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プレスリリース

欧州医薬品庁(EMA)が、欧州でのオプジーボ(一般名:ニボルマブ)の適応追加に関する並行する2つの承認申請を受理

治療歴を有する非扁平上皮非小細胞肺がんに対するオプジーボの適応追加および進行期悪性黒色腫に対するオプジーボとヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法の適応追加

2015/07/28

小野薬品工業株式会社
ブリストル・マイヤーズ株式会社

本資料は、米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が2015年7月23日(米国現地時間)に発表しましたプレスリリースの日本語訳(抜粋)をご参考までにお届けするものです。内容につきましては原本である英文が優先します。

(ニュージャージー州プリンストン、2015年7月23日)-ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国・ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、欧州医薬品庁(EMA)が、がん免疫療法薬であるオプジーボの適応拡大に向けた2つの適応追加承認申請を受理したことを発表しました。申請の受理により、提出が完了したことが確認され、EMAの中央審査が開始されます。

肺がんの分野で申請された新たな適応は非扁平上皮非小細胞肺がんで、成人における化学療法治療後の局所進行性または転移性の非扁平上皮非小細胞肺がんのオプジーボの単剤療法です。悪性黒色腫の分野で申請された新たな適応は、成人における進行期(切除不能または転移性)悪性黒色腫の治療において、オプジーボの単剤療法の用途拡大となる、オプジーボとヤーボイの併用療法です。

ブリストル・マイヤーズ スクイブの腫瘍領域担当シニア・バイスプレジデント兼開発責任者のマイケル・ジョルダーノは次のように述べています。「EMAの中央審査が開始されたことは、欧州においてオプジーボによる治療に適したより多くの進行期悪性黒色腫および肺がん患者さんに、オプジーボを使っていただけるようにするという当社のコミットメントにとって重要な節目となります。また、本日の発表は、多くのがん腫において、生存への期待を改善し、がんの標準治療を変革し、患者さんががんと共に生きていく方法を変えるという当社のビジョンの実現化に向けた一歩でもあります。審査においてはEMAと連携していきます」。

EMAに提出した非扁平上皮非小細胞肺がんに対する適応追加申請は、ランドマークとなる第Ⅲ相国際臨床試験であるCheckMate -057試験のデータを根拠としています。CheckMate -057試験では、プラチナ製剤を含む化学療法の2剤併用レジメンの前治療中または前治療後に病勢進行がみられた進行期非扁平上皮非小細胞肺がん患者さんの生存期間が評価されました。進行期悪性黒色腫に対する適応追加申請は、2つの臨床試験のデータ、および進行期悪性黒色腫を対象とした第Ⅰb相試験であるCA209004試験の参考データを根拠としています。未治療の進行期悪性黒色腫の成人患者を対象としてオプジーボとヤーボイの併用療法、またはオプジーボの単剤療法をヤーボイの単剤療法と比較評価した重要な第Ⅲ相臨床試験であるCheckMate -067試験と、未治療の進行期悪性黒色腫患者を対象としてオプジーボとヤーボイの併用療法を評価した初めての無作為化試験で第Ⅱ相試験であるCheckMate -069試験です。

 

販売承認申請ついて


 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は2つの異なる販売承認申請(MAA)を提出しました。進行期悪性黒色腫はオプジーボの製品名で、肺扁平上皮がんはNivolumab BMSの製品名で申請しましたが、これは、医療従事者の方々がそれぞれの適応でニボルマブを速やかに利用できることを目的としています。これら2つのMAAを一体化し、オプジーボの製品名で1つの販売承認とするブリストル・マイヤーズスクイブ社の申請を、EMAは受領しています。2つのMAAの一体化は、2015年末を目標としています。

 

オプジーボおよびヤーボイについて


 

がん細胞は、チェックポイント経路などの「制御」経路を悪用して免疫系から身を隠し、腫瘍が免疫から攻撃されないようにします。オプジーボとヤーボイは、別々の、異なるチェックポイント経路を標的とするモノクロナール抗体の免疫チェックポイント阻害薬です。異なる免疫チェックポイント経路を阻害することにより、どちらの阻害薬を単剤で使用した場合よりもT細胞の機能を高めることができます。
小野薬品工業は、2014年7月4日に根治切除不能な悪性黒色腫患者の治療薬として、日本でオプジーボの製造販売承認を取得したことを発表しました。これにより、オプジーボは世界で初めて承認を取得したPD-1免疫チェックポイント阻害薬となりました。米国では、オプジーボはヤーボイでの治療後、かつ、BRAF V600変異陽性の場合は、BRAF阻害薬での治療後に病勢進行が認められた切除不能または転移性悪性黒色腫の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)からオプジーボとしての最初の承認を受けました。2015年3月4日に、プラチナ製剤による化学療法での治療中または治療後に進行・再発が認められた肺扁平上皮がん患者の治療を適応として、オプジーボはFDAから追加適応の承認を受けました。欧州委員会は、BRAF変異の有無にかかわらず、成人の進行期(切除不能または転移性)悪性黒色腫患者の治療薬として、オプジーボを2015年6月19日に、化学療法治療後の局所進行性または転移性の肺扁平上皮がんの治療薬として、Nivolumab BMSを2015年7月20日に承認したことを発表しました。
2011年3月25日、FDAは切除不能または転移性の悪性黒色腫を適応としてヤーボイ 3mg/kg単剤療法を承認しました。2011年7月に、ヤーボイ は前治療後に進行したメラノーマを対象に欧州委員会より欧州での承認を取得しました。販売承認は2013年5月に、未治療の進行期メラノーマに拡大されました。ヤーボイは現在、40カ国以上で承認されています。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、世界中の8,000人以上の患者さんを対象とし、オプジーボを複数のがん腫において単剤療法または他の治療薬との併用療法として検討する50件以上の臨床試験から構成される幅広いグローバル開発プログラムを展開しています。

