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プレスリリース

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社 BRAF V600野生型の切除不能または転移性悪性黒色腫においてオプジーボ(ニボルマブ)とヤーボイ(イピリムマブ)の併用療法が米国食品医薬品局(FDA)より承認を取得

2015/10/05

小野薬品工業株式会社
ブリストル・マイヤーズ株式会社

※本資料は、米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が2015年10月1日(米国現地時間)に発表しましたプレスリリースの日本語訳(抜粋)をご参考までにお届けするものです。内容につきましては原本である英文が優先します。

  • FDAが承認した初めてで唯一の2つのがん免疫療法薬の併用療法です。
  • 重要なCheckMate -069試験において、オプジーボとヤーボイの併用療法が、ヤーボイ単剤療法と比較して、奏効と無増悪生存期間において有意に優越性を示しました。
  • 併用療法の承認は、革新的な併用療法を患者さんに提供し、異なる相補的な免疫システム経路を標的とする可能性を示す、新たな展開となりました。

(ニュージャージー州プリンストン、2015年10月1日)-ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国・ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は本日、米国食品医薬品局(FDA)が、BRAF V600野生型の切除不能または転移性の悪性黒色腫患者を対象とした、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)とヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法を承認したことを発表しました1。本日の発表は、がん治療においてFDAが2つのがん免疫療法薬の併用療法を、初めて、そして唯一承認したことになります。この適応は、奏効率と奏効期間に基づき、迅速承認されました1。この適応の承認の継続条件は、検証試験において臨床的有用性を証明し記載することです1

今回の承認は、未治療の切除不能または転移性の悪性黒色腫患者において、オプジーボとヤーボイ の併用療法を評価した初めての結果となった、重要な臨床試験であるCheckMate -069試験のデータに基づいています。臨床試験では、BRAF野生型悪性黒色腫患者において、臨床試験の主要評価項目である奏効率が、ヤーボイ単剤療法群では11%(95%信頼区間:3-25)であったのに対し、オプジーボとヤーボイの併用療法群では60%(95%信頼区間:48-71; p<0.001)と統計的に有意(p<0.001)な改善を示しました。完全奏効は17%の患者で見られました。部分奏効は併用療法群の43%、ヤーボイ単剤療法群の11%で見られました。オプジーボとヤーボイの併用療法群では、ヤーボイ単剤療法群よりも病勢進行のリスクが60%低減(HR=0.40:95%信頼区間:0.22-0.71; p=<0.002)しました。無増悪生存期間(PFS)中央値は併用療法群で8.9カ月(95%信頼区間:7.0,NA)、ヤーボイ単剤療法群で4.7カ月(95%信頼区間:2.8-5.3)でした1。この臨床試験は、転移性悪性黒色腫において2つのがん免疫療法薬で免疫システムを標的とすることの臨床上の理論的根拠となっています。

オプジーボは、免疫介在性の肺臓炎、大腸炎、肝炎、内分泌疾患、腎炎や腎機能障害、発疹、その他の副作用、インフュージョン・リアクション、そして胚・胎児毒性に関連付けられています1
ヤーボイの免疫介在性副作用については、黒枠警告を含む下記の重要な安全性情報をご覧ください。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社CEOのジョバンニ・カフォリオは次のように述べています。「がん治療において免疫システムを標的にすることは、数十年来、オンコロジー界にとって関心の的でした4。私たちの初めてのがん免疫療法薬であるヤーボイは、2011年に転移性の悪性黒色腫において承認されました。オプジーボはがんと闘う免疫システムの力を再認識させ、オンコロジー界がいかにこの重篤な疾患を治療するかという点において、急速に基盤となる薬剤となりつつあります。本日のオプジーボとヤーボイの併用療法の承認は、がん免疫療法における私たちの研究開発において、また新たな“初”のものとなり、がん治療を再定義し続けるという私たちの確固とした取組みを示し、患者さんにとって予後を改善する目標を持った新しい治療の選択肢を提供するものです」。

 

オプジーボとヤーボイの併用療法について:転移性悪性黒色腫の治療の進展


 

