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プレスリリース

オプジーボ®点滴静注(一般名:ニボルマブ)、悪性黒色腫術後補助療法の適応拡大に関する国内製造販売承認事項一部変更承認申請

2017/12/22

小野薬品工業株式会社
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社

小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良暁)とブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY)は、本日、小野薬品工業株式会社(以下、当社)が、ヒト型抗ヒトPD-1(programmed cell death-1)モノクローナル抗体「オプジーボ®点滴静注20mg、100mg(以下、オプジーボ)」について、悪性黒色腫に対する国内製造販売承認事項一部変更承認申請を行いましたのでお知らせします。
今回の申請は、悪性黒色腫の切除後の再発リスクを軽減するためのオプジーボの使用を可能とすることを目的にしています。

今回の申請は、根治切除後の再発リスクが高いステージⅢb/c又はステージⅣの悪性黒色腫患者を対象にヤーボイ®(一般名:イピリムマブ)を対照薬とした、日本を含む国際共同第Ⅲ相無作為化二重盲検比較試験(ONO-4538-21/CA209238試験)の結果に基づいています。本試験では、対照薬であるヤーボイ(一般名:イピリムマブ)10mg/kg(3週間ごとに4回、その後24週目から12週間ごと)と比較して、オプジーボ3mg/kg(2週間ごと)が再発リスクを有意に軽減し、主要評価項目である無再発生存期間(RFS)を達成しました。

悪性黒色腫は皮膚の色と関係が深いメラニン色素の産生能を持つ色素細胞(メラノサイト)ががん化した悪性腫瘍で、皮膚がんの中でも転移率が高く、きわめて悪性度が高いとされています。日本での悪性黒色腫の患者数は約4,000人*1、年間約700人*2が悪性黒色腫により死亡していると報告されています。

*1:平成23年 厚生労働省 患者調査(傷病基本分類別)、がんの統計’13
*2:平成24年 厚生労働省 人口動態調査

 

悪性黒色腫の術後補助療法について


悪性黒色腫は、腫瘍の限局、厚さ、潰瘍の有無、リンパ節転移の有無、その他の部位への転移状態に基づき、5つのステージ(0~Ⅳ)に分類されます。

ステージⅢの悪性黒色腫は、所属リンパ節への転移が認められますが、遠隔リンパ節および体の他の部位への転移が認められない段階で、原発腫瘍および所属リンパ節の外科的切除を行います。患者の一部では、術後補助療法が行われる場合があります。外科的介入や術後補助療法にもかかわらず、ステージⅢb/c患者の過半数(それぞれ71%と85%*)が、5年以内に再発を経験します。

*:Romano, E., Scordo, M., Dusza, S., Coit, D. and Chapman, P. Site and Timing of First Relapse in Stage III Melanoma Patients: Implications for Follow-Up Guidelines. J Clin Oncol. 2010; 28(18), pp.3042-3047.

 

オプジーボについて


オプジーボは、PD-1とPD-1リガンドの経路を阻害することで身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。オプジーボは、日本では、小野薬品が2014年9月に根治切除不能な悪性黒色腫の治療薬として発売しました。その後、2015年12月に切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん、2016年8月に根治切除不能または転移性の腎細胞がん、2016年12月に再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、2017年3月に再発又は遠隔転移を有する頭頸部がん、2017年9月にがん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃がんに対する承認を取得しました。また、食道がん、食道胃接合部がん、小細胞肺がん、肝細胞がん、膠芽腫、尿路上皮がん、卵巣がん、胆道がんなどを対象とした臨床試験も実施中です。現在、オプジーボは、日本、韓国、台湾、米国および欧州連合を含む60ヵ国以上で承認されています。

現在、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(BMS)は、オプジーボの単剤療法または他のがん免疫療治療薬などとの併用療法による350以上の臨床試験を遂行しています。BMSは、固形がんから血液悪性腫瘍まで約50種類のがん腫に対してオプジーボを研究しており、トランスレーショナルメディシンに対する能力を駆使し、患者さん一人一人に最大限のベネフィットをもたらすことを目標に取り組んでいます。

なお、日本では当社とブリストル・マイヤーズ スクイブ社(およびその日本法人であるブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社)はがん患者さん向けに複数の免疫療法薬の共同開発、共同商業化、共同販売促進を含む戦略的提携契約を結んでいます。

 

小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブ社の提携について


2011年、当社は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と締結した提携契約により、当時、当社がオプジーボに関するすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利をブリストル・マイヤーズ スクイブ社に供与しました。2014年7月、当社とブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾においてがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。