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プレスリリース

日本の非弁膜症性心房細動患者におけるエリキュース®(一般名:アピキサバン)の安全性と有効性に関するリアルワールドデータ解析の結果を発表

2018/06/28

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
ファイザー株式会社

  • 直接経口抗凝固薬であるエリキュースに関する安全性と有効性の両方を検証した、日本で初めての大規模リアルワールドデータ解析結果です。
  • 非弁膜症性心房細動(NVAF)患者におけるアピキサバンの脳卒中発症抑制を評価した第Ⅲ相ランダム化比較試験の安全性および有効性の結果が、日本の日常診療の観察データにより広く確認されました。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:ジャン=クリストフ・バルラン)とファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:原田明久)は、日本の診療報酬請求データでの、非弁膜症性心房細動(NVAF)患者におけるエリキュース®(一般名:アピキサバン)の安全性と有効性を、傾向スコアマッチング法(PSM)を用いてワルファリンと比較評価したリアルワールドデータ(RWD)解析の結果を発表しました。この結果は、直接経口抗凝固薬であるエリキュースに関する安全性と有効性の両方を検証した、日本で初めての大規模リアルワールドデータ解析結果です。
アピキサバンとワルファリンを比較するために、各11,972名が特定されました。

本解析において、アピキサバンはワルファリンと比較して、脳卒中/全身性塞栓症(S/SE)(ハザード比:0.637、95% 信頼区間:0.478 - 0.850、p=0.002)、大出血(ハザード比:0.655、95% 信頼区間:0.505 - 0.849、p=0.001)および出血(ハザード比:0.809、95% 信頼区間:0.731 - 0.895、p<0.001)の有意に低いリスクと関連していました。

この結果は、2018年5月30日、「Current Medical Research and Opinion(CMRO)」誌のオンライン版に掲載されました。

本後ろ向き観察研究では、日本の314の急性期病院から得られた匿名のレセプトデータおよびDPC(Diagnosis Procedure Combination:診断群分類)データが用いられました。データベースには、入院および外来患者1,500万例の診療報酬請求データが含まれていました。解析対象は、2011年3月1日から2017年6月30日までの期間中に非弁膜症性心房細動(NVAF)と診断され、ワルファリンまたはアピキサバンの服用を新たに開始した成人(18歳以上)で、180日間のブランキング期間中に経口抗凝固薬の処方がない患者としました。アピキサバンとワルファリンを比較するために、1対1のPSMを用いて、各11,972名が特定されました。年齢(平均±標準偏差)は、ワルファリン群77.7±10.0歳、アピキサバン群77.6±10.0歳であり、CHADS2スコアは、ワルファリン群2.2±1.4、アピキサバン群2.2±1.4でした。

本解析で示された安全性と有効性は、ランダム化比較試験である第Ⅲ相ARISTOTLE(Apixaban for Reduction In STroke and Other ThromboemboLic Events in Atrial Fibrillation)試験のデータと一貫していました。

リアルワールドデータ解析における制約:リアルワールドデータは、日常的な診療における薬剤についてさらなる情報を提供し、ランダム化比較試験のデータを補完する可能性があります。リアルワールドデータの解析には、いくつかの制約があります。例えば、使用されるデータソースやデータタイプによって、結果や評価項目の一般化可能性が限定される場合があります。リアルワールドデータの観察研究は、関連性のみ評価することができ、因果関係の評価はできません。これらの制約により、治療の有効性および/または安全性を実証する独立したエビデンスとして、リアルワールドデータ解析を用いることはできません。

本解析では、DPC対象病院の診療報酬請求データベースから取得したデータを使用していますが、その大半が急性期病院のデータであり、解析結果が日常診療における薬剤の働きを正確に反映していない可能性があります。複数の交絡因子を調整するためにPSM法を用いているものの、DPC対象病院のデータには、血圧、国際標準比値および腎機能パラメータといったバイタルデータや検査データが含まれていません。そのため、PSM後にも患者特性のバランスが完全には取れておらず、未検討の残存交絡因子が結果に影響している可能性があります。

 

エリキュース®について


エリキュース®(一般名:アピキサバン)は、選択的第Xa因子阻害剤の経口薬です。エリキュース®は、主要な血液凝固タンパク質である第Xa因子を阻害することにより、トロンビンの生成と血栓の形成を抑制します。エリキュース®は、複数の第Ⅲ相臨床試験の有効性および安全性データに基づき、米国で複数の適応症が承認されています。エリキュース®は、米国では非弁膜症性心房細動(NVAF)患者における脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制、股関節または膝関節置換術後の患者における肺血栓塞栓症(PE)を引き起こす可能性がある深部静脈血栓塞栓症(DVT)の予防、DVTおよびPEの治療、ならびに初回治療後のDVTおよびPEの再発抑制を適応とする処方薬です。日本において、エリキュース®は、非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制、ならびに静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制を効能・効果として承認されています。詳しくは、製品の添付文書を参照ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社とファイザー社の提携:


2007年、ファイザー社とブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社によって発見された経口抗凝固剤であるエリキュース®の開発および販売に関し、世界的な提携契約を締結しました。この世界的提携によって、長年にわたるブリストル・マイヤーズ スクイブ社の心血管疾患治療薬の開発および販売の実績と、この領域におけるファイザー社のグローバルな規模および専門知識を結集することになります。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社について


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、130年の歴史を有し世界各国で事業展開をしているグローバルバイオファーマ企業です。深刻な病気を抱える患者さんとご家族のために革新的な医薬品を開発し提供することを使命に、「がん」「免疫系疾患」「心血管疾患」「線維症」の専門性の高い4つの重点疾患領域で研究開発を進めています。日本法人であるブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社は、1960年の設立以来、日本の患者の皆様やご家族のことを第一に、医療ニーズが満たされていない疾患領域で、これまでにない新たな治療法をお届けすることを通じて、疾患の治療と生活の質の向上に取り組んでいます。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社についての詳細はhttps://www.bms.com/jpよりご確認ください。

 

ファイザーについて:より健康な世界の実現のために


ファイザーはサイエンスとグローバルなリソースを活用し、皆様が健康で長生きし、生活を大きく改善するための治療薬をお届けしています。私たちは、ヘルスケア製品の探索・開発・製造におけるクオリティ・安全性・価値の基準設定をリードしていくことを目指しています。当社のグローバルなポートフォリオには、医薬品とワクチンに加え、世界的に著名なコンシューマー・ヘルスケア製品が含まれています。ファイザーの社員は先進国および新興市場で、今、この時代に最も恐れられている疾患の予防・治療・治癒に役立つ製品を通じて健康に貢献しています。卓越した革新的医薬品企業の責務として、優れた医薬品を誰もが容易に入手できるように、ファイザーは世界中の医療従事者、政府、地域社会と協力しています。ファイザーは私たちに信頼を寄せてくださる皆様のため、150年以上にわたり前進を続けてきました。詳細は当社のウエブサイト(www.pfizer.com)をご覧ください。また、ファイザー株式会社(日本法人)の取り組みは、下記ホームページよりご覧いただけます。
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