CheckMate -069 試験は、未治療の切除不能または転移性悪性黒色腫の患者140名を登録した第Ⅱ 相二重盲検無作為化試験で1、BRAF 野生型とBRAF 変異陽性の双方の悪性黒色腫患者が含まれました2。臨床試験の主要評価項目は、BRAF 野生型患者における奏効率(ORR)でした1。また、追加的な有効性評価項目はBRAF V600野生型悪性黒色腫患者における医師に評価された奏効期間とPFSでした。無作為化は BRAF の変異状態による層別化をもとに行われました。オプジーボとヤーボイの併用投与を4 サイクル実施した後、オプジーボ単剤を投与しました1。この臨床試験では、オプジーボとヤーボイの併用群の患者には、併用フェーズで、オプジーボ1mg/kg とヤーボイ3mg/kg を3 週間に1 回、4サイクル実施した後、単剤フェーズで、オプジーボ3mg/kg を隔週で、投与しました。投与は増悪または忍容不能な毒性が認められるまで継続されました1。一方、ヤーボイ単剤群の患者には、ヤーボイ3mg/kg とプラセボを3 週間に1 回、4サイクル投与しました。オプジーボとヤーボイの併用投与群に割り付けられた95名の患者のうち、50%は65才以上、13%は75才以上でした3。患者の59%は、中央値で9.1週(範囲:9.0-26.3週)で、最初の併用投与フェーズとなる4サイクルの投与を完了しました1

BRAF 野生型悪性黒色腫患者(109名)において、併用群の奏効率は60%(95%信頼区間:48-71; p<0.001)となり、ヤーボイ単剤群の11%(95%信頼区間:3-25)に対して有意に優れた結果となりました1。BRAF 野生型群の患者の17%で完全奏効となりました1。また、部分奏効は、併用群の43%、ヤーボイ単剤群の11%に見られ、患者の79%(43名中34名)は、分析の時点で少なくとも6カ月間、奏効が継続していました。これらの患者群のうち、14名の奏効期間は6カ月以上9カ月未満で、20名の奏効期間は9カ月以上でした。残りの21%(43名中9名)の患者の奏効期間は3~7カ月で、奏効の後、病勢進行、死亡または別の治療を受けました1
より高いORRと完全奏効により、オプジーボとヤーボイの併用療法は、ヤーボイ単剤と比較して、BRAF 野生型の患者の増悪リスクを60%低減(HR=0.40, 95%信頼区間:0.22-0.71; p<0.002)しました。併用療法群の無増悪生存期間中央値は8.9カ月(95%信頼区間:7.0,NA)、ヤーボイ単剤群は4.7カ月(95%信頼区間:2.8 – 5.3)でした1
メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターで内科の悪性黒色腫および免疫療法部門長であり、ルードヴィッヒ・センターのジェドD.ウォルチョック医学博士は次のように述べています。「歴史的に、転移性悪性黒色腫は治療が困難な疾患です6。2つの価値あるがん免疫療法薬を併用するという新しい治療の選択肢は、転移性悪性黒色腫においてイピリムマブ(ヤーボイ)に対して優れた有効性を示しました2。本日の承認は、転移性悪性黒色腫患者に希望をもたらし、悪性黒色腫治療の進展になります」。
CheckMate -069 試験では、オプジーボとヤーボイの併用療法群は、ヤーボイ単剤療法群に対して、重篤な副作用(62%対39%)、投与の中止につながった副作用(43%対11%)、投与遅延(47%対22%)、そしてグレード3または4の副作用(69%対43%)となり、すべてにおいて、発生頻度はより高くなりました。オプジーボとヤーボイの併用療法群では、患者の27%(94名中25名)が、4サイクルのオプジーボとヤーボイの併用療法を完了しませんでした。グレード3または4の副作用は、56名(59%)の患者でオプジーボとヤーボイの併用療法中に最初に発生しました。一方、9名(10%)の患者では、オプジーボの単剤療法中にグレード3または4の副作用が発生しました。

