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プレスリリース

オプジーボとヤーボイの併用療法についてファーストラインの転移性非小細細胞肺がん(NSCLC)に対するブリストル・マイヤーズ スクイブ社の適応追加の承認申請を欧州医薬品庁が受理 

2018/05/07

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社

※本資料は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が2018年5月3日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

  • 承認された場合、オプジーボとヤーボイの併用療法は、腫瘍遺伝子変異量が10変異/メガベース以上のファーストラインの転移性NSCLC患者に対する、欧州で初めての、2つのがん免疫療法薬を組み合わせた併用療法になります。
  • 本申請は、同患者集団を対象にオプジーボと低用量のヤーボイの併用療法を化学療法と比較評価した重要な第Ⅲ相臨床試験であるCheckMate -227試験の肯定的結果に基づいています。

(ニュージャージー州プリンストン、2018年5月3日)-ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、欧州医薬品庁(EMA)が、腫瘍遺伝子変異量(TMB)が10変異/メガベース(mut/Mb)以上のファーストラインの転移性非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者に対する、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)とヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法の適応追加の承認申請を受理したことを発表しました。申請の受理により、申請資料の提出が完了し、EMAの中央審査が開始されます。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の胸部悪性腫瘍担当開発責任者であるSabine Maier(M.D.)は、次のように述べています。「欧州は、進行肺がんの罹患率が最も高い地域の一つであり、現在がんによる全死亡例の20%を占めています。オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法は、TMBが10mut/Mb以上のファーストラインのNSCLC患者さんにとって、化学療法に代わる2つのがん免疫療法薬を組み合わせた併用療法となる可能性があります。EMAにより当社の申請が受理されたことは、薬事のレビュープロセスにおける前進であり、高精度の免疫療法を欧州の肺がん患者さんに提供するため、今後もスピード感を持って取り組んでいきます。」

本申請は、ファーストラインの進行NSCLC患者を対象に、扁平上皮がんおよび非扁平上皮がんの両方の組織型にわたり、オプジーボを含むレジメンと化学療法を比較評価した国際共同第Ⅲ相臨床試験であるCheckMate -227試験のPart1のデータに基づいています。本試験の初回の結果は、2018年4月の米国がん学会年次総会で発表され、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌にも同時に掲載されました。

 

CheckMate -227試験について


CheckMate -227試験は、ファーストラインの進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に、非扁平上皮がんおよび扁平上皮がんの両方の組織型にわたり、オプジーボを含むレジメンとプラチナ製剤を含む2剤併用化学療法を比較評価した非盲検第Ⅲ相臨床試験です。このプログラムは、3つのPartで構成されています。

  • Part 1a:PD-L1陽性患者を対象に、オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法またはオプジーボ単剤療法を化学療法と比較評価。
  • Part 1b:PD-L1陰性患者を対象に、オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法またはオプジーボと化学療法の併用療法を化学療法と比較評価。
  • Part 2:広範な患者集団を対象に、PD-L1またはTMBの状態にかかわらず、オプジーボと化学療法の併用療法を化学療法と比較評価。

Part 1では、オプジーボとヤーボイの併用療法(化学療法と比較評価)について、2つの主要評価項目を設定しました。1つはPD-L1陽性患者における全生存期間(OS)(Part 1aに組み入れられた患者で評価。Part 1aは最終解析に向けて現在進行中)、もう1つはPD-L1発現の有無にかかわらず、TMBが10mut/Mb以上の患者における無増悪生存期間(PFS)(Part 1aおよび1bに組み入れられた患者で評価)です。Part 2の主要評価項目はOSです。

本試験のPart 1において、患者はオプジーボ3mg/kgを2週間間隔で投与+低用量のヤーボイ1mg/kgを6週間間隔で投与する群、プラチナ製剤を含む2剤併用の組織型に基づく化学療法を3週間間隔で最長4サイクルにわたり投与する群、およびオプジーボ240mgを2週間間隔(Part 1a)またはオプジーボ360mg+プラチナ製剤を含む2剤併用の組織型に基づく化学療法を3週間間隔で最長4サイクル投与し、続けてオプジーボ単剤を投与する群(Part 1b)に、1:1:1の割合で無作為に割り付けられました。