 

重要な安全性情報


 

※本項目の内容は米国での承認に際しての情報であり、日本国内には適用されません。
詳細は、米国におけるオプジーボの添付文書をご覧ください。

 

免疫介在性肺臓炎

 

  • オプジーボの投与に関連し、致死的なケースを含む重度の肺臓炎または間質性肺疾患が報告されました。固形がんを有する臨床試験被験者691例において、致死的な免疫介在性肺臓炎は、オプジーボ群の0.7%(691例中5例)で報告されました。試験1および試験3では、報告されませんでした。試験1 では、間質性肺疾患を含む肺臓炎がオプジーボ群の3.4%(268 例中9 例)で報告され、化学療法群では、102 例中1 例も報告されませんでした。免疫介在性肺臓炎は、オプジーボ群の2.2%(268 例中6 例)で報告され、うち1 例がグレード3、5 例がグレード2 でした。試験3では、免疫介在性肺臓炎がオプジーボ群の6%(117例中7例)で報告され、うち5例がグレード3、2例がグレード2でした。肺臓炎の徴候や症状がないか、患者さんをモニターしてください。グレード2以上の肺臓炎については、副腎皮質ホルモン剤を投与します。グレード3または4の肺臓炎については、オプジーボの投与を完全に中止し、グレード2については、肺臓炎が消失するまでオプジーボの投与を中断してください。

 

免疫介在性大腸炎

 

  • 試験 1 では、オプジーボ群の21%(268 例中57 例)、化学療法群の18%(102 例中18 例)で大 腸炎/下痢が報告されました。免疫介在性大腸炎は、オプジーボ群の2.2%(268 例中6 例)で報告 され、うち5 例がグレード3、1 例がグレード2 でした。試験 3 では、オプジーボ群の21%(117 例中24 例)で下痢が報告されました。オプジーボ群の0.9%(117 例中1 例)でグレード3の免疫介在性大腸炎が報告されました。免疫介在性大腸炎について、患者さんをモニターしてください。グレード2(5 日間以上持続した場合)、3、または4 の大腸炎については、副腎皮質ホルモン剤を投与します。グレード2 または3 については、オプジーボの投与を中断します。グレード4 または再発性の大腸炎については、オプジーボの投与を完全に中止してください。

 

免疫介在性肝炎

 

  • 試験 1 における肝機能検査値異常は、オプジーボ群の方が化学療法群よりも多く見られ、AST 上昇 (オプジーボ群28%に対して化学療法群12%)、アルカリホスファターゼ(ALP)上昇(オプジー ボ群22%に対して化学療法群13%)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)上昇(オプジー ボ群16%に対して化学療法群5%)、総ビリルビン上昇(オプジーボ群9%に対して化学療法群0) となりました。免疫介在性肝炎は、オプジーボ群の1.1%(268 例中3 例)で報告され、うち2 例 がグレード3、1 例がグレード2 でした。試験 3 における肝機能検査値異常は、AST 上昇(16%)、アルカリホスファターゼ上昇(14%)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)上昇(12%)、総ビリルビン上昇(2.7%)となりました。投与前、および投与期間中は定期的に、肝機能検査値異常がないかどうかモニターしてください。グレード2 以上のトランスアミナーゼ上昇については、副腎皮質ホルモン剤を投与します。グレード2 の免疫介在性肝炎については、オプジーボの投与を中断し、グレード3 または4 の免疫介在性肝炎については、オプジーボの投与を完全に中止してください。

 

免疫介在性腎炎および腎機能障害

 

  • 試験 1 におけるクレアチニン値上昇は、オプジーボ群の方が化学療法群よりも多く見られました (オプジーボ群13%に対して化学療法群9%)。グレード2 または3 の免疫介在性腎炎または腎機能障害は、被験者の0.7%(268 例中2 例)で報告されました。試験 3 におけるクレアチニン値上昇は、22%でした。免疫介在性腎機能障害(グレード2)は、被験者の0.9%(117 例中1 例)で報告されました。投与前、および投与期間中は定期的に、血清クレアチニン上昇が見られないかどうかモニターしてください。グレード2 または3 の血清クレアチニン上昇については、オプジーボの投与を中断し、副腎皮質ホルモン剤を投与します。悪化した場合、または改善が見られない場合は、オプジーボの投与を完全に中止してください。グレード4 の血清クレアチニン上昇については、副腎皮質ホルモン剤を投与し、オプジーボの投与を完全に中止してください。