ヤーボイ単剤療法群と比較して、オプジーボの投与中止につながった最も多く報告された副作用は、大腸炎(16%対2%)、副腎皮質ホルモンの治療を要さない下痢(4%対4%)ALT上昇(4%対0)、肺臓炎(3%対0)およびAST上昇(3%対0)でした。 ヤーボイ単剤療法群と比較して、オプジーボとヤーボイの併用療法群で最も高い頻度で発現した重篤な有害事象は、大腸炎(17%対9%)、下痢(9%対7%)、発熱(6%対7%)そして肺炎(5%対0)でした。ヤーボイ単剤療法群に対して、オプジーボとヤーボイの併用療法群で最も多く報告された副作用(≥20%)は、発疹(67%対57%)、そう痒(37%対26%)、頭痛(24%対20%)、嘔吐(23%対15%)および大腸炎(22%対11%)でした。

メラノーマ研究基金のエグゼクティブ・ディレクターのティム・ターナムは次のように述べています。「私たちは今、がん免疫療法が転移性悪性黒色腫患者の生活に大きなインパクトを与え、がんの歴史においてターニング・ポイントとなっていることを目撃しています。2つのがん免疫療法薬、オプジーボとヤーボイの初めての併用療法が本日承認されたことは、私たちの世界にとってエキサイティングな瞬間です。なぜなら、私たちが前向きに歩を進め、患者さんにとって意味ある結果へとつなげていく新しいアプローチを提供するからです」。

 

オプジーボとヤーボイの併用療法について


 

がんにおいて2つの免疫チェックポイントを阻害することで免疫システムを標的とすることの科学的な根拠は、転移性悪性黒色腫治療に対する革新的なアプローチの基礎を形成しています4

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社エグゼクティブ・バイス・プレシデント兼CSOのフランシス・カス、MB BChir、FRCPは次のように述べています。「ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、がん治療において、2つの異なる免疫チェックポイント経路であるCTLA-4とPD-1の可能性を最前線で研究し続けてきました。初期の前臨床研究から、承認につながったヤーボイとオプジーボの単剤療法としての重要な臨床試験、そして本日のFDAによる承認まで、私たちは、がん患者さんに初めてのがん免疫併用療法をお届けできることを誇りに思います」。

がん細胞は、チェックポイント経路などの「制御」経路を悪用して免疫系から身を隠し、腫瘍が免疫から攻撃されないようにします4。オプジーボとヤーボイは、別々の、相補的なチェックポイント経路(PD-1とCTLA-4)を標的とする免疫チェックポイント阻害薬です4。作用機序は、2つの免疫チェックポイントを阻害して、抗腫瘍活性を増強させます5。ヤーボイのCTLA-4阻害はT細胞の活性化と増殖を促進させ4、一方、オプジーボはがんに対するT細胞の反応を回復させます4。これは正常な細胞に悪影響を与え、その結果、重篤な免疫介在性副作用が発生し死亡に至る可能性があります4

オプジーボは、プラチナ製剤による化学療法での治療中または治療後に進行・再発が認められた肺扁平上皮がん(NSCLC)を含む他の複数の適応でFDAから承認を受けたPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、2015年9月には、世界中の2,000人以上の患者さんを対象とし、オプジーボとヤーボイの併用療法を検討する14件以上の臨床試験から構成される幅広いグローバル開発プログラムを展開しています。

 

転移性悪性黒色腫(メラノーマ)について


 

悪性黒色腫(メラノーマ)は、皮膚にある色素産生細胞(メラノサイト)の無秩序な増殖を特徴とする皮膚がんの一形態です6。転移性悪性黒色腫は、この病気の中でも最も致死性が高く、皮膚表面だけでなく、他の臓器(リンパ節、肺、脳、その他の部分)にもがんが転移した状態です6。悪性黒色腫の発症率は、少なくとも過去30年間にわたり上昇しています6。2015年には、米国で73,870人が悪性黒色腫の診断を受けると推定されています6。悪性黒色腫は、早期の段階で治療すれば大部分が治癒可能です。しかし、末期の段階になると、米国における5-10年の平均生存期間は、それぞれ、平均15-20%、10-15%です6

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の患者支援プログラム


 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は患者さんが私たちの医薬品にアクセスすることを支援することに取り組んでいます。支援や援助のために、患者さんと医師は1-855-OPDIVO-1に電話することができます。この電話番号は、患者さんと医師に一連の支援サービスをワンストップで提供します。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社のAccess Supportについて


 

