療法で0.53(95% 信頼区間:0.44 - 0.64;p:<0.0001)でした。

評価された全サブグループにおける全体的な生存転帰は、ヤーボイ単剤療法群と比較して、オプジーボを含む群で良好であり、記述的解析では、全サブグループにわたり、オプジーボ単剤療法と比較して、オプジーボとヤーボイの併用療法群で生存率の改善が示されました。BRAF変異陽性患者の4年生存率は、併用療法群で62%、オプジーボ単剤療法群で50%、ヤーボイ単剤療法群で33%であり、BRAF野生型患者では、併用療法群で49%、オプジーボ単剤療法群で45%、ヤーボイ単剤療法群で28%でした。BRAF変異陽性患者の記述的比較では、オプジーボ単剤療法群と比較して、併用療法群でより大きなベネフィットが示され、PFSのハザード比は0.62(95% 信頼区間:0.44 - 0.88)、OSのハザード比は0.70(95% 信頼区間:0.46 - 1·07)でした。

4年時点の解析において、治療に関連する有害事象は、これまでの報告と一貫しており、併用療法群の300例(96%)、オプジーボ単剤療法群の270例(86%)、ヤーボイ単剤療法群の268例(86%)で発現しました。グレード3~4の有害事象は、併用療法群の185例(59%)、オプジーボ単剤療法群の70例(22%)、ヤーボイ単剤療法群の86例(28%)で発現しました。

 

悪性黒色腫(メラノーマ)について


悪性黒色腫(メラノーマ)は、皮膚にある色素産生細胞(メラノサイト)の無秩序な増殖を特徴とする皮膚がんの一形態です。転移性悪性黒色腫は、この疾患の中でも最も致死性が高く、皮膚表面だけでなく、他の臓器にもがんが転移した状態です。悪性黒色腫の発症率は、過去30年間にわたり着実に上昇しています。米国では、2018年に91,270人が新たに悪性黒色腫と診断され、悪性黒色腫に関連する死者数は9,320人を超えると推定されています。世界保健機関は、2035年までに、全世界における悪性黒色腫の患者数が424,102人に達し、関連死者数は94,308人に上ると推定しています。悪性黒色腫は、早期の段階に治療すれば大部分が治癒可能です。しかし、ステージIVの進行期悪性黒色腫と診断された米国の患者の場合、5年生存率は平均15~20%、10年生存率は約10~15%です。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社とがん免疫療法:オンコロジー研究の最前線


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、患者さんを全ての活動の中心に据えています。当社は、がん治療の未来に関し、がん免疫療法(I-O)による治療アプローチを含め、治療困難ながん患者さんの予後を改善する革新的な医薬品の研究開発に焦点を置いたビジョンを持っています。

当社は、腫瘍細胞および免疫系経路への一体的な科学的理解の進展をリードしており、研究中の化合物および承認済みの医薬品からなる広範囲に及ぶポートフォリオを有しています。臨床開発プログラムにおいては、50以上のがん腫にわたる幅広い患者集団を対象に、様々な免疫系経路を標的とする24種類の分子について臨床研究を進めています。当社は、深い専門知識と革新的な臨床試験デザインにより、複数のがん腫において、I-O/I-O、I-O/化学療法、I-O/分子標的薬およびI-O/放射線療法といった併用療法を進歩させ、治療法の次なる波を一日も早く実現すべく取り組んでいます。また、免疫バイオマーカーの役割に対する理解を深め、患者さんそれぞれの腫瘍が持つ生物学的特性をいかに治療決定の指針として利用することができるかという研究においても、最前線に立ち続けています。

ベネフィットを得られる可能性がある多くの患者さんにがん免疫療法薬などの革新的医薬品を提供するためには、社内のイノベーションだけでなく、この領域を率いる専門家との密接な協働が不可欠です。当社は、臨床現場での標準治療を上回る新たな治療選択肢を臨床現場に提供することを共通の目標として、学術界、政府、アドボカシー団体、バイオテクノロジー企業と提携しています。

 

オプジーボについて


オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。

業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社のがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、25,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割を理解すること、特に、PD-L1の発現によりオプジーボが患者さんにどのような利益をもたらすかを理解することに役立っています。

オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。

 

オプジーボの適応症および安全性情報について


米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業の提携について


2011年、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社に関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeおよびFacebookをご覧ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の将来予測等に関する記述


本プレスリリースは、医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。そうした将来予測に関する記述は現在の予想に基づくものであり、遅延、転換または変更を来たす内在的リスクと不確実性を伴っており、実際の成果または業績が現在の予想と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。特に、オプジーボまたはヤーボイが追加適応で承認される保証はありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業に影響を与える多くの不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2017年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新する義務を負うものではありません。