 

免疫介在性甲状腺機能低下症および甲状腺機能亢進症

 

  • 試験 1 では、グレード1 または2 の甲状腺機能低下症は、オプジーボ群の8%(268 例中21 例)で報告され、化学療法群では、102 例中1 例も報告されませんでした。グレード1 または2 の甲状腺機能亢進症は、オプジーボ群の3%(268 例中8 例)、化学療法群の1%(102 例中1例)で報告されました。
    試験3では、甲状腺機能低下症は、オプジーボ群の4.3%(117例中5例)で報告されました。甲状腺機能亢進症は、オプジーボ群の1.7%(117例中2例)で報告され、うち1例はグレード2でした。投与前、および投与期間中は定期的に甲状腺機能をモニターしてください。甲状腺機能低下症については、ホルモン補充療法を行います。甲状腺機能亢進症については、コントロールのために内科的治療を開始してください。

 

その他の免疫介在性副作用

 

  • 試験 1 および試験3(385例)において、臨床的に重大な免疫介在性副作用(副腎機能障害、ぶどう膜炎、膵臓炎、顔面および外転神経不全麻痺、脱髄、自己免疫性神経障害、運動機能障害、脈管炎)がオプジーボ群の2%未満で報告されました。オプジーボが3 mg/kg および10 mg/kg 投与された複数の臨床試験において、臨床的に重大な免疫介在性副作用として下垂体炎、糖尿病性ケトアシドーシス、下垂体機能低下症、ギランバレー症候群、筋無力症候群が新たに認められました。副作用の重篤度に基づき、オプジーボの投与を中断し、高用量副腎皮質ホルモン剤を投与し、必要に応じてホルモン補充療法を開始してください。

 

胚・胎児毒性

 

  • 作用機序に基づき、オプジーボは、妊婦に投与すると胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。妊 娠中の女性には、胎児へのリスクを説明してください。妊娠の可能性がある女性には、オプジーボ の投与を受けている期間、および最後にオプジーボを投与してから少なくとも5 カ月間は、効果的 な避妊法を用いるよう助言してください。

 

授乳

 

  • オプジーボの母乳中への移行については確認されていません。抗体を含む多くの薬剤は母乳に移行 します。オプジーボは、授乳中の乳児に重篤な副作用を引き起こす可能性があるため、治療中は授 乳を中止するよう助言してください。

 

重篤な副作用

 

  • 試験1では、 重篤な副作用は、オプジーボ群の41%で報告されました。グレード3 または4 の副作用は、オプジーボ群の42%で報告されました。最も頻繁に報告されたグレード3 または4 の副作用は、オプジーボ群の2%以上5%未満で報告された腹痛、低ナトリウム血症、AST 上昇、リパーゼ上昇でした。
    試験 3 では、重篤な副作用は、オプジーボ群の59%で報告されました。患者群の2%以上で報告された副作用の内、最も多く報告された重篤な副作用は呼吸困難、肺炎、慢性閉塞性肺疾患の悪化、肺臓炎、高カルシウム血症、胸水、喀血、そして疼痛でした。

 

一般的な副作用

 

  • オオプジーボ群で最も一般的に(20%以上)報告された副作用は、試験1では、発疹(21%)でした。 また、試験 3 では、疲労(50%)、呼吸困難(38%)、筋骨格痛(36%)、食欲減退(35%)、咳(32%)、吐き気(29%)、そして便秘(24%)でした。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社のがん免疫領域への取り組みについて


 

過去数十年間、がん治療の中心は手術、放射線治療、殺細胞薬または分子標的治療による治療でしたが、進行性疾患の多くの患者さんにとって、生存期間の改善や生活の質の向上はなかなか得られないものでした。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社はこの医療ニーズを満たすために、身体の免疫系に直接作用してがんと闘う機序を主とした薬剤によるがん免疫療法という革新的な分野の発展をリードしています。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、がん治療における、さまざまな経路を標的としたがん免疫療法における併用の可能性に関する研究を含め、さまざまながん腫において、種々の化合物および免疫学的アプローチを探索しています。 
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、がん患者さんの生存への期待やがんとの共存方法を変革するために、がん免疫学の発展に尽力しています。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業の提携について


 

2011年、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について


 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。詳細については、www.bms.com<米国本社のウェブサイト(英語)>またはツイッター(http://twitter.com/bmsnews)をご覧ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の将来予測等に関する記述


 

本プレスリリースは、医薬品の研究、開発、および販売について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。そうした将来予測に関する記述は現在の予想に基づくものであり、遅延、転換または変更を来たす内在的リスクと不確実性を伴っており、実際の成果または業績が現在の予想と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。特に、オプジーボが欧州で肺がんの適応追加が承認され、オプジーボとヤーボイの併用療法が当局より承認される保証、または、もし承認されたとしても商業的に成功するという保証はできません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業に影響を与える多くの不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2014年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新する義務を負うものではありません。