※本項目の内容は米国での承認に際しての情報であり、日本国内には適用されません。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、患者さんがオプジーボとヤーボイの併用療法を利用できるようにするため、そして患者さんや医療従事者が利用できるように支援する、BMS Access Support®を提供しています。BMS Access Supportは、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の償還支援プログラムで、給付審査、事前認可の促進、申請支援、患者さんの実費負担支援などを含む償還支援によって、BMSの医薬品を利用することをサポートし、治療を受けるまでの期間を早めることを目的として構成されています。BMS Access Supportは、初期診断や、臨床試験からの移行支援など、治療期間全体を通して患者さんと医療関係者をサポートします。償還支援プログラムの詳細については、電話(1-800-861-0048)でお問い合わせいただくか、またはwww.bmsaccesssupport.comをご覧ください。オプジーボの償還情報を必要とする医療関係者は、www.bmsaccesssupportoncology.comからBMSのアクセスサポート製品セクションをご覧ください。

 

重要な安全性情報


 

※本項目の内容は米国での承認に際しての情報であり、日本国内には適用されません。
詳細は、米国におけるオプジーボおよびヤーボイの添付文書をご覧ください。

 

重要な安全性情報

 

警告:免疫介在性副作用

ヤーボイを使用すると、T細胞の活性化および増殖のため、重篤かつ致死的な免疫介在性副作用が起こる可能性があります。このような免疫介在性反応は、どの器官系でも起こり得ますが、最も一般的に見られる重篤な免疫介在性副作用は、腸炎、肝炎、皮膚炎(中毒性表皮壊死融解症など)、神経障害、内分泌障害です。これらの免疫介在性反応の大部分は、治療中に発現しましたが、ヤーボイ使用中止後、数週間から数カ月経って発現する例も少数見られました。
患者について、ベースライン時と毎回の投与前に、腸炎、皮膚炎、神経障害、および内分泌障害の徴候や症状がないかどうかを評価し、肝機能検査や甲状腺機能検査を含む臨床生化学検査の評価を行う必要があります。
重篤な免疫介在性反応が認められた場合には、ヤーボイを完全に中止し、高用量の副腎皮質ホルモン剤の全身投与を開始する必要があります。

 

免疫介在性肺臓炎

 

  • オプジーボの投与に関連し、致死的なケースを含む重度の肺臓炎または間質性肺疾患が報告されました。固形がんを有する臨床試験被験者において、致死的な免疫介在性肺臓炎は、オプジーボ単剤投与群の0.7%(691例中5例)で報告されました。CheckMate -063 試験では報告されませんでした。CheckMate -063 試験では、免疫介在性肺臓炎は、5名のグレード3、2名のグレード2を含め、オプジーボ単剤投与群の6%(117名中7名)で発生しました。CheckMate -069 試験(94名)および追加の用量探索臨床試験(94名)を通じて、オプジーボとヤーボイを併用投与された悪性黒色腫患者188名において、致死的な免疫介在性の肺臓炎は患者の0.5%(188例中1例)で発生しました。CheckMate 069試験では更に6例で呼吸器症状が回復することなく死亡しました。肺臓炎のX線画像の徴候や症状がないか、患者さんをモニターしてください。グレード2以上の肺臓炎については、副腎皮質ホルモン剤を投与します。グレード3または4の肺臓炎については、オプジーボの投与を完全に中止し、グレード2については消失するまでオプジーボの投与を中断してください。CheckMate -069 試験では、間質性肺疾患を含む肺臓炎がオプジーボとヤーボイの併用投与群の10%(94例中9 例)で発生し、ヤーボイ投与群では2.2%(46例中1例)で発生しました。免疫介在性の肺臓炎はオプジーボとヤーボイの併用投与を受けた患者の6%(94例中6例)で発生し、うちグレード5は1例、グレード3は2例、グレード2は3例でした。

 

免疫介在性大腸炎

 

