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プレスリリース

オプジーボとヤーボイの併用療法が、治療歴を有するdMMRまたはMSI-Hの転移性大腸がん患者において臨床的有効性を示す

2018/01/25

無題ドキュメント

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社

※本資料は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が2018年1月20日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

  • オプジーボとヤーボイの併用療法で、治験担当医師の評価による奏効率は55%でした。
  • 奏効期間の中央値は未達であり、データカットオフ時点で奏効が得られた患者の94%で奏効が持続中でした。
  • 1年生存率は85%と有望であり、全生存期間の中央値は未達でした。

(ニュージャージー州プリンストン、2018年1月20日)-ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、第Ⅱ相CheckMate -142試験から、DNAミスマッチ修復機構欠損(dMMR)または高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)の転移性大腸がん患者を対象にオプジーボ(一般名:ニボルマブ)とヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法を評価したコホートの新たなデータを発表しました。中央値13.4カ月の追跡調査において、主要評価項目である治験担当医師の評価による奏効率(ORR)は、55%(95% 信頼区間:45.2 - 63.8)でした。奏効は持続的であり、データカットオフ時点で奏効期間の中央値は未達、奏効が得られた患者の94%で奏効が持続中でした。1年生存率は85%(95% 信頼区間:77.0 - 90.2)、全生存期間(OS)の中央値は未達でした。グレード3~4の治療に関連する有害事象が、オプジーボとヤーボイの併用療法を受けた患者の32%で発現しました。患者は、病勢進行、死亡または忍容できない毒性が認められるまで、併用療法として、オプジーボ(3mg/kg)およびヤーボイ(1mg/kg)を3週間間隔で4回投与され、その後オプジーボ(3mg/kg)を2週間間隔で投与されました。

CheckMate -142試験のこれらのデータは、カリフォルニア州サンフランシスコで開催中の2018年消化器がんシンポジウムにおいて、本日、口頭発表され(抄録番号#553)、ジャーナル・オブ・クリニカル・オンコロジー誌にも同時に掲載されます。

パリ公立病院連合サンタントワーヌ病院、腫瘍内科部門長のThierry André(M.D.)は、次のように述べています。「これらの結果は、オプジーボとヤーボイの併用療法が、dMMRまたはMSI-Hの転移性大腸がん患者さんに持続的な臨床ベネフィットをもたらすことを示しています。オプジーボとヤーボイの併用療法により、これらの特異的で明確なバイオマーカーを有する患者さんにとって、重要な進展がもたらされる可能性があります。従来、これらの患者さんの予後は、正常なミスマッチ修復機構またはマイクロサテライト安定性の腫瘍を有する転移性大腸がん患者さんに比べて不良となっています。」

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社、消化器がん領域開発責任者のIan M. Waxman(M.D.)は、次のように述べています。「オプジーボとヤーボイの併用療法は、広範ながん腫で有効性を示しています。この併用療法の補完的効果により、dMMRまたはMSI-Hの転移性大腸がん患者さんにおける抗腫瘍活性が高まる可能性が示され、大変勇気付けられています。当社は、がん免疫療法による併用療法のベネフィットに対する理解をますます深めており、大腸がん患者さんにおける当社の免疫療法薬の可能性の評価をさらに進めていきたいと考えています。」

 

CheckMate -142試験について


CheckMate -142試験は、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)および非MSI-Hの再発または転移性大腸がん患者を対象に、オプジーボ単剤療法およびオプジーボと他剤の併用療法を評価した、国際共同第Ⅱ相複数コホート非盲検非対照臨床試験です。主要評価項目は、固形がんの治療効果判定のためのガイドライン(RECIST 1.1)の基準に基づく治験担当医師の評価による奏効率(ORR)です。その他の主な評価項目には、奏効期間(DOR)、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、病勢コントロール率(DCR)、盲検化された独立中央評価委員会(BICR)の評価によるORR、患者報告アウトカムおよび安全性が含まれました。

