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プレスリリース

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社のBMS-986036(PEG化FGF21)が、第Ⅱ相臨床試験において、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)患者の肝脂肪、肝傷害、線維化を持続的に改善

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社

2017/04/26

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社

※本資料は、米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が2017年4月22日(米国現地時間)に発表しましたプレスリリースの日本語訳(抜粋)をご参考までにお届けするものです。内容につきましては原本である英文が優先します。

 

  • 主要評価項目である肝脂肪の有意な減少は、BMS-986036の投与開始から16週時点で達成されました。

(ニュージャージー州プリンストン、2017年4月22日)-ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、生検により非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)(F1-F3)と確定診断された患者を対象に、主要な代謝調節因子であるヒト線維芽細胞増殖因子21(FGF21)のPEG(Polyethylene glycol)化アナログである開発中のBMS-986036を評価した第Ⅱ相臨床試験のデータを発表しました。本試験は、プラセボと比較した肝脂肪の有意な減少という主要評価項目を達成しました。線維化バイオマーカー、代謝パラメーターおよび肝傷害マーカーなど、事前に設定された探索的評価項目においても、統計学的に有意な改善が示されました。これらのデータは、オランダ・アムステルダムで開催中の欧州肝臓学会(EASL)国際肝臓学会(The International Liver Congress)において、4月22日午後4時15分(中央ヨーロッパ標準時間)に、最新口頭プレゼンテーションで発表されました。

バージニア・コモンウェルス大学の内科学、生理学および分子病理学の教授であるArun Sanyal(MBBS、M.D.)は、次のように述べています。「これらのデータは、治療選択肢がないため病勢進行する場合が多いNASHの患者さんに、BMS-986036が有効である可能性を示唆しています。本試験の結果から、NASHの治療に重要な肝脂肪、肝傷害、線維化の3つの要素において、BMS-986036が効果を発揮したことが示されました。」

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の心血管、線維症および免疫科学開発担当責任者であるMike Burgessは、次のように述べています。「これらのデータにより、NASHの複数の要素における改善を示し、また、患者さんが侵襲的な肝生検ではなく、画像診断によって効果的に評価されたことで、我々は勇気付けられました。これらのデータは、以前発表された2型糖尿病患者さんにおける第Ⅱ相臨床試験のデータとともに、NASHの治療薬候補としてBMS-986036のさらなる臨床研究を後押しするものです。当社は、保健当局とこれらのデータを共有し、BMS-986036に関して今後の試験を決定していきます。」

 

MB130-045試験について:非アルコール性脂肪性肝炎成人患者において、BMS-986036の安全性、薬物動態、薬力学的効果を評価する、第Ⅱ相無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較、複数用量臨床試験


本試験は、多施設共同無作為化(1:1:1)二重盲検プラセボ対照臨床試験で、BMI25kg/m2以上、生検で確定診断されたNASH(F1-F3)、および肝脂肪の非侵襲的な測定法であるMRIのプロトン密度脂肪分画(MRI-PDFF)により肝脂肪含有量が10%以上の成人患者を対象として実施されました。無作為化は、糖尿病の状態によって層別化されました。患者は、BMS-986036 10mgを毎日(25例)、または20mgを毎週(23例)もしくはプラセボを毎日(26例)、16週間の皮下注射投与されました。主要評価項目は、16週時点でのMRI-PDFFの変化量でした。探索的評価項目として、血清Pro-C3値(線維化バイオマーカーであるN末端タイプIIIコラーゲンプロペプチド)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、また、患者サブセットにおいては、MRエラストグラフィ(MRE)で評価した肝硬度が測定されました。

患者74例のうち、ベースラインと16週の両時点でMRI-PDFFが測定された68例を主要評価項目の評価対象としました。NASHの確定診断のため、ベースライン時に肝生検が行われました。16週時点のMRI-PDFFの測定による肝脂肪は、BMS-986036の両投与レジメン(10mgを毎日または20mgを毎週)ともに、プラセボと比較して有意に減少しました(10mg群6.8%および20mg群5.2% vs プラセボ群1.3%、p=0.0004およびp=0.008)。10mgを毎日投与した群では、患者の57%(23例中13例)で相対リスクが30%以上減少しました。20mgを毎週投与した群では、患者の52%(21例中11例)で相対リスクが30%以上減少しました。両投与レジメンにおいて、Pro-C3(線維化の血清バイオマーカー)、MRエストグラフィ(MRE、肝硬度の測定法)、アディポネクチン、ALTおよびAST(肝傷害マーカー)が改善しました。また、両投与レジメンにおいて、トリグリセリド、低密度リポタンパク質(LDL)、高密度リポタンパク質(HDL)の改善も認められました。

全体として、BMS-986036は良好な安全性プロファイルを示し、治療に関連する死亡や重篤な有害事象は発生せず、有害事象による治療の中止もありませんでした。最も多く認められた有害事象は、下痢(BMS-986036 10mg群13% vs BMS-986036 20mg群22% vs プラセボ群8%)、悪心(同15% vs 同13% vs 同8%)および排便回数増加(同20% vs 同0% vs 同0%)であり、いずれも重篤ではありませんでした。

 

線維症とNASHについて


線維化疾患は慢性炎症を特徴とし、臓器または組織において、過剰なコラーゲンの沈着および瘢痕組織の形成が起こります。この瘢痕化により機能が弱まり、最終的には臓器不全に至ります。非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、肝硬変、肝細胞がん(肝臓がん)、および肝不全に進行する可能性があり、2030年までに肝臓移植の最大原因となることが予想されています。肝線維症(肝臓内の瘢痕組織)の重篤度は、肝生検標本におけるF0(正常)からF4(肝硬変)までの尺度で測定されます。米国ではおよそ2,000万人がNASHに罹患していますが、薬理学的な治療法は承認されていません。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の線維症への取り組み


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、瘢痕組織の蓄積により臓器機能に影響が及ぶ疾患である線維症に対し、治療薬の発見および開発に全力を挙げて取り組んでいます。当社は、承認された治療選択肢が存在せず、肝線維症や肝硬変に進行する可能性がある非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)や、死亡率の高い進行性の肺疾患である特発性肺線維症(IPF)など、線維症の高いアンメット・ニーズを満たすべく、開発中の化合物のパイプラインを進展させています。患者さんに最大のベネフィットをもたらすため、複数の作用機序やアプローチの研究が進行中です。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社に関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeおよびFacebookをご覧ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の将来予測等に関する記述


本プレスリリースは、医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。そうした将来予測に関する記述は現在の予想に基づくものであり、遅延、転換または変更を来たす内在的リスクと不確実性を伴っており、実際の成果または業績が現在の予想と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。特に、本プレスリリースに記載された治験薬の開発が成功し、当局から承認を受ける保証はありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業に影響を与える多くの不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2016年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新する義務を負うものではありません。