  • 免疫介在性大腸炎がオプジーボの投与により発生する可能性があります。大腸炎について、患者さんをモニターしてください。グレード2(5日間以上持続した場合)、3または4の大腸炎については、副腎皮質ホルモン剤を投与します。単剤投与の場合、グレード2または3については、投与を中断します。グレード3または4、再発性の大腸炎については、オプジーボの投与を完全に中止してください。ヤーボイとの併用投与の場合、グレード2についてはオプジーボの投与を中断し、グレード3または4、再発性の大腸炎については、オプジーボの投与を完全に中止してください。CheckMate -063 試験では、オプジーボの単剤治療を受ける患者の21%(117名中24名)で下痢が発生しました。グレード3の免疫介在性大腸炎は患者の0.9%(117名中1名)で発生しました。CheckMate -069 試験では、オプジーボとヤーボイの併用投与を受けた患者の57%(94 例中54 例)、ヤーボイ投与群の46%(46例中21例)で大腸炎または下痢が報告されました。免疫介在性大腸炎は、オプジーボとヤーボイの併用投与を受けた患者の33%(94 例中31 例)で発生し、うち グレード4は1例、グレード3は16例、グレード2は9例、グレード1は5例でした。
  • 異なる第Ⅲ相試験でヤーボイの投与を受けた患者において、重篤、生命にかかわる、あるいは致死的(ベースラインを7回以上上回る下痢、発熱、腸閉塞、腹膜刺激症状、グレード3~5)な免疫介在性腸炎が34例(7%)で発生しました。臨床試験全体(511例)でヤーボイを投与された患者において、5例(1%)で腸穿孔が発生し、4例(0.8%)が合併症で死亡し、26例(5%)が重度の腸炎により入院しました。

 

免疫介在性肝炎

 

  • 免疫介在性肝炎がオプジーボの投与により発生する可能性があります。投与前、および投与期間中は定期的に、肝機能検査値異常がないかどうかモニターしてください。グレード2以上のトランスアミナーゼ上昇については、副腎皮質ホルモン剤を投与します。グレード2については投与を中断し、グレード3または4の免疫介在性肝炎については投与を完全に中止してください。CheckMate -063 試験では、オプジーボの単剤治療を受ける患者で、AST(16%)、アルカリホスファターゼ(14%)、ALT(12%)、総ビリルビン(2.7%)の肝機能検査値の上昇が報告されました。CheckMate -069 試験では、免疫介在性肝炎は、オプジーボとヤーボイの併用投与を受けた患者の15%(94 例中14 例)で発生し、うち グレード4は3例、グレード3は9例、グレード2は2例でした。
  • 異なる第Ⅲ相試験でヤーボイの投与を受けた患者において、重篤、生命にかかわる、あるいは致死的な肝毒性(ASTまたはALTの上昇が基準値上限(ULN)の5倍超、または総ビリルビン上昇がULNの3倍超、グレード3~5)が8例(2%)発生し、そのうち0.2%で致死的な肝不全、0.4%で入院しました。

 

免疫介在性皮膚炎

 

  • 異なる第Ⅲ相試験でヤーボイの投与を受けた患者において、重篤、生命にかかわる、あるいは致死的な免疫介在性皮膚炎(スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死融解症、または真皮全層の潰瘍・壊死・水疱・出血の兆候によって悪化した皮疹など、グレード3~5)が13例(2.5%)発生しました。中毒性表皮壊死融解症による死亡が1例(0.2%)発生しました。他に、重篤な皮膚炎により、1例が入院しました。

 

免疫介在性神経障害

 

  • 異なる第Ⅲ相試験でヤーボイの投与を受けた患者において、重篤、生命にかかわる、あるいは致死的なギランバレー症候群が1例、重篤な(グレード3)末梢運動神経障害が1例報告されました。

 

免疫介在性内分泌障害

 