オプジーボとヤーボイの併用療法コホートには、患者119例が含まれ、中央値13.4カ月にわたり追跡調査されました。データカットオフ時点(2017年7月)において、PFSの中央値は未達、12カ月PFS率は71%(95% 信頼区間:61.4 - 78.7)、12週間以上持続したDCRは80%でした。治験担当医師の評価による奏効は、腫瘍のBRAFまたはKRAS変異、PD-L1発現、リンチ症候群の病歴にかかわらず示されました。統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善が、症状、機能面、生活の質を含む主な患者報告アウトカムで示されました。グレードを問わない治療に関連する有害事象(TRAE)が、患者の73%で発現し、多く発現したのは、下痢(22%)、疲労(18%)、そう痒症(17%)でした。免疫学的病因により発現した可能性のある特定のTRAEは、大半(範囲:71%-96%)の患者で回復しましたが、内分泌性のTRAEでは、回復した患者は40%でした。新たな安全性シグナルまたは治療に関連する死亡は報告されませんでした。治験薬に関連する有害事象により、患者の13%で投与が中止されました。これらの患者において、ORRは63%であり、患者集団全体のORRと一貫していました。

 

大腸がんおよびdMMRまたはMSI-Hの大腸がんについて


大腸がん(CRC)は、身体の消化器系の一部である結腸または直腸に発生するがんです。CRCは3番目に多いがん腫であり、全世界で140万人が罹患し、がんによる死亡原因の第4位となっています。米国において、CRCは男女を合わせたがんによる死亡原因の第2位を占め、年間135,000人以上が新たに診断されると推定されています。

DNAミスマッチ修復機構欠損(dMMR)は、DNA複製時のミスマッチエラーを修復するプロテインが欠損または機能していない場合に生じ、CRCを含む特定のがん腫において、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)の腫瘍が発生する原因となります。CRC患者の約15%、転移性CRC患者の5%において、dMMRまたはMSI-Hのバイオマーカーが認められます。dMMRまたはMSI-Hの転移性CRC患者は、従来の化学療法でベネフィットを得られない場合が多く、一般的に予後不良です。dMMRまたはMSI-Hの状態を確認するため、全てのCRC患者に対して検査が行われる必要があります。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社:がん免疫の科学とオンコロジー研究の最前線


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、患者さんを全ての活動の中心に据えています。当社は、がん治療の未来に関し、治療困難ながん患者さんの予後を改善する革新的ながん免疫療法(I-O)薬の研究開発に焦点を置いたビジョンを持っています。

当社は、がん免疫の科学をリードしており、研究中の化合物および承認済みの医薬品からなる広範囲に及ぶポートフォリオを有しています。また、臨床開発プログラムにおいては、50以上のがん腫にわたる幅広い患者集団を対象に、様々な免疫系経路を標的とする14種類の分子について臨床研究を進めています。当社は、深い専門知識と革新的な臨床試験デザインにより、複数のがん腫において、I-O/I-O、I-O/化学療法、I-O/分子標的薬およびI-O/放射線療法といった併用療法を進歩させ、治療法の次なる波を一日も早く実現すべく取り組んでいます。また、免疫バイオマーカーの役割に対する理解を深め、患者さんそれぞれの腫瘍が持つ生物学的特性をいかに治療決定の指針として利用することができるかという研究においても、最前線に立ち続けています。

がん免疫療法による治療をより多くの患者さんに提供するためには、社内のイノベーションだけでなく、この領域を率いる専門家との密接な協働が不可欠です。当社は、臨床現場での標準治療を上回る新たな治療選択肢を臨床現場に提供することを共通の目標として、学術界、政府、アドボカシー団体、バイオテクノロジー企業と提携しています。

 

オプジーボについて


オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。

業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社のがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、25,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割を理解すること、特に、PD-L1の発現によりオプジーボが患者さんにどのような利益をもたらすかを理解することに役立っています。

オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州および日本を含む60カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の組み合わせとして初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。

 

オプジーボの適応症および安全性情報について


米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、こちらから原文リリースをご参照ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業の提携について


2011年、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社に関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeおよびFacebookをご覧ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の将来予測等に関する記述


本プレスリリースは、医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。そうした将来予測に関する記述は現在の予想に基づくものであり、遅延、転換または変更を来たす内在的リスクと不確実性を伴っており、実際の成果または業績が現在の予想と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。特に、オプジーボとヤーボイの併用療法が追加適応の承認を受ける保証はありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業に影響を与える多くの不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2016年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新する義務を負うものではありません。