 

腫瘍遺伝子変異量(TMB)について


正常細胞とは異なり、がん細胞では、時間の経過とともに遺伝子変異が蓄積していきます。腫瘍遺伝子変異量(TMB)は、がん細胞における遺伝子変異の総量を示す定量的バイオマーカーです。TMBが高レベルのがん細胞では、ネオアンチゲンの発現レベルが高くなります。ネオアンチゲンは、体の免疫系が腫瘍を認識するのを助け、がんを攻撃するT細胞や抗腫瘍応答を活性化させると考えられています。TMBは、免疫療法薬に患者が奏効するか否かを予測するのに役立つ可能性があるバイオマーカーの1つです。

 

肺がんについて


肺がんは、世界的にがんによる死亡の主要な原因となっており、世界保健機関によると、毎年170万人近くの方が亡くなっています。欧州だけでも、肺がんによって毎年35万3,000人が亡くなると推定されており、乳がん、大腸がん、前立腺がんを合わせた死亡者数を上回っています。

非小細胞肺がん(NSCLC)は肺がんの中で最も一般的な型の一つであり、およそ85%を占めています。肺扁平上皮がんは肺がん全体の約25%~30%、非扁平上皮NSCLCは全体の約50%~65%に相当します。生存率は、診断された際の病期(ステージ)とがん腫によって異なります。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社:がん免疫の科学とオンコロジー研究の最前線


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、患者さんを全ての活動の中心に据えています。当社は、がん治療の未来に関し、治療困難ながん患者さんの予後を改善する革新的ながん免疫療法(I-O)薬の研究開発に焦点を置いたビジョンを持っています。

当社は、がん免疫の科学を進展させており、研究中の化合物および承認済みの医薬品からなる広範囲に及ぶポートフォリオを有しています。臨床開発プログラムにおいては、50以上のがん腫にわたる幅広い患者集団を対象に、様々な免疫系経路を標的とする24種類の分子について臨床研究を進めています。当社は、深い専門知識と革新的な臨床試験デザインにより、複数のがん腫において、I-O/I-O、I-O/化学療法、I-O/分子標的薬およびI-O/放射線療法といった併用療法を進歩させ、治療法の次なる波を一日も早く実現すべく取り組んでいます。また、業界をリードするトランスレーショナルなケイパビリティを通じて、免疫生物学研究の最前線に立ち、PD-L1、TMB、MSI-H/dMMRおよびLAG-3を含め、効果予測に役立つ可能性のある数々のバイオマーカーを特定し、より多くのがん患者さんへのプレシジョン・メディシン(精密医療)の可能性を推進しています。

がん免疫療法による治療をより多くの患者さんに提供するためには、社内のイノベーションだけでなく、この領域を率いる専門家との密接な協働が不可欠です。当社は、臨床現場での標準治療を上回る新たな治療選択肢を臨床現場に提供することを共通の目標として、学術界、政府、アドボカシー団体、バイオテクノロジー企業と提携しています。

 

オプジーボについて


オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。

業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社のがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、25,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割を理解すること、特に、PD-L1の発現によりオプジーボが患者さんにどのような利益をもたらすかを理解することに役立っています。

オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州および日本を含む60カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の組み合わせとして初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。

 

オプジーボの適応症および安全性情報について


米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、こちらから原文リリースをご参照ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業の提携について


2011年、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社に関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeおよびFacebookをご覧ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の将来予測等に関する記述


本プレスリリースは、医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。そうした将来予測に関する記述は現在の予想に基づくものであり、遅延、転換または変更を来たす内在的リスクと不確実性を伴っており、実際の成果または業績が現在の予想と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。特に、オプジーボが単剤療法またはヤーボイとの併用療法としてNSCLCの承認を受ける保証や、本リリースに記載されている適応で TMB のコンパニオン診断薬の開発が成功する保証はありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業に影響を与える多くの不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2017年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新する義務を負うものではありません。