  • 下垂体炎、副腎機能不全、甲状腺障害がオプジーボの投与により発生する可能性があります。投与中および投与後に、下垂体炎や副腎機能不全の兆候や症状、甲状腺障害がないか、投与前および投与中定期的に患者さんをモニターしてください。グレード2以上の下垂体炎については、副腎皮質ホルモン剤を投与します。グレード2または3については投与を中断し、グレード4については投与を完全に中止してください。グレード3または4の副腎機能不全については、副腎皮質ホルモン剤を投与します。グレード2については投与を中断し、グレード3または4については投与を完全に中止してください。甲状腺機能低下症については、ホルモン補充療法を行います。甲状腺機能亢進症をコントロールのためには、内科的治療を開始してください。
  • CheckMate -069 試験では、下垂体炎がオプジーボとヤーボイの併用療法を受けた患者の13%(94名中12名)で発生し、うち グレード3は2例、グレード2は10例でした。CheckMate -069 試験では、副腎機能不全がオプジーボとヤーボイの併用療法を受けた患者の9%(94名中8名)で発生し、うち グレード3は3例、グレード2は4例、グレード1は1例でした。CheckMate -069 試験では、甲状腺機能低下症がオプジーボとヤーボイの併用療法を受けた患者の19%(94名中18名)で発生し、グレード3の自己免疫甲状腺炎の1例を除き、すべて重篤度はグレード1または2でした。グレード1の甲状腺機能低下症が、オプジーボとヤーボイの併用療法を受けた患者の2.1%(94名中2名)で発生しました。CheckMate -063 試験では、甲状腺機能低下症がオプジーボの単剤療法を受けた患者の4.3%(117名中5名)で発生しました。甲状腺機能亢進症がグレード2の1例を含め患者の1.7%(117名中2名)で発生しました。
  • 異なる第Ⅲ相試験でヤーボイの投与を受けた患者において、重篤または生命にかかわる免疫介在性内分泌障害(入院や緊急の医療介入を要するもの、または日常生活に支障を来すもの、グレード3~4)が9例(1.8%)発生しました。9例すべてに下垂体機能低下症が見られ、一部は、副腎機能不全、性腺機能低下症、甲状腺機能低下症などの内分泌障害を併発していました。9例中6例は、重篤な内分泌障害のために入院しました。

 

免疫介在性腎炎および腎機能障害

 

  • 免疫介在性腎炎がオプジーボの投与により発生する可能性があります。投与前、および投与期間中は定期的に、血清クレアチニン上昇が見られないかどうかモニターしてください。グレード2または3の血清クレアチニン上昇については、投与を中断し、副腎皮質ホルモン剤を投与します。悪化した場合、または改善が見られない場合は、投与を完全に中止してください。グレード4の血清クレアチニン上昇については、副腎皮質ホルモン剤を投与し、オプジーボまたはヤーボイの投与を完全に中止してください。CheckMate -063 試験では、血清クレアチニン上昇が22%で発生しました。免疫介在性腎機能障害(グレード2)がオプジーボの単剤投与を受けた患者の0.9%(117例中1例)で発生しました。CheckMate -069 試験では、グレード2かそれ以上の免疫介在性腎炎および腎機能障害が2.1%(94例中2例)で発生し、うち1例は腎機能障害が改善することなく死亡しました。

 

免疫介在性発疹

 

  • 免疫介在性発疹がオプジーボの投与により発生する可能性があります。発疹に対して患者さんをモニターしてください。グレード3または4の発疹については、副腎皮質ホルモン剤を投与します。グレード3については投与を中断し、グレード4については投与を完全に中止してください。CheckMate -069 試験では、免疫介在性発疹がオプジーボとヤーボイの併用療法を受けた患者の37%(94名中35名)で発生しうちグレード3が6例、グレード2が10例、グレード1が19例でした。

 

その他の免疫介在性副作用

 

  • 副作用の重篤度に基づき、投与を完全に中止または中断し、高用量の副腎皮質ホルモン剤を投与し、必要に応じてホルモン補充療法を開始してください。CheckMate -063 試験では、次の免疫介在性副作用がオプジーボ単剤投与を受けた患者の2%未満で発生しました。:ブドウ膜炎、膵炎、顔面および外転神経不全麻痺、脱髄、自己免疫性神経障害、運動機能障害および血管炎。オプジーボが3 mg/kg と10 mg/kg単剤投与された臨床試験で、臨床的に著しく発生した次の免疫介在性の副作用が確認されました。:糖尿病、糖尿病性ケトアシドーシスおよび筋無力症候群。CheckMate -069 試験では、次の臨床的に著しい免疫介在性副作用がオプジーボとヤーボイの併用療法を受けた患者の1%で発生しました。ギランバレー症候群、下垂体機能低下症。次の臨床的に著しい免疫介在性副作用がオプジーボとヤーボイの併用療法の臨床試験で確認されました。:ブドウ膜炎、サルコイドーシス、十二指腸炎、膵炎、および胃炎。

 

インフュージョン・リアクション

 

  • 重度のインフュージョン・リアクションは、オプジーボの臨床試験において患者の1%未満で報告されています。重度または生命を脅かすインフュージョン・リアクションの患者では、オプジーボの投与を中止します。軽度または中等度のインフュージョン・リアクションを有する患者は、中断もしくは投与速度を低下させます。

 

胚・胎児毒性

 

  • 作用機序に基づき、オプジーボは、妊婦に投与すると胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。妊娠中の女性には、胎児へのリスクを説明してください。妊娠の可能性がある女性には、オプジーボを含む併用療法の投与を受けている期間、および最後に投与してから少なくとも5カ月間は、効果的な避妊法を用いるよう助言してください。

 

授乳

 

  • オプジーボの母乳中への移行については確認されていません。抗体を含む多くの薬剤は母乳に移行します。オプジーボを含む治療は、授乳中の乳児に重篤な副作用を引き起こす可能性があるため、治療中は授乳を中止するよう助言してください。

 

重篤な副作用

 

  • CheckMate -063 試験では、重篤な副作用は、オプジーボの単剤投与を受けた患者の59%で発生しました。オプジーボの投与を受けた患者の2%以上で報告された最も多く発生する重篤な副作用は、呼吸困難、肺炎、慢性閉塞性肺疾患の増悪、肺臓炎、高カルシウム血症、胸水、喀血、および痛みでした。
  • CheckMate -069 試験では、重篤な副作用は、オプジーボの投与を受けた患者の62%で発生しました。ヤーボイとの併用療法では、報告された最も多く発生する重篤な副作用は、ヤーボイ単剤療法と比べて、大腸炎(17%対9%)、下痢(9%対7%)、発熱(6%対7%)および肺臓炎(5%対0)でした。

 

一般的な副作用

 

  • CheckMate -063 試験では、オプジーボの単剤投与で最も一般的に(20%以上)報告された副作用は、疲労(50%)、呼吸困難(38%)、筋骨格系痛(36%)、食欲減退(35%)、咳(32%)、悪心(29%)、便秘(24%)でした。オプジーボとヤーボイの併用投与で最も一般的に(20%以上)報告された副作用は、ヤーボイ単剤療法と比べて、発疹(67%対57%)、そう痒症(37%対26%)、頭痛(24%対20%)、嘔吐(23%対15%)および大腸炎(22%対11%)でした。
  • 異なる第Ⅲ相試験でヤーボイの投与を受けた患者において、ヤーボイ3 mg/kgの投与を受けた患者において最も一般的(5%以上)に見られた副作用は、疲労(41%)、下痢(32%)、そう痒症(31%)、発疹(29%)、大腸炎(8%)でした。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業の提携について


 

2011年、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル・マイヤーズスクイブ社と小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について


 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。詳細については、www.bms.com<米国本社のウェブサイト(英語)>またはツイッター(http://twitter.com/bmsnews)をご覧ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の将来予測等に関する記述


 

本プレスリリースは、医薬品の研究、開発、および販売について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。そうした将来予測に関する記述は現在の予想に基づくものであり、遅延、転換または変更を来たす内在的リスクと不確実性を伴っており、実際の成果または業績が現在の予想と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。特に、オプジーボとヤーボイの併用療法が商業的に成功する保証はできません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業に影響を与える多くの不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2014年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新する義務を負うものではありません。


 

  1. Opdivo U.S. Product Information. Last updated: September 30, 2015.
  2. New England Journal of Medicine. “Nivolumab and Ipilimumab versus Ipilimumab in Untreated Melanoma” Available at http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1414428. Accessed on September 23, 2015.
  3. Bristol-Myers Squibb Data on File.
  4. American Cancer Society. “Cancer Immunotherapy.” Available at http://www.cancer.org/treatment/treatmentsandsideeffects/treatmenttypes/immunotherapy/index. Accessed on September 23, 2015.
  5. Nature Reviews Cancer. “The Blockade of Immune Checkpoints in Cancer Immunotherapy.” Available at http://www.nature.com/nrc/journal/v12/n4/full/nrc3239.html.
  6. American Cancer Society. “Melanoma.” Available at http://www.cancer.org/cancer/skincancer-melanoma/index. Accessed on